THE FOURTH PARTY

チョイ毒エッセイのようなもの。コメント欄でのやりとりはしません。用事がある人のみ書き込んでくだされ。

POINT OF NO RETURN-序盤戦

2008-09-17 20:37:18 | オフロード

荷造りを済ませてから自宅へ帰り、風呂に入った後に出発。もちろん不眠である。
一気に現地に行こうと思ったのだが、揖斐川堤防の単調な道程に睡魔に襲われる。途中のコンビニ駐車場にて仮眠するも本番を前にして緊張気味なのか、1時間ほどでトラックの屋根を叩く雨音にあっさり目を覚ます。その後は何事も無く現場に到着できたのであった。

 

雨が降っている。
昨晩は時間的にも精神的にも余裕が無く、トラックの荷台には無理に荷物が積み上げられていた。
この知恵の輪を紐解きつつピットを設営。ピットエリアは石に覆われており、そのままでは安定した整備が困難であるので、お家芸のステージをコンパネで組む。最近はどこのチームも同様の工夫をしているようだが、恐らくそれはこのブログが元ネタである(笑)。何せ「坂内2DAYSエンデューロ」のキーワード検索で、かなり上位に表示されるのだ。まあ俺が勝手に思っているだけなので適当に流してくださいw

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今回も丸太にて櫓を設営。コレは天井部分に蛍光灯の器具を設置するため。ハロゲンの投光器も良いが、明るさ・見易さともに蛍光灯に勝る物は無い。まあ来年、このブログを見た他のチームのピットには櫓+蛍光灯が採用される事であろう(ウソ)。

 

お隣さん(#18)はダートフリーク有志チーム(『ダートフリーク』というショップ或いは会社としては非公式との事)。コテコテなガテン系の我らが田中麗震愚のピットに対し、都会的なブルジョワイメージのピットが印象的だ。マシンにも同店取扱の商品が惜しげもなく投入されている。

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だが通りがかりの人の視線は、我が280馬邪に集中。ほぼ実物大のT中代表の写真が描かれた280馬邪のシュラウドデカールに、人々の熱い眼差しが注がれている。写真を撮らせてくれというオーダーも多く、T中代表はこれまで以上にどんどん有名になっていく。

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一方で赤組のXLR芋樽号もかなり怪しい雰囲気を醸しだしている。N目君の好みとT中代表の指示によって採用された(ウソ)、前代未聞の漢数字のゼッケンと各所に鏤められたT中代表のご尊顔は、我々にとっては歴史と真実そのものなのである(ナンノコッチャ)。
マシンのデカールをはじめとして、ピット周りにはT中代表の写真入りのステッカーで埋め尽くされている。
我らがT中代表はそれらのステッカーをご覧になるたびに、何度も、何度でも、こう仰せられた。
「こんなもん作る暇があったら寝とけっつーの!」
我々はこういったお言葉を胸に、日々田中麗震愚啓蒙(日本語になって無ェ・・・)に励んでいるのであります。
今年の最も注目すべき格言として、これからの人生を歩んで生きたいと存じます。

 

マシンの最終チェックをし、レーススタッフによる車検(各ピットまで来てもらえる)及びフレームナンバーのチェックがなされた。そう、このレースは極論を言えば、エンジンが全壊してもフレームさえチェッカーを受ければ良い。だが、XLR芋樽号はフレームを刷毛塗り塗装したために刻印が埋まってしまい、フレームナンバーは解読不可能。そこで適当な数字の羅列を考えてマジックで書けばOKという寛容な判断が、レーススタッフから下された。こういったユルさはこのレースの最大の魅力である。

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赤組、青組共にTカーが用意された。チーム内でこれだけのマシンが揃うというのはありがたい事だ。既にT田さんのME08はスペアホイールとして車体から外されている。ただし赤組のXLR芋樽号(MD22)に対してレーサーのME06、青組の280馬邪(MD30)に対してレーサーのME08であるので、究極の場面ではスペアパーツが適合しない可能性がある。タンクに穴が開いたり、マフラーが折れたりしたら困った事になるかもしれない。

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天気は回復してきた。
少々ピットウォークをする。去年のこのレースで仮面ライダー電王のデンバードに架装したチームは、今年は仮面ライダー1号のサイクロンに架装。

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別のチームにはザクに仮装したライダーが・・・。

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元来この『坂内2DAYSエンデューロ』はコスプレを受け入れる雰囲気を持っていると感じていたが、去年のレースでこれを初めて実現したチームには賞賛を送りたい。

 

準備は万端か・・・?

 

青組のスタートライダーは立候補により俺。
コレはまずマシンの調子を確かめたいという理由、最も280馬邪の本来の状態を知っている為に初期トラブルに敏感であろう事、あとは単純に目立ちたいという理由からである。
スタートはルマン式。去年まではオープンクラスが最も有利な位置(最前の位置)にグリッドを置いていたが、今年は完全なゼッケン順。出走台数から判断してセカンドローに並べられると思っていたが、結局ゼッケンどおり22番目にマシンを並べる事となった。ちょっと不利だなあ。

 

赤組はやはりマシンオーナーであるN目君がスタートライダーを勤めるようだ。ただこの時点で赤組にはN目君、T中さん、ルルル氏(別名ペドロサ)しかおらず、ちょっとツラそう。

 

9月13日正午。レース主催・クラブオフ代表M野氏、通称「ちーふ」により国旗が振り下ろされる。
俺はコースレーンの反対サイドでT中さんが支える280馬邪に駆け寄り、エンジン始動!! 2速に掻き上げて、若干もたつきながらも発進! ちとスタートは失敗したか? 前方には6~7台のマシン。ペースの遅いライダーに阻まれている間にトップの1台だけがかなり遠ざかっていくのが見える。
どけどけィ!!
林間に入ってほどなく2位に浮上。東屋前で早くもトップのテールを嘗め回す。登りでもパスできそうだったが、どのみちプレッシャーを感じているであろうから無理は避け、おとなしく後半でのオーバーテイクを狙う。そして直滑降その2の下りきりでミスした所を突いてトップを奪う。ホームストレートを全開で駆け抜けて約束どおり(?)オープニングラップをトップで飾ってやった。

 

どーだ、ウヒャヒャ!!
T中さんに金津園オゴリ(高級店限定)の約束を取り付けておかなかったのが非常に悔やまれる。

 

24時間もの長丁場なのに1周目でヒートアップするのを否定する方もみえるかもしれないが、序盤の成績はチームの士気に大きな影響を与えるのです。ドンケツよりはトップの方がいいに決まってる。

 

バルブ4本を新品に替えたエンジンは相変わらず渋いが、それでも280馬邪の基本ポテンシャルをほぼクリアしている。
そして、手前味噌ではあるが特筆すべきは前後サスペンション。すばらしく良く動き、不安は全く感じられない。ちなみにオーバーホールとセッティングだけで、全くのノーマルでっせ。

 

だがマシンの調子とは裏腹に、この時既に俺の体のコンディションには異変が起きていた。
寝不足の為であろうか、かなり体力を消耗している。全身がダルい。本来は3周を真剣に走った後に巡航モードに切り替えるつもりだったのだが、早くも2周目で走行モードを切り替える。

 

過去の田中麗震愚は序盤こそ速いものの、毎年必ず日が暮れた頃にトラブルを発生して結果を残す事ができなかった。
今年の田中麗震愚・青組は必勝体制ということで、いくつかの作戦が練りこまれた。
まず、8割ペースの巡航モードで走る事。巡航中に抜かれてもアツくならぬ事。(必要以上に)バイクを停止させないこと。半クラを使わない事w。パンクさせない事(笑)。高回転まで回さぬ事(爆)。
それと、過去は必ずピット前を通過するたびにタイムを記録(といっても分単位)していたのだが、これをやるとみんなメラメラと燃えてきて全開で走っちまうんですよw
なので今年はピットイン・ピットアウト時刻の記録と周回数の記録のみとした。

 

そんな訳で俺のもこの場では攻めて走るのをやめて、1速高いギヤで走りだしたのだが・・・。
それよりも体が言う事を聞かない。マジで全然寝て無ェからなあ・・・!! 高めのギヤを選択してトラクションが掛かり難い事もあり、数周走った後に痛恨の転倒。しかも結構ハデな転倒である。右足をマシンに挟まれたものの何とか引き起こし、再び280馬邪に跨ろうとするが今度は反対側に転倒!! そして引き起こす事すらできない・・・。
この間に数台が通り過ぎていく。
イカンイカン、これでポシャったら皆に申し訳なさ過ぎだし、今までの不眠の苦労も水の泡。何とか再発進。
ヤヤッ、右側のバークバスターがもげている!! ハンドルエンド側がスポッと抜けて、クランプ側にぶら下がっている状態。コーナーでハンドルを切って曲がるとバークバスターが引っ掛かってハンドルロック状態になってしまうので、寝かしてパワーを掛ける。体に全く力が入らない事もあって、途中で何度もピットインする事を考えた。だがそれでは必勝体制でも何でもなくなっちまう。苦痛に耐えて1時間を走り抜く。
今まで走った坂内の中で、最も辛い1時間であった。

 

ピットインして右側バークバスターはとりあえず撤廃。ライトの取り付けなどの長いピット作業がある時に同時に取り付けようという事となった。

 

次はRすけ君。かなり調子よく走っている。エンジンの回し方も上手くて、見た目にも安心できる。

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ふと気付けばJロウさんも到着していて、だんだん「いつもの坂内2DAYSらしく」なってきた。俺はもうライダーとしては堪能しきったカンジ(爆)。もう俺ァメカニックオンリーでいいやw

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赤組はスタートライダーのN目君がかなり引っ張ってからライダーチェンジ。若干のマイナートラブルを修理後、期待の新人・ルルル氏(別名ペドロサ)に交替。

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ルルル氏(別名ペドロサ)はほとんどオフ走行経験は無いとの事だが、天性のものなのか? 全く普通に走っている。鍛えこめば青組への移籍もアリかもしれない。

 

一方の青組。
Rすけ君が「エアクリーナー交換!!」と叫んでピット前を通り過ぎる。
夜間に気温が下がる事も考慮して、扱いやすいように微妙に濃い方向に振ったのだが、確かにOH前よりもエンジンの回り方が渋め。OH直後のためかジェッティングの影響が大きく出てしまったようだ。
ライダー交替時にエアクリーナーエレメントを交換。が、再始動しようとしたところ何故かセルが回らない!!
カチカチカチ・・・・スターターリレーが虚しい音を立てる。
バッテリーが上がっている。280馬邪は、敢えてキックは取り付けていない。仕方なく押し掛けをしてME06さんにチェンジ。この時の押し掛けで残された体力を全て使い切ってしまい、俺はヘロヘロと倒れこむ。

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セルが回らなくても、ME06さんであれば走りきれるだろう。だが、この先20時間以上乗り切るのは困難だ。しかもこの後ヘッドライトも点灯させなければならない。一体何が原因なのか?
最初に、街まで降りてバッテリーを買ってくる案が検討された。充電器はあるので、取り替えながら走りきろうかと考えたのだ。だがこれは根本的な解決にはならない。
次に、スペアを借りるという案が出た。だが、280馬邪はスクーター用のバッテリーに取り替えられており、大型のノーマルバッテリーは収まらない筈だ。
さらに、レギュレーターのパンクでは、という意見が出た。確かに可能性は高い・・・。これならばスペアと取り替えて対処できる!
しかし残念ながら、スペアに用意したME06、ME08とも280馬邪(MD30)とはレギュレーターが異なる。
そこで我々は閃いた。坂内の影の管理人、JAYBIRDさんのMD30! 確か今日もレースを見に来ていたはずだ。バイクを積んできているなら、貸して貰えないか交渉してみよう!

 

ところが残念ながらバイクの故障のため、今日は持ってきていないのだそうだ。
そして走行を終えたME06さんから新たな情報が得られた。スタータースイッチの戻りが悪く、押しっぱなしになっていた可能性があるとの事! 現在は正常に作動するそうだ。
前々回のレース途中でメインスイッチが壊れてしまったため、今回はスターター&キルスイッチは新品にしたんだが・・・。

 

次のライダーmoritechさんに、下り坂でエンジンを切って、セルが回るかどうか試してくれるように頼む。
T中代表からもお言葉があった。

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そして次の周回時、ピット前を通過するmoritechさんからエドはるみばりの「グー」が出される。ピット内は大きく沸いたのであった。

 

つづく。

コメント (2)
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