先日、近所のバイク用品店にてボアアップ・ピストンを頼んだ時に、ついでにPWKのセッティング用にニードルも御願いした。
数日後にお店から連絡があった。
ピストンは入荷したが、ニードルは仕入れできません・・・との事。(※お店の名誉の為に付け加えると、発注時から既に、仕入れルート上困難であるとの説明は受けていた)
聞けばKEIHINの製品は全て、KEHINキャブレターの販売店として名高い西の方のB社から仕入れているらしい。しかもこの用品店から直接ではなく、この用品店の母体であるA社通しなのだそうだ。この用品店が販売する物は全て「カタログ製品」という事か。
俺自身仕事で、取引関係上超える事の出来ない枠という物が存在するので、この事を否定するつもりは無い。だがつまり、近年のカスタムっていうのはカスタムでは無く、単なる「パーツ取替え」か「キット装着」という事では?
まあいいや。しかしセッティングは「まあいいや」では済まされないので、やはりKEIHINの販売店として有名な、東のB社に直接電話してみた。俺が要望する番手は全て在庫しており、通販での対応もして貰えるらしい。送料等を考えると割高になってしまうが仕方ない。
ニードルは全回転域に対して影響するので、本来はセッティングの初期の段階でおおかた決定する必要がある。そのまま走っていた俺も、我乍ら正体不明だが…。
XR250(MD30)の場合はキャブレター換装の常套手段としてME08の純正キャブレターという選択肢があるが、レーシングキャブの方が豊富なニードルが用意されているのでセッティング性では有利だと思う。
単体入手したPWK35Mは当然XR250用にプリセットされている筈も無く、標準で「R2072J」のニードルがセットされていた。
頭の「R」はハリの全長で、Rの場合は65㎜。これは大部分がキャブ口径によって決まる物であり(クリップ位置によって全長が変わったのと同じ事にもなる為この限りでは無いが、ニードルのラインナップを見ると無意味な番手は用意されていない様だ)、また今回は変える理由が無い。
4桁の数字の上2桁はテーパー角度を表している。「20」の場合は2.0度となる。スロットルを開けていく過程のガソリンの量を設定する部分である。
下2桁はストレート径(ハリの根元の部分の径)。数字が大きい方が径は大きくなる。スロットルの開きが小さい時のガソリン量を決めるという意味ではスロージェットの変更と同質であるが、俺のショボイ経験では、例えばスロージェットが現在#40でメチャメチャ薄い場合、どんどん番手を上げて行っても(極端な話#50位にしても)、不思議な事に全く効果が無い。この理由は俺の屁理屈を含む上に尚且つ長くなるので割愛するが、あくまでニードルを決めた後で微調整するのがスロージェットである。
最後の「J」、これは「切り上がり」と呼び、簡単に言えばニードル全体に対してのテーパーが始まる位置を示している。これを変更するのはハリ位置(クリップ段数)を変更するのとほぼ同義であるが、クリップ段数では1段当たり0.55ミリの位置変更であるのに対し、JをNに変更すると1.7mm~1.8mmの位置変更となるので、クリップ位置の変更では追いつかない場合に有効。
「多分この辺り?」と思われるニードルに取替え。誤解を招く恐れがあるので番手の公表は差し控えるが、代わりに俺のセッティング方法を紹介。
極力事前にパーツを揃えておき、何度もジェッティングを変更する場合はメモをとる。同時に複数の変更は出来る限りしない。ここまでは常識的だが、俺の場合は5分以上乗らない事にしている(セッティングOKの場合は別)。理由は、長時間乗っていると必要以上に神経質になり、結果としてアラ捜しばかりしてしまい、調子の悪い所ばかりを苛めて乗ってしまうからだ。
俺のXR250(MD30)は登録してないのでクローズドコース専用。残念ながらセッティングの為に公道を走る事は出来ない。8月半ばに某所で行われる、恒例の夏季合宿走行会までオアズケ。
でも、揃えた物ではセッティングが追いつかなかったらどうしよう? コレばっかりは走ってみなくては判りませぬ。