tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

11.イルカは自殺しない

2006-11-27 20:40:31 | 日記
イルカが自殺することはない。日本近海で2000年以降急増している小型鯨類の集団座礁や大型鯨類の座礁(ライブ・ストランディング)に対して、個体に感染した伝染病が群れに蔓延することを防ぐため、あるいは自ら個体数を調節して集団自殺するとする説がある。しかしながら、イルカや鯨類はかなり臆病であり、サメや大きな音などに驚いて浅瀬や湾、港の中に入り込むことはよくあることらしい。また、最近、米軍が認めた潜水艦や船のソナーによるイルカ達の聴覚及び脳への傷害が彼等の座礁につながっていることが明らかになってきた。米カリフォルニア沿岸だけでなく、世界中にその危険があり、座礁の主要因となっている可能性がある。少なくとも、ジャックはイルカが自殺しないことがわかっていた。なぜなら、臆病なイルカ達がまったく未知の浅瀬にわざわざ泳いで座礁するよりも、深海に潜って呼吸の限界近くで浮上してブラックアウトした方がより楽に死ねることを身をもって学んでいたからである。
ジャックが無くなる数年前のこと。唐津湾に三頭の小さなクジラが迷い込んだことがある。唐津に来たジャックは、クジラを湾から保護しようする人々に向かって、「死ぬものなら、死なせろ!」と叫んだそうだ。
「クジラがいつ、助けてくれと言った?いいか。助けてくれと言ったわけでもないのに、助けようとすること自体がおこがましい。あのクジラたちは人間に助けてもらおうなんて夢にも思ってもいないのだよ」
結局、水族館に保護された二頭のクジラのうち一頭は死んでしまう。ジャックは、この時、イルカばかりでなく、特定のクジラにもそばで泳ぐことができるほど海の動物のふれあいに長けていたらしい。そんな彼が、あえて迷い込んだクジラを放っておけと主張したのは、彼等は必要があれば自分の意思で浅瀬から出て行くことができることを知っていたからであろう。また、浅瀬に迷い込んだのは、身体の変調が原因であり、浅瀬から出て行ったところでダルマザメ(クッキーカッターシャーク)に襲われ長くは生きられないことを知っているからだ。どうせ、生きられないのなら彼等の好きにさせれば良い。彼はそう考えての発言と考えられる。

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