モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

カレープラント(Curry Plant)の花

2009-07-27 05:42:13 | その他のハーブ
(写真)カレープラントの花


カレーの匂いがするがカレーとは無縁で、銀色の葉と夏場に咲く黄金色の花を愉しむハーブであり、花壇の縁取り、ドライフラワーとして利用する。
料理用としてはあまり魅力がない。


原産地は、地中海沿岸の乾燥した岩肌・砂地であり、日本の高温多湿な梅雨時から夏場は苦手でもある。
この間は、雨のあたらない風通しの良い軒下とか木陰で管理すると良い。

同じキク科である「サントリナ(Cotton Lavender)」と姿かたち性質が良く似ているが、高温多湿に弱い植物は育てるのが難しい。
この「カレープラント」もやっとのことで花が咲き、続きのつぼみが見えないのでこれでお終いのようだ。


「カレープラント」の命名者
ドン(Don, George 1798-1856)は、父親の庭園で見習いとして働き、彼が18歳の時の1816年にはチェルシーガーデンの主任ガーデナーとなり、1821年には王立園芸協会のプラントハンターとしてアフリカ・アメリカに派遣された。

彼は、1823年にロンドンに戻るが、この間にカナリー諸島、ケープ、ヴェルデ諸島を探検し、1822年7月にはブラジルに到着した。その後ギニア、メキシコのシェラ・レオネで植物採取をしここで多数の新種を発見した。
ジャアマイカ、キューバ、米国東沿岸を探検し太平洋を渡ってイギリスに戻った。

彼が採取した多くの植物は、ロンドンの王立園芸協会の書記で弁護士のサバイン(Joseph Sabine 1770 -1837)が発表し名誉を横取りしたようでもあるが、メキシコのシェラ・レオネで発見した新種は、しっかりとドンが発表したという。

プラントハンティングも18世紀中頃は、キュー王立植物園が英国王室の予算で実施したが、19世紀に入ると園芸協会、ナーサリー(育種園)が派遣するようになり、中国・日本・南米などが舞台となる。

「カレープラント」と命名者ドンとの関係は良くわからないが、1831年にリンネ協会のフェローに選ばれるほどの貢献があったので身内のお手盛り的に献じられたのだろう。

        

カレープラント(Curry Plant)
・キク科ムギワラギク属の半耐寒性の低木
・学名は、Helichrysum italicum ( Roth ) G.Don 。属名のHelichrysumは、“太陽”“金色”という意味。英名はCurry Plant。
・原産地はヨーロッパ南部、地中海沿岸地域の岩が多い砂地の乾燥したところに自生する。
・丈が40-50cmでラベンダーのような銀灰色の葉からはカレーの香りがする。
・開花期は7-9月で銀灰色の茎の先に黄色の花が咲く。
・乾燥気味に育てる。
・花の後に刈り込む。
・挿し木・株わけで殖やす。
・やけど用の軟膏、カビ防止剤として使われてきたハーブで、花・つぼみは煮物の最後に入れる香り付けとしても使われる。(いまはあまり利用されていない。)


命名者:
Roth, Albrecht Wilhelm (1757-1834)
ドイツの医者・植物学者、インドの植物相の著作者。

Don, George (1798-1856)
スコットランドの植物学者・プラントハンター。1821年に王立園芸協会からブラジル、西インド諸島、メキシコ・シエラレオネ等に派遣されたプラントハンター。


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