鉄道模型のある生活ブログ

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TMSレイアウトコンペを考える その2   鉄道模型とは?

2024年07月24日 | 鉄道模型全般

コンペに限らず思うことは果たして、鉄道模型って何なんだろう? ということです・

固く言えば定義ですが、そんな固い話ではなく、自分として鉄道模型とはどこまでの範囲を言うのか?と疑問が湧くのです。

私としては、鉄道模型は走らせることができると定義しています。 走らないのであれば、ソリッドモデルや工芸品、もしくは建築模型の様なジャンルに入ると思っています。

でも、この走らせることができると言う言葉も曖昧で、人によってそのレベルには大きな差があります。

今回のTMSのレイアウトコンペで問題になったのは、

この作品で、保育園のカートに鉄の車輪をつけてレールの上を散歩している。 果たしてこれが鉄道模型かどうかである。

線路周りの作りのレベルが高く、今回は鉄道模型とみなしたが次回以後はこう言うものをどうするか考えるとのことです。

私の基準から言えば、自走できないのでアウト、なのですが、これはレイアウトコンペなので車両側の問題ではない。 このモジュールが車両を走らせる機能を持っているかが私の判断基準となりますが、それはこの写真からはわかりません。

他のモジュールで、駅が災害で水没した情景がありました。 線路の上に水が溜まって、駅に停まっている電車の車輪も水没している。 これについては、災害のイメージは決して良いものではないので、ちょっと問題とのコメントがありましたが、私からすれば、完全にアウト。

情景の作りなどとても良くできているのですが、線路の上にレジンの水があれば絶対に走らない。 ということは、単なる飾りでしかないので、作者には悪いのですが情景ジオラマだと言わざるを得ない。 

 

このコンペには、A部門とB部門がありAはレイアウトで、Bはレイアウトの一部もしくはジオラマです。

レイアウトは必ず走るようにできているので問題がないのですが、私としてはジオラマに問題ありと思われる作品が多いのです。 

鉄道模型を走らせることができる模型と考えた時に、単に実物を縮小すれば良いのではないと言う考えになります。 模型を走らせるために、実物通りを縮小したのでは無理なので、模型としての構造を取らざるを得ない場合が多々あります。

しかし、走らせることを前提としてないジオラマでは、実際に走らせたら脱線したり、線路脇の小物類に車両がつっかえたり、プラットホームに車両が当たったりします。 車両も排障器やスノープロウなど実物の様に線路近くにつけると、必ずと言って良いほど、どこかにぶつかります。  これは線路の精度が実物の様にできないからです。 実物の線路はミリ単位で管理されていますが、模型でその1/80程度の精度で管理することはできません。 これは一例ですが、すべてについて実物通りにはできない。 まあ、蒸気機関車もモーターで走らせているので、その時点で実物の縮小ではない。

ジオラマに話を戻すと、線路の表現や、線路際、トンネルポータルなど、走らせないのであればいくらでも本物に似た形にできる。 それで、写真にすると走らせないものはとても良くできている様に評価される。

これって、おかしいんじゃない? 一見鉄道模型のジオラマのようでも、飾りか、写真撮りのためにしか使えないんじゃない、と思ってしまうし、狡いんじゃないとも思ってしまいます。

操作場のジオラマなど大きなものはその中で機関車を走らせれば、走らせると言うことはクリヤーするのですが、短くて小さなモジュールではその中だけで走らせるのは無理です。

だから私の考えは、モジュールには外部につながる線路をつけられるように端の線路にはレールジョイントをつけられるようになっていることを条件にしたい。 他と繋げば大きなレイアウトになりますよ、これはその一部ですよと言うことです。

そこでHNモジュールの登場となります。HNモジュールは他と接続する規格です。 これに合わせて作れば、小さいモジュールであろうとその上を車両が走ることができる。 だから、モジュールを作る人はみんなHNモジュール規格で作ればいいんだと思うんです。

そして、今までにHNモジュール規格で作ったモジュールがいくつもレイアウトコンペに入賞しています。

これらのモジュールは飾りではありません。 運転会ではたくさんの観客の前で情景を楽しんでもらうだけではなくて、実際に車両が走る姿を見てもらうことができます。

 

これは、昨日載せたTMSの表紙になった、矢ノ倉橋の数年前の姿です。 これをグレードアップして表紙の写真になったのですが、HNモジュール規格で作ってあります。 従って他のモジュールと繋いで車両が走れるのです。

走っているのは私の車両で、京王の車両を一畑電鉄風に仕上げたものです。

モジュールを作る人は、小さなモジュールだけで完結せずに、鉄道模型の情景の一部として拡張して大きな景色にできるようにされたら良いかと思います。

鉄道模型は走ることです。

ちなみに、矢ノ倉橋モジュールは東京の人の作品で、一畑電車は私、すなわち京都の作品で、HNモジュールだからこそ、こういう遠距離でも合奏できるのです。

HNモジュールのクラブに入ってない方でも、HNモジュール規格でモジュールを作っておけば、自分自身でも2台目以降で自分のモジュール同士接続して長い距離を走らせられることができる。 そしていつか他の人のモジュールと繋いで運転できるかもしれない。

レイアウトコンペに出品される方も、是非走らせる模型として拡張性のあるモジュールを目指していただきたいと思います。

でも、ある意味、走らせないことを前提にした情景マニアのために、コンペに鉄道風景ジオラマ部門を作っても良いかもしれません。

 


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2 コメント

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レイアウトとジオラマ (dcc_modellbahnen)
2024-07-24 15:18:38
私は,スチール写真と動画の関係に似ているのではないかと考えています。前者ではレンズの描写性能に気を使いながら,細部の写りを気にします。後者は,一コマ一コマの写りは人間の目では追えないので必然的に動きに重きが置かれますし,サウンド付です。
個人的にはジオラマは変化が無いので好きではありません。細かく作っても,間違え探しのように一旦分かってしまうと,その時点で記憶となってしまうからです。
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dcc_modellbahnenさんへのお返事です (鉄道模型のある生活)
2024-07-24 22:43:43
スチールと動画の関係ですか。
そういえば、コンペにも動画の部門があったら面白かもしれません。 モジュールもポイントで脱線したら減点、機関車だってスムーズに走らなければ減点だったり。
まあ、審査に時間がかかるので無理でしょうね。
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