モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

サルビア・セミアトラータ(Salvia semiatrata)の花

2008-10-27 07:45:05 | セージ&サルビア
(写真)セミアトラータの花


やっとセミアトラータの花が咲いた。
いま一番お気に入りの花で、開花期は夏から秋という一般論から大きく外れ
10月末の開花となった。

かすんだ赤紫の萼に包まれ、その中から淡いブルーと黒に近いブルーの
ツートンの口唇系の花が顔を出す。
細かい毛があるので光を乱反射させ、絵の具では出難い色彩の味がある。
この色の組み合わせのオックスフォード地のシャツが欲しい。


セミアトラータの葉は、形も色も実に美しくこれだけでも価値がある。

葉の形は、角のとれた三角形のような台形状でよく出来たおむすびのようでもある。
この形に、緑色の或いは黄緑にもなる鮮やかな色が載り、
葉の表面に絞りが入ったような凸凹があり、光を柔らかく反射させてくるだけでなく、ザラザラした手触り感も良い。
花のない時期は、葉が宝石のように輝くのでこれだけでも結構楽しめる。

枝は花が咲く頃には木質化し、枯れ枝に若々しい葉が生えている感じになり、
このギャップも良い。

セミアトラータは、意外と情報が少なく人気のセージでもなさそうだが、
そのうちに人気がでてくるだろう。

この花は、メキシコの2000mのあたりのブッシュに生息し、メキシコのセージの奥の深さに驚く。

(写真)セミアトラータの葉


セミアトラータは、ドイツの植物学者でミューヘン大学教授 ツッカリーニ(Zuccarini, Joseph Gerhard 1797-1848) によって、1829-1830年に命名されている。採取者は誰かわからなかったが、1800年代初期に採取されたのだろう。
ツッカリーニは、日本、メキシコの植物の分類などを行ったが、なんといってもシーボルトとの日本植物の分類などで『日本植物誌(Flora Japonica)』を共著したことで知られている。

(写真)セミアトラータの花2


サルビア・セミアトラータ(Salvia semiatrata)
・シソ科アキギリ属の耐寒性がある多年草だが、霜には当てない方がよい。
・対暑性は強いというが、水切れでよくダウンしていた。
・学名はSalvia semiatrata Zucc.。
・原産地はメキシコの標高2000m地帯に生息。
・草丈は1mから1.5mと高いので、摘心をして丈をつめ、枝を増やすように育てる。
・木立になるので、年数がたつと鮮やかな緑の葉と枯れた感じの枝の風合いが良い。
・花期は、夏から秋と長いが、今年は10月中旬に開花。
・ガクは薄い赤紫、花がツートンカラーで黒味が入った青紫と、白味が入った青紫で珍しい配色の組み合わせだ。
・10月までにさし芽で殖やす。

『日本植物誌』
P. F. von Siebold and J. G. von Zuccarini Flora Japonica, Leiden, 1835-1870


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