(写真)サルビア・ウリギノーサの花
「ボッグセージ(Bog Sage)」とも呼ばれるサルビアは、ブラジル、パラナ州の800-1000mの高地の湿地帯で自生しているのを発見され、1833年にイギリスの植物学者ベンサム(George Bentham 1800-1884)によって「サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa)」と命名された。
この花は、南米ブラジルからアルゼンチンまでの湿地帯で自生し、次から次へと花穂を伸ばし、淡い空色の花を初夏から晩秋まで咲かせる。湿地(ボッグBog)で咲くので、ボッグセージという英名がついた。
この淡い空色の花色は、アルゼンチンのスカイブルーの色合いであり、冷涼感があり、夏日には気持ちの良い涼をもたらす。
が、陽の光がない真っ暗な肌寒い時は、何ともいえないもの寂しさをもたらす。
湿った土壌が適地だが、いつのまにか乾燥にも強くなり適応力があるようになった。
(写真)サルビア・ウリギノーサの葉と花
サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa)又はボックセージ(Bog Sage)
・シソ科アキギリ属の多年草。耐寒性・耐暑性強い。
・学名、サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa Benth.)。英名ボッグセージ(Bog sage)
・原産地はブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンなどの南米
・ボック(湿地、沼地)に生息。
・開花期は、6月~11月と長く、ソライロの美しい花が次から次へと咲く。
・夏場は水切れしないように腐葉土・ワラなどで根元をマルチングする。
・冬場は、花後に根元から10cm程度を残しカットし、霜対策で根元をマルチングする。
・草丈50~80cm。台風の時期は支柱を立てる必要あり。
・地下茎で繁殖し、繁殖力旺盛なので枝を整理する。鉢植えの場合は根づまりに注意。
・株分け、さし芽で増やせる。花後の10月にさし芽をつくったが関東以西ならば比較的容易に栽培できる。
ボッグセージの発見と命名
このボッグセージは、1830年にブラジルで発見されたが、採取者はわかっていない。
この頃には、民間の栽培業者(ナーセリー)がプラントハンターを派遣するようになってきたので、記録に残らない無名のハンターであったのかもわからない。
或いは、
南アフリカでガザニアを発見したバーチェル・ウイリアム(Burchell, William John 1781-1863)かもわからない。
彼は1825~1830年にブラジルを旅行し、20,000以上の昆虫を含む多数の標本を集めた。
これらは全て紛失しているようだが、時期的にはピッタリであり可能性がありそうだ。
珍しい、美しいに価値を見つけた新種の花の発見は、薬用とか経済的に有益である価値観から外れており、経験と蓄積が必要な時代であり、ガザニアを発見したバーチェルなら、ボッグセージの素晴らしさも理解出来たろう。
種の発見者はわかっていないが、命名者は明確であり、学名 サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa Benth.)は、英国の植物学者ベンサム(George Bentham 1800-1884)によって命名された。
彼は、カール・フォン・リンネ(Carl von Linné 1707-1778)が提唱した生物界全体の体系に対して、リンネの体系の人為的に分類しすぎている問題を解決するために、
進化のプロセスを取り入れた系統的な分類法を提唱し、一部では、19世紀最大の植物学者とも評価されているようだ。
現在では、さらにDNA鑑定などを取り入れ、系統的な分類体系が検証されている。
このようなことは、日常の園芸ではあまり関係がないが、園芸業者にとっては、品種改良などで気にしておかなければならないことだろう。
また、ベンサムの活動に敬意を払い、ヤマボウシの属名に彼の名前がつけられているが、
このことには驚いた。ヤマボウシの学名は、Benthamidia japonica (Sieb.et Zucc.) Haraだが、なんだか盗まれた感が否めない。
西洋から見れば発見だが、原産国から見れば盗用、無断利用、権利侵害であり、ここを我慢して記録・歴史を学習する必要がある。
また、世界の美しい花の恩恵を享受している現実を否定してかかる必要もないだろう。
「ボッグセージ(Bog Sage)」とも呼ばれるサルビアは、ブラジル、パラナ州の800-1000mの高地の湿地帯で自生しているのを発見され、1833年にイギリスの植物学者ベンサム(George Bentham 1800-1884)によって「サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa)」と命名された。
この花は、南米ブラジルからアルゼンチンまでの湿地帯で自生し、次から次へと花穂を伸ばし、淡い空色の花を初夏から晩秋まで咲かせる。湿地(ボッグBog)で咲くので、ボッグセージという英名がついた。
この淡い空色の花色は、アルゼンチンのスカイブルーの色合いであり、冷涼感があり、夏日には気持ちの良い涼をもたらす。
が、陽の光がない真っ暗な肌寒い時は、何ともいえないもの寂しさをもたらす。
湿った土壌が適地だが、いつのまにか乾燥にも強くなり適応力があるようになった。
(写真)サルビア・ウリギノーサの葉と花
サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa)又はボックセージ(Bog Sage)
・シソ科アキギリ属の多年草。耐寒性・耐暑性強い。
・学名、サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa Benth.)。英名ボッグセージ(Bog sage)
・原産地はブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンなどの南米
・ボック(湿地、沼地)に生息。
・開花期は、6月~11月と長く、ソライロの美しい花が次から次へと咲く。
・夏場は水切れしないように腐葉土・ワラなどで根元をマルチングする。
・冬場は、花後に根元から10cm程度を残しカットし、霜対策で根元をマルチングする。
・草丈50~80cm。台風の時期は支柱を立てる必要あり。
・地下茎で繁殖し、繁殖力旺盛なので枝を整理する。鉢植えの場合は根づまりに注意。
・株分け、さし芽で増やせる。花後の10月にさし芽をつくったが関東以西ならば比較的容易に栽培できる。
ボッグセージの発見と命名
このボッグセージは、1830年にブラジルで発見されたが、採取者はわかっていない。
この頃には、民間の栽培業者(ナーセリー)がプラントハンターを派遣するようになってきたので、記録に残らない無名のハンターであったのかもわからない。
或いは、
南アフリカでガザニアを発見したバーチェル・ウイリアム(Burchell, William John 1781-1863)かもわからない。
彼は1825~1830年にブラジルを旅行し、20,000以上の昆虫を含む多数の標本を集めた。
これらは全て紛失しているようだが、時期的にはピッタリであり可能性がありそうだ。
珍しい、美しいに価値を見つけた新種の花の発見は、薬用とか経済的に有益である価値観から外れており、経験と蓄積が必要な時代であり、ガザニアを発見したバーチェルなら、ボッグセージの素晴らしさも理解出来たろう。
種の発見者はわかっていないが、命名者は明確であり、学名 サルビア・ウリギノーサ(Salvia uliginosa Benth.)は、英国の植物学者ベンサム(George Bentham 1800-1884)によって命名された。
彼は、カール・フォン・リンネ(Carl von Linné 1707-1778)が提唱した生物界全体の体系に対して、リンネの体系の人為的に分類しすぎている問題を解決するために、
進化のプロセスを取り入れた系統的な分類法を提唱し、一部では、19世紀最大の植物学者とも評価されているようだ。
現在では、さらにDNA鑑定などを取り入れ、系統的な分類体系が検証されている。
このようなことは、日常の園芸ではあまり関係がないが、園芸業者にとっては、品種改良などで気にしておかなければならないことだろう。
また、ベンサムの活動に敬意を払い、ヤマボウシの属名に彼の名前がつけられているが、
このことには驚いた。ヤマボウシの学名は、Benthamidia japonica (Sieb.et Zucc.) Haraだが、なんだか盗まれた感が否めない。
西洋から見れば発見だが、原産国から見れば盗用、無断利用、権利侵害であり、ここを我慢して記録・歴史を学習する必要がある。
また、世界の美しい花の恩恵を享受している現実を否定してかかる必要もないだろう。
かといって、学名は覚えにくいし味もないので・・・。この中間に日本名が一つきっちりしたものがあるといいですね。(多分作れないと思うけど)