仕上げにガラスビーズのショットを施して、シリンダーとシリンダーヘッドの加工が完了した。
一見シルバー塗装したかの様に見える位にキレイだ。
エンジン屋さん(内燃機屋さん)はエンジンのプロであるがバイク屋では無いので、各部のクリアランス等は自分で決めて、それをハッキリ伝える必要がある。エンジンをイジる上で、ピストンクリアランス等はチューナーの考え方が現れる所なので、俺がいくら素人だと言っても、それを決めるのは俺でなくてはならない。
勿論エンジン屋さんは幅広く且つ膨大なノウハウを持っているので相談する事は出来ると思うが、例えばステーキ屋で肉を食べる時、レアかウェルダンかを決めるのは食べる側の人間。牛丼大盛か並盛かを決めるのも自分。店員さんも「僕だったら大盛2杯イケます」とかは言う事ができても、「オマカセで」というオーダーでは店員さんは困ってしまう。
もしも俺がプロであるならばピストンクリアランス等も過去のノウハウから決定出来る筈だが、残念ながら俺にはそんなノウハウは無い。先人の実績、ピストンメーカーからの指定値、自分の想像を組み合わせて考えるしかない。
使用するピストンは鍛造だが、4000番系のAl-Si合金ベースの為に熱膨張率が小さく、ピストンクリアランスも比較的小さく設定できる。
ノーマルXRのピストンクリアランスは、標準値で3/100~6/100との指定がSMにある。XR250(MD30)はシリンダーに鉄のスリーブが入っている為か、現代的なアルミシリンダー+ニカジルメッキ等に比べて若干ピストンクリアランスが大きい。
一方で用意したボアアップピストンのマニュアルには5/100~7/100の指定がある。普通の鍛造ピストン(2000番系のAl-Cu鍛造合金のケースが多い)のピストンクリアランスが、ともすると10/100を超える事もあるのを考えると非常に小さいと言える。
※ピストンのブランドの発表はもう少し引っ張ります(笑)。大体上記内容でかなり絞られますが・・・。
俺のXRは完全なレーサーというかプレイバイクというか、一般公道は一切走らないので、暖機運転は確実に実施できる。これからするとクリアランスは詰めた方が有利。問題は慣らしをカンペキに出来るかどうか・・・。まあ最近はオイルや添加剤も色々種類がある事だし、折角のフルOHなので、5/100で決意。
ダンボール箱にシリンダーとヘッドを入れ、新品のバルブガイドとOリング、ピストン、念のためにバルブも用意してエンジン屋さんへ向かった。
が・・・!!! 何と臨時休業だそうな!! ちと先に持ち越し。
↓オマケ。コレは現在のシリンダー内壁。二度と見たくない姿。ちなみにスリーブ厚は4mmある。