実は本郷のあたりは苦手だ。いつになってもコンプレックスが抜けない。
避けて人生を生きていこうとすれば、それも可能なのだが・・・。。
東大正門から安田講堂にかけての銀杏並木が素晴らしく見物人も多い。
だが、ぼくはコンプレックスのせいか、本郷通りの銀杏並木の黄色と東大構内の楠木並木の緑とのコントラストの方がリラックスして観賞できる。困ったもんだ。。
気力を振り絞り、赤門へ。漱石で有名な三四郎池に回る。ナナカマドの赤い実が印象的だ。
東大というと、「イチョウ」というイメージがある。たしか、校章はイチョウ。
夏目漱石の「三四郎」にもイチョウは出てくる。
「正門を這入ると、取突の大通りの左右に植ゑてある銀杏の並木が目についた。銀杏が向こうの方で盡きるあたりから、だらだら坂に下がって、正面の際に立った三四郎から見ると、坂の向ふにある理科大學は二階の一部しか出てゐない。其屋根の後ろに朝日を受けた上野の森が遠く輝いてゐる。日は正面にある。三四郎は此奥行のある景色を愉快に感じた。」
奥行きといえば、神宮外苑の銀杏並木は、絵画館を正面に、青山通り口から樹高の高いものを選んで植えて遠近感を持たせてある。こちらも愉快な景色。
イチョウの英名は Ginkgo。実は、ドイツ人医者・博物学者ケンペルが、日本に勤務中の見聞を記録した本の中で銀杏(ぎんきょう Ginkyo )を Ginkgo とタイプミスしちまったのが始まりという。
しかも、なぜかゲーテの詩は、1819年に出版された時には"GINKGO"ではなく "GINGO"。
Dass ich Eins und doppelt bin.
(私が一枚の葉でありながら 二枚の葉であることを)
「Ginkgo biloba」と題された詩が書かれたのは、1815年、ゲーテが66歳の時。
1817年、ゲーテはその詩を25歳も若いひとりの女性に贈った。
自宅の庭に植えてあったイチョウの2枚の葉を添えて。
気に入った写真や記事がありましたら応援のクリックよろしくお願いします。
にほんブログ村