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『ユービック』
フィリップ・K・ディック(米:1928-1982)
浅倉久志 訳
"UBIK" by Philip K.Dick(1969)
1978年・ハヤカワ文庫
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彼の左耳に装着された秘密のマイクロスピーカーがブツブツ音を立て、ニーナ・フリードの注意深い、小さな声が、彼だけに聞こえてきた。
「ミス・ワートはスタントン・ミックの代理。
彼女は彼の信任厚い助手です。
シェパード・ハワードなる人物は存在しません。
問題のプロジェクトは、おもに月面(ルナ)で進められています」
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大阪にいてます。
今夜はこっちは寒くない。
あー。
しかし、これはもうメチャクチャな面白さだね。
ホンマにおもろい。
せっかく選りすぐりの不活性者が11人もルナに行って、わ・・・わくわく・・・、超能力者との闘いはどうなんの?
と思ったところで、対決もなおざりに、時間が退行し始めるいつものパターンで。
そうだね、それでこそディックだよね。
SFチックなサイキックの集団戦なんか描くわけないのさ。
それにしても・・・ このストーリー全般に漂う女性への恐怖心と嫌悪感。
(パットは美少女ヒロインかと思いきや、大変な跳ねっ返り)
この社会全体への不満と敵愾心。
(コーヒーを淹れるにも、シャワーを浴びるにもコンピューターから代金を請求される。チップが無いとドアも開かないので自宅から出る事もできない!)
辛い人生を歩んだんだね、ディックってば。
みんなの不幸を一身に引き受けて・・・。
<フィリップ・K・ディックの世界>
■本でP・K・D!!
・『去年を待ちながら』(1989年・創元SF文庫)
・『流れよわが涙、と警官は行った』(1989年・ハヤカワ文庫)
・『マイノリティ・リポート』(1999年・ハヤカワ文庫)
・『フィリップ・K・ディック・リポート』(2002年・ハヤカワ文庫)
・『最後から二番目の真実』 (2007年・創元SF文庫)
・『時は乱れて』 (2014年・ハヤカワ文庫)
■映画でP・K・D!
・『マイノリティ・リポート』 (2002年・米・スティーブン・スピルバーグ)
・『スキャナー・ダークリー』 (2006年・米・リチャード・リンクレイター)
・『NEXT -ネクスト-』 (2007年・米・リー・タマホリ)
・『アジャストメント』 (2011年・米・ジョージ・ノルフィ)
・『トータル・リコール』 (2012年・米・レン・ワイズマン)
<熱帯雨林>
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ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314) |
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