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一色青海遺跡出土「鹿の絵画土器」。 2011.6.14「発掘された日本列島2011」(江戸東京博物館)にて撮影。
愛知県埋蔵文化財センターは1日、稲沢市の一色青海遺跡(いっしきあおかいいせき)で、着色したシカが描かれた弥生時代中期(紀元前100年前後)の土器が出土したと発表した。出土したのは昨年の平成21年12月15日。それ以降、奈良文化財研究所により鑑定を行っていた。
砲弾の形をした筒形土器の一部で、幅約4cm(復元径5.2cm)、残存高さ約9cm。本来は、口縁部を斜めに切り落としたような形状で、底部はおそらく丸底であったと推定している。
鹿は外面に描かれ、6頭が右を向いて縦に並んでいる。最も鮮明な鹿は幅3.3cm、高さ2.5cm。赤色の顔料ベンガラで塗られており、顔料を用いた弥生時代の絵画土器としては、福岡県筑前町の大木遺跡92号甕棺(弥生中期前葉)で出土した黒色の鹿に次いで2例目という。線刻が通常の線刻土器よりかなり浅いため、下書き用で、最初から色を塗ることを想定していたとみられるという。筆のようなものを使った可能性があるとしている。顔料のベンガラは地下水に含まれる鉄分を精製して作ったのではないかとみている。
同遺跡では平成15年度の調査で、線刻で鹿を描いた土製垂飾が出土しており、鹿の絵としては今回が2例目となる。
弥生時代の絵画土器はこれまで600例ほどあり、そのうちの4割が鹿の絵という。ただし、鹿に限らず、これまで出土している絵画土器のほとんどは、線刻による。
[参考:時事通信、毎日新聞、朝日新聞、愛知県埋蔵文化財センター]
着色されたシカの絵=弥生時代の土器出土―愛知・一色青海遺跡(時事通信) - goo ニュース
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