街道を行け!

街道を行く日記

70年も山を登れば!(41)オールドエベレスト街道踏査復路Ⅴ

2024-11-28 07:20:08 | 旅行

復路の二日目その2、資材を背負う男達

 オールドエベレスト街道踏査の復路二日目その2

 上の写真は、建設現場に「資材」を運ぶ男達である。長尺の壁材・屋根材だと思われるものを運んでいる。さすがに重いのか、100m位行っては休んでいる。荷に弁当や生活具を括り付けてもいるから、これが一日を要する仕事と推定される。車で来れる荷の集積地から現場まで、場合によっては5日程かかるケースもあろう。何と過酷な労働であろうか。私がこの「オールドエベレスト街道踏査」を行っていた同時期、ある登山家が『最高齢エベレスト登頂』にチャレンジ中であった。私はこの人も尊敬している。けれど、私は『この男たちの方が、最高齢チャレンジャーより偉業をなしている!』と考える。登山は一過性のものであり、逃げ場もある。しかし、この男たちの仕事はちがう。一生続くのだ。

 昨日泊まったロッジは、一泊50円だった。男達の過酷な労働貢献によって、ロッジは建てられた。『安い!』などと言って喜んでいた私の頭を、誰か叩いてくれ。『ポーターは、カトマンズで無く山で雇え!』と言っていた、マネージャーの言葉も頷けた。


70年も山を登れば!(40)オールドエベレスト街道踏査復路Ⅳ

2024-11-28 05:08:37 | 旅行

昨日はオールドエベレスト街道踏査の復路一日目、家の前を通過する荷駄隊の灰色牛の一匹に、『素敵な方』と恋してしまった農家の黒牛さん。恋に反対する農家の兄さんや、荷駄隊の支配人に言語に絶する焼きを入れられながらも、恋の成就にモウ進する黒牛さん。おそらく黒牛さんが『盛りの付いた牛』と化す季節には、毎年この光景が展開されるのだろう。新見南吉ばりの『動物愛護者』である私は、黒牛さんの恋の成就を願って止まない。

 オールドエベレスト街道踏査の復路二日目 

 昨日泊まったのは、「カリ峠」のロッジ。朝7時、昨日同じ釜の飯を食べた4人、(ネパールを三か月旅するアラスカンフィシャーマン、山岳事故で下半身不随となったロッジオーナー、親身に世話する奥さん、ロッジ拡張工事を担当するオーナーの弟)に挨拶して、二日目に旅は始まった。 

 往路は余りトレッカーに会わなかったが、復路はクリスマス休暇に入ったため、多くのヨーロッパ人に行き会う。エストニア3人組、アイルランドの4人組、スペイン人2人組、カナダの青年等に行き会った。スペイン人二人組と休憩に入った。二人は、これまでと、これからの行程の大変さを大袈裟に話す。さすがラテン系は、軽い。ブクサの町に入った。ここには、シェルパの経営する「トレッキング会社」がある。入って茶を頼み、情報も聞く。『前に何回かカトマンズでポーターを雇った。カトマンズのポーターは、荷が背負えない。真面目でないと思うがどうか?』と聞いた。『ポーターは山で雇え。カトマンズのポーターはたまにしか仕事が無いので弱い。山のポーターは普段、山仕事をしているので強い。』と、話してくれた。納得した。カトマンズのポーターは、普段「失業者」同然の生活をしている。