朝5時ごろ起床、朝食の準備と、昼ごはんのおにぎりを作る。正吉君は見事にオネショをしていた。
2晩連続でここ「墓ノ木公園キャンプ場」でキャンプするので、テントやテーブルはそのままにして、7時過ぎに出発。
黒部峡谷に行くためである。
実は15年以上前にも行こうとしたのだが、豪雪後のGW中で残雪があり、奥地までいけなかったのだ。
黒部峡谷には、峡谷開発時に敷設された線路を利用したトロッコ列車が運転されている。
表の顔は観光用の鉄道だが、実は今でも水力発電設備の工事やメンテナンスにも使われており、本線20km強の途中にはかなりたくさんの駅がある。
観光用として使われているのは始発の宇奈月駅、黒薙駅、鐘釣駅、終点の欅平駅の4駅。欅平駅までは片道70分も掛かる。何せ、全速力で走れば追いつきそうなスピードでしか走らないのだ。
原則として、始発の宇奈月駅で切符を買う際に、どの駅に行くか決めた上で「往復切符」を買わなければならない。さらに、到着駅で復路の電車を予約しなければならない。
つまり、どういった場所なのか自分の目で確認する前に、行き先を決めなければならず、「時間が余ったから、あっちにも行ってみよう」というのはできないのだ。
俺は前回(10年以上前)に訪れる前に調べた知識のままで、今回は全く予習して来なかった。今後行こうという方には、入念なチェックをお勧めする。
各エリアでの徒歩移動と電車の予約を考えると、一日で全てを見てまわるのはほぼ不可能と思われるので、今回は終点の欅平をチョイス。
黒薙・釣鐘・欅平ともに全て「河原の露天風呂」が存在するそうなので、温泉フリークとしては全て回りたいところだが仕方がない。また来ればいい。
また、朝8時前初のトロッコ列車に乗車できるタイミングで来たのは、大いに正解だったと思う。弁当持込も大正解だ。
欅平駅のエリアには、3つの温泉宿がある。駅の至近距離にある猿飛山荘、黒部川上流に向かって10分ほど歩いたところにある名剣温泉、名剣温泉を過ぎて最も奥地にある祖母谷温泉(ばばだにおんせん)。
今日の行程内ではチャンスは一回こっきりなので、当然、祖母谷温泉に行くべきだろう。
祖母谷温泉だけは少々危険なルートを1時間ほど歩かなければならない。道はそれなりにフラットな林道なのだが、急な傾斜の山肌を削って無理矢理通したような道で、岩盤が頭上に覆いかぶさっていたり(ほぼ半トンネルといえる状態で、“人喰岩”という名称が付いている)、ガードレールが無い谷底を覗くと、絶壁の遥か下に黒部川が流れていたりする。さらに、数年前に地すべりを起こした箇所がある。この地盤が未だ落ち着いておらず、いつ何時再び地盤が動き出しても不思議ではない、自己責任で通ってください、命の保障はしませんよ、といった立て札があったりするのだ。
駅員さんに聞いてみたら、2時間程度の滞在で帰る人が多いそうだ。すなわち、往復2時間近く掛かる上に、危険な道を通らなければならない祖母谷温泉まで足を伸ばす人は、あまりいない。なので、名剣温泉を過ぎると途端に周りに人がいなくなる。
今回は祖母谷温泉への往復を考え、約4時間の滞在で復路の電車を予約した。
※今回は朝5時起き・20時消灯のキャンプなので時間が限られていたが、例えば宇奈月温泉のホテルに泊まれば、2駅くらいはキッチリと見て周る時間があるかもしれない。
俺と正吉君は備え付けのヘルメットを被り、探検隊を結成。山をてくてくと登っていく。
狭くて長いトンネルを抜けると、硫黄のニオイが鼻を突く。正吉君は「タマゴの匂いがするよ!!」。
祖母谷温泉は登山のための山小屋といった雰囲気で、露天風呂の造りが四角くコンクリートを流しただけで、少々素っ気ないのが残念だが、ここまで歩いてきた達成感や、本物の自然に囲まれている事を思えば満足である。
休憩中に横にいた、白馬岳を越えてきたという登山者と、これから白馬に向かうという登山者の会話を羨ましく聞きつつ、ここ祖母谷のもう一つの目的地へ。
それは「祖母谷地獄」といって、河原に温泉が湧いている場所である。
湧いているお湯はヤケドしそうなくらいに熱く、そのまま入浴するのは無理。川の水を導き入れて温度調節をする必要がある。
しかし、川は流れが速く、湯舟を作ろうにも移動すら困難な大きな石が多い。「露天風呂」として機能するようなものを作るのは、そうそう簡単ではない。結局足湯でガマンする事になった。
欅平駅に戻ると大変な混雑でトロッコ列車も満席。祖母谷にはまるで人がいなかったのに、みんな何処へ行っていたのだろう? どうやら俺のように「温泉目当て」で来ている人は比較的少数のようだ。
再びトロッコ列車に揺られて70分。宇奈月駅まで帰ってきた。
トロッコ列車乗車中に対岸に見える「とちの湯」という共同温泉に行ってみる事にした。
宇奈月温泉と同じ源泉から引いているため、泉質は同じなのだそうだ。
温泉の写真を撮るのは忘れてしまったが、EVのバスやら、レンタルのEVが走っていたりして、正吉君も興奮気味。
トロッコ列車も電力で走っており、「トロッコ列車は黒部川が走らせている」という案内が印象的だった。今や火力発電・原子力発電では胸を張れない。
晩飯には、瓶詰めの物だが「ほたるいかの沖漬け」を用意。
海の幸を堪能するには時期的に厳しい物があるが、星の下で食うコイツは、十分に旨かった。
2晩連続でここ「墓ノ木公園キャンプ場」でキャンプするので、テントやテーブルはそのままにして、7時過ぎに出発。
黒部峡谷に行くためである。
実は15年以上前にも行こうとしたのだが、豪雪後のGW中で残雪があり、奥地までいけなかったのだ。
黒部峡谷には、峡谷開発時に敷設された線路を利用したトロッコ列車が運転されている。
表の顔は観光用の鉄道だが、実は今でも水力発電設備の工事やメンテナンスにも使われており、本線20km強の途中にはかなりたくさんの駅がある。
観光用として使われているのは始発の宇奈月駅、黒薙駅、鐘釣駅、終点の欅平駅の4駅。欅平駅までは片道70分も掛かる。何せ、全速力で走れば追いつきそうなスピードでしか走らないのだ。
原則として、始発の宇奈月駅で切符を買う際に、どの駅に行くか決めた上で「往復切符」を買わなければならない。さらに、到着駅で復路の電車を予約しなければならない。
つまり、どういった場所なのか自分の目で確認する前に、行き先を決めなければならず、「時間が余ったから、あっちにも行ってみよう」というのはできないのだ。
俺は前回(10年以上前)に訪れる前に調べた知識のままで、今回は全く予習して来なかった。今後行こうという方には、入念なチェックをお勧めする。
各エリアでの徒歩移動と電車の予約を考えると、一日で全てを見てまわるのはほぼ不可能と思われるので、今回は終点の欅平をチョイス。
黒薙・釣鐘・欅平ともに全て「河原の露天風呂」が存在するそうなので、温泉フリークとしては全て回りたいところだが仕方がない。また来ればいい。
また、朝8時前初のトロッコ列車に乗車できるタイミングで来たのは、大いに正解だったと思う。弁当持込も大正解だ。
欅平駅のエリアには、3つの温泉宿がある。駅の至近距離にある猿飛山荘、黒部川上流に向かって10分ほど歩いたところにある名剣温泉、名剣温泉を過ぎて最も奥地にある祖母谷温泉(ばばだにおんせん)。
今日の行程内ではチャンスは一回こっきりなので、当然、祖母谷温泉に行くべきだろう。
祖母谷温泉だけは少々危険なルートを1時間ほど歩かなければならない。道はそれなりにフラットな林道なのだが、急な傾斜の山肌を削って無理矢理通したような道で、岩盤が頭上に覆いかぶさっていたり(ほぼ半トンネルといえる状態で、“人喰岩”という名称が付いている)、ガードレールが無い谷底を覗くと、絶壁の遥か下に黒部川が流れていたりする。さらに、数年前に地すべりを起こした箇所がある。この地盤が未だ落ち着いておらず、いつ何時再び地盤が動き出しても不思議ではない、自己責任で通ってください、命の保障はしませんよ、といった立て札があったりするのだ。
駅員さんに聞いてみたら、2時間程度の滞在で帰る人が多いそうだ。すなわち、往復2時間近く掛かる上に、危険な道を通らなければならない祖母谷温泉まで足を伸ばす人は、あまりいない。なので、名剣温泉を過ぎると途端に周りに人がいなくなる。
今回は祖母谷温泉への往復を考え、約4時間の滞在で復路の電車を予約した。
※今回は朝5時起き・20時消灯のキャンプなので時間が限られていたが、例えば宇奈月温泉のホテルに泊まれば、2駅くらいはキッチリと見て周る時間があるかもしれない。
俺と正吉君は備え付けのヘルメットを被り、探検隊を結成。山をてくてくと登っていく。
狭くて長いトンネルを抜けると、硫黄のニオイが鼻を突く。正吉君は「タマゴの匂いがするよ!!」。
祖母谷温泉は登山のための山小屋といった雰囲気で、露天風呂の造りが四角くコンクリートを流しただけで、少々素っ気ないのが残念だが、ここまで歩いてきた達成感や、本物の自然に囲まれている事を思えば満足である。
休憩中に横にいた、白馬岳を越えてきたという登山者と、これから白馬に向かうという登山者の会話を羨ましく聞きつつ、ここ祖母谷のもう一つの目的地へ。
それは「祖母谷地獄」といって、河原に温泉が湧いている場所である。
湧いているお湯はヤケドしそうなくらいに熱く、そのまま入浴するのは無理。川の水を導き入れて温度調節をする必要がある。
しかし、川は流れが速く、湯舟を作ろうにも移動すら困難な大きな石が多い。「露天風呂」として機能するようなものを作るのは、そうそう簡単ではない。結局足湯でガマンする事になった。
欅平駅に戻ると大変な混雑でトロッコ列車も満席。祖母谷にはまるで人がいなかったのに、みんな何処へ行っていたのだろう? どうやら俺のように「温泉目当て」で来ている人は比較的少数のようだ。
再びトロッコ列車に揺られて70分。宇奈月駅まで帰ってきた。
トロッコ列車乗車中に対岸に見える「とちの湯」という共同温泉に行ってみる事にした。
宇奈月温泉と同じ源泉から引いているため、泉質は同じなのだそうだ。
温泉の写真を撮るのは忘れてしまったが、EVのバスやら、レンタルのEVが走っていたりして、正吉君も興奮気味。
トロッコ列車も電力で走っており、「トロッコ列車は黒部川が走らせている」という案内が印象的だった。今や火力発電・原子力発電では胸を張れない。
晩飯には、瓶詰めの物だが「ほたるいかの沖漬け」を用意。
海の幸を堪能するには時期的に厳しい物があるが、星の下で食うコイツは、十分に旨かった。