THE FOURTH PARTY

チョイ毒エッセイのようなもの。コメント欄でのやりとりはしません。用事がある人のみ書き込んでくだされ。

いのち

2019-03-30 00:08:58 | チョイ毒エッセイのようなもの
開幕直前の痛ましい事故を受けて、関東モトクロス選手権の第1戦が中止となった。
SNSで「それは今、論ずる事ではないでしょ」的な書き込みを多く目にして心配していたものの、杞憂だったようだ。
もしも予定通り開催されたら、俺は「大事な大会だから仕方がない」と暗い気持ちで会場へ向かったか。あるいは我が家だけでも出場をキャンセルしたか。

31日には正吉君と同じレースを走るはずだったライダーの不幸。

俺は幸いにして、ごく近しい人をバイク事故で失ったことはない。でも、知人は何人か亡くしている。
それでも俺はバイクを降りなかったし、仮に万が一のことがあったとしても、今後もバイクから離れることはないだろう。

しかしそれが自分の子供ともなると、話は全く違ってくる。

正吉君が小さな怪我を負っただけで、俺は身を裂かれるような痛みに襲われる。
正吉君はバイクが好きで、モトクロスが好きで自分の意思で乗っているが、そもそもそれは俺が勧めたものであり、俺の趣味が元で乗っているものだ。
正吉君がバイクに乗っててコケて怪我したら、親としてはその原因はどこにあると感じるのだろうか。

もちろん、怪我のリスクがあることは俺も本人も承知している。モトクロスをやっている全ての人はそうだろう。
しかし、果たしてそれには最悪の事態までが含まれるのだろうか。
万が一の時には平常心でいられるか。それどころか自分自身、この世に留まっていられるか。

モトクロス業界が置かれている局面や未来は確かに大事だと思う。しかし俺は、それよりも一人の人間の命の重さを考えたい。

ご冥福をお祈りします。
コメント
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