インスタント焼そばといえば? 一番人気はやはり「UFO」辺りだろうか。 俺は「大盛いか焼そば」だった。学生の頃、良くお世話になっていた。量が多いからという理由だけであった。
インスタント焼そばはみんな食感と味が酷似しており、仮に目隠しされて食べてもブランドの違いは判りにくく、またインスタントか非インスタントか…の識別は一発で可能。要するに「焼そば」と「インスタント焼そば」は全く異なる食べ物なのである。それなのにインスタント焼そばは焼きそばになろうとしている。袋麺タイプの物を除き、カップタイプである以上はお湯を入れるだけで焼かない。焼きそばじゃ無いじゃんか。どんなに頑張っても鳶は鷹になれない。
だが、そんなインスタント焼そば界に一石を投じる逸品、それが「サッポロ一番 オタフクお好みソース味焼そば」だ。
インスタント焼そばなりに何者かになろうとしたのであろう、完全にカップタイプのインスタント焼きそばの常識は超えている。
が、冷静に食べてみるとやっぱりインスタントだ。スミマセン。
この味は正に、かの「オタフクお好みソース」によって支えられている物である。オタフクは国内のソース販売において「○ルドックソース」と人気を二分している調味料メーカーで、本社はお好み焼きで有名な広島にある。勿論ここで使われている「お好みソース」は、お好み焼き用のソースとしてはトップシェアだ。東のブ○ドック、西のオタフクといったところだろうか、一時は同業他社の買収により業界の現トップであるブ○ドックを抜いたが、現在はまた再び○ルドックが他社買収により首位に返り咲いている様だ。
我が家ではコーミソースかカゴメを使っている。理由はどちらも我が地元企業であるが故の入手性の良さからであると思われるが、嫁さんからは特に理由を聞いた事は無い。
話は逸れるようだが、この「ブル○ック」は勿論「ブル○ッグ=BULL DOG」の事である。同社の創業は20世紀初頭と非常に古く、日本人が発音しにくいという理由からかどうかは不明だが、当初より「グ」ではなく「ク」と表記している様だ。第二次世界大戦時に「敵国語」とされたために一旦創業当時の名前に由来する「三澤工業」に変更、終戦直後に再び「ブルドック食品」に戻した様だが、折角ならば「○ルドッグ」とした方が良かったのではと思わせる。
似たような事に「○ックカメラ」もあるが、同店は店名を英語表記する場合「BIC」としているものの、この単語を英和辞典で引いても出てこない。多分上の事例と同じく、最終的に引っ込みがつかなくなってしまったのであろう。(2007/2/11追記:「BIC」は方言で「偉大な」とかいう意味がある事が判明。フランス語では「ボールペンのブランド」として辞典に載っている。ふぬう。俺は認めんぞ。後から取って付けただろう?普通に考えると・・・命名する時点で、誤解を産む可能性のある語句は避ける筈である。少なくとも俺はそうする。俺の考察では、調べが甘くて「○ック」としてしまい、その後方言でこういう表現がある事を知ってこじつけたと思われる。或いは救済的解釈をするならば、「本来は『ビッグ』であるが日本人には発音し難い。『ビック』としたいが、何とか意味を持たせる事はできないのか?」と検証中にこの方言を見つけて命名した・・・? )
俺はこういう事を非常に気にするので、そういう企業にはお金を使わない事にしている。
ちなみに…俺が日本の企業の中でも非常に好きな「マクドナルド」、これも本来は「マクドーネル」(※敢えてカタカナで表現しているので、細かいツッコミはご勘弁下さい)であり、日本マクドナルド創業時に本部より猛反対を食らったらしいのだが、藤田田が日本人に馴染み易いという理由で押し通したそうだ。なので、上の例と比べて格が違うのである。加えて書いておけば、同店の「BIGMAC」はカタカナでも「ビッグマック」と書かれている。サスガだ。
えーと、そ、そうだった、焼きそばだ。「サッポロ一番」というのは社名ではなくてブランド名である。製造販売する「サンヨー食品」は特に札幌に関係は無く、ちょっとしたエピソードが出所になっているのだそうだ。
所謂コラボ商品であるのだが、一瞬パッケージからはサンヨー食品の物であるというイメージが無い。俺自身暫く気がつかなかった位だ。本来は味のバックアップとして使用される調味料と立場が逆転してしまっている所が、何処と無く謙虚で好感が持てる。