Vmaxの調子の良し悪しは、大抵の場合はキャブレターによる所が大きい。
Vmax乗りの人と話しをすると、かなりの割合で「低速域での調子が今一つ」という人に遭遇する。その多くの原因は、キャブレターの同調不良にある様だ。
直4の場合、キャブレターは数本のステーで4基のキャブが一つに纏められている。勿論V型4気筒であるVmaxも同じなのだが、誰がどうみても直4のキャブに比べて組立剛性が低そう。
Vmaxのノーマルキャブはツインキャブを2セット組み合わせた様な構造で、その二つはリンクによって同調が図られている。もしも先に述べたステーが何かの拍子で捻ってしまったり、同調スクリューが緩んでしまったりすると、低回転域で不調を引き起こす。
Vmaxは、とにかくキャブの同調を定期的に取らなければならないのである。スロットルを低回転域から急開した時にバックファイヤを起こして回転が付いてこない場合、そのVmaxはキャブの同調が狂っていると思っていい。
先週、キャブをフルOHした。当然ステーをバラしてOHしているので、そのまま組み立てただけでは同調が狂っている。始動性やツキが悪くなってしまうので調整を施す。
作業には勿論バキュームゲージが必要。マニフォールドのカバーを外すと各マニフォールドに黒いゴムキャップがあるので(一箇所はホースが繋がっている)コレを外してバキュームゲージをセット、アイドリングを1500rpm程度に上げてから調整する。むむ、俺の4連バキュームゲージ、どうも1個壊れている様だ(一番手前に写ってるヤツ・・・コレも放置状態だったからなあ)。
調整後は流石に調子が良い。やっぱりVmaxメンテの肝はキャブの同調だ! 全く別物の様だ。
あと、Vmaxは油面が狂っているケースも多い。しかも狂い方が生易しい物ではなく、何ミリも狂っていたりする。VmaxはSMによると実油面の計測なので、マジメにやっていると死ぬような思いをする事になる。工夫してH高で計ると良いと思います。
先週作業した時は、最初の内はちゃんとウインカーが点滅していたのに、途中から全く点かなくなってしまった。リレーのカプラーにジャンパー線を入れると点灯するので、リレーが死んだみたいだ。それと、やはり先週動作のおかしかった始動系、コレもスターターカットオフリレーの不良の様だ。コッチは今の所とりあえず動いているが・・・。
元々バフ掛けしてあったエアダクトカバーが放置のあまり、錆びて輝きが鈍っているので再度磨く。サンダーにフェルトバフを付け、白棒で研磨した後にピカールで仕上げた。ダクトのルーバーは、ちゃんと乗っていた当時に(この頃はまだサラリーマンだったなあ)、取引先のレーザー屋さんに頼んで作った物。
エンジンオイルも交換。当然放置前に換えたきりの状態なので、5年以上前の油が入っている。今回チョイスしたのは、坂内2DAYSでXR250に使用して好結果を出したWAKO’Sの4CR。ウーン…実は元々アンチWAKO’Sだったのだが。
XR250では15W-50と、熱ダレを意識した粘度の選択をしたが、今回Vmax用に買ってきたのは5W-40。5Wにする事によって、冬季始動時のフリクションロスを狙っている。
オイルフィルターも交換した。ロイヤルスターとクランクケースが共通になってから、有り難い事にオイルフィルターはカートリッヂに変更されている。
その他、錆びてしまった所を手磨きで錆び取り。XR250を含めて、過去に不動車や放置車のオコシを何台も手掛けてきた。その度に感じるのは、「バイクは走らせてないと傷む」という事である。
当然、走っていても痛むし、消耗部品は減っていく。だが、動かしていないのに比べて、走っている物の方が圧倒的に状態が良い。
今日はクリスマスイヴなので、作業はこの辺で打ち切り。