卿塵(けいじん)/巫女…リウ・シーシー(劉詩詩)
元凌(げんりょう)/皇帝…ウィリアム・チャン(陳偉霆)
元湛(げんたん)…シュー・ハイチャオ(徐海喬)
元澈(げんてつ)/第十一皇子
元安(げんあん)/皇帝
元漓(げんり)/第十に皇子
朶霞(たか)/阿紫族公主
八大部族の族長を呼んだ朶霞は、木頦沙の謀反について意見を伺うが誰も何も言おうとしない。「皆様と私の父が共に築いた阿紫族の地が、今、危険な状態です。苦労して得た地を梁に引き渡すつもりですか?」と言う朶霞。族長の1人が「王子は我らの兵権を奪おうとしている。おとなしく譲れと?」と言う。朶霞は「誤解があるようです。兄上は常に皆様を尊重しています。兵権を集中せ、国を守るつもりかと」と話す。
「私は皆様を信じています。誰に兵権があろうと、阿紫族を守り仲間内で争わないと。私は皆様の娘も同然です。阿紫族の危機に共に戦い、敵を一掃しましょう。この命を懸けて誓います。梁軍を撤退させたら玄甲軍は阿紫族を去ると。私と共に梁と戦ってくれる方には王室の重鎮として尊重することを約束します。家畜も牧草地も望みどおり与えましょう」と朶霞は言う。
殷貴妃に「お聞きになりましたか?陛下は兵糧の補給を灝王に任せたそうです」と伝える殷監正。殷貴妃が驚くと、殷監正は「陛下は立太子に関する臣下の声を棚上げし、凌王を重用してさらに灝王を朝政に復活させました。もしや陛下には別の考えがあるのやも」と言う。「つまり陛下は皇太子の座を湛に渡さず、別の者に?」と言う殷貴妃。殷監正は「灝王は恐れるに足りません。陛下は湛王殿下をやや遠ざけ、代わりに凌王を重用しています。もし玄甲軍が凱旋したら、皇太子の座は凌王のものとなるのでは?」と話す。
元凌はすでに阿紫族の城を奪回し戦功を立てている。妃も阿紫族の公主で、元凌が兵権を持ち続ければ今の状況を覆せないと思う殷貴妃。殷監正が「凌王の出生の秘密を知れば、陛下は許さぬでしょう。ですが玄甲軍総帥で兵権を掌握する凌王が、挙兵して謀反を起こすことがあれば、事態は収拾できなくなります」と言う。殷貴妃は「何としても凌王から兵権を奪うのよ。帰京後に更なる手を打つわ」と告げる。しかし「湛王殿下は無関心なうえ、巫族の妖女に惑わされ、このままでは好機も逃してしまうでしょう」と心配する殷監正。殷貴妃は「私がいる限り、誰にも出し抜かせはしない」と言う。
鳳衍は陛下が灝王に兵糧の補給を任せ、阿紫族へ向かわせると元溟に話す。灝王の参内を許し、長く密談していたと。元灝に手柄を立てさせて元凌を抑えさせ、難なく皇太子に復位させるためと、自分と衝突させないためでもあると思う元溟。元溟は自分が生還したことを知らせればいいと言うが、鳳衍は「それよりも今は巫族の妖女を始末することが先決でしょう。湛王と凌王に打撃を与えるためにも」と話す。元溟が「私が戻った以上、他の奴らも無事ではいられぬ。大兄上が阿紫族に行けば私は都で手を汚さずに済むし、“兄殺し”の汚名も免れよう」と言う。「その件に関しては、慎重に策を練るべきです。戦場で命を落とすことは珍しくないですが、うまくやらねば」と言う鳳衍。
元安の前に跪かされる卿塵。卿塵は「陛下はずっと巫族を敵視しています。理由はただ1つ、受け入れたくないからです。ですが皇族が巫族の支えを失えば、魏国とその民はどうなると?」と言う。高笑いした元安は「朕の天下は朕に守られている。お前たち逆賊の手出しは無用だ」と言い返す。「宮中でずっと身分を偽ることができたのは、誰かの助けがあったゆえ。今後のためにも徹底的に調べるべきかと」と言う鳳衍。元安は「そちの考えでは、いかなる者がこの妖女と陰で結託している?」と聞く。鳳衍は「この者の身分を偽る手段を駆使できる者は、朝廷での身分も相当高いでしょう」と答える。元安は「この件は、そちに任せた。こたび必ずや宮中の巫族勢力を洗い出し、一網打尽にせよ」と鳳衍に言う。
元溟は「この女は七兄上の助けで宮中を抜け出しました。七兄上がいたから堂々と父上を欺けたのです」と訴える。「暗巫は調べないのですか?死を装った溟王には別の顔が」と言う卿塵。元溟は「暗巫にいたのは巫族を調べるためだ。あの時に私を殺しておけばよかったな」と卿塵に言う。
「今後のため、七兄上をいかに処しますか?」と元安に尋ねる元溟。元安は「御林軍の報告は聞いた。湛の働きで、この妖女を捕らえられたのだろう。湛は一時、惑わされていただけのようだ」と言う。これ以上の追及は無用だ、まず女を調べて仲間の名を白状させよ、と。
部族長2人が朶霞に従うと言ってくれる。その2人を見送った後、元澈が来る。「状況は?」と聞く元澈に、朶霞は首を横に振り「八大部族のうち、従ったのは2部族。木頦沙が本当に簫続と組めば勝算はない」と話す。
花園で落ち着かない元湛の元に李麟が来る。「父上は何と?」と元湛が聞くと「殿下の傷の具合をお尋ねに」と答える李麟。他には「卿塵さんを尋問し協力者を見つけると。ですが殿下を見逃すつもりです」と李麟は話す。あの日、卿塵が命懸けで守ってくれたからだと思った元湛は、必ず卿塵と巫族を助けねばと考える。
朶霞が一人で城外へ出たと知らせを受ける元凌と元澈。族長たちを説得できず、木頦沙に会いに行ったと思った元凌も行こうとする。そんな元凌を「軍には総帥が必要だ。状況も分からぬ。城外へ出るのを敵が狙っているやも」と言って元澈が止める。それでも行こうとする元凌に、元澈は「公主のあとを配下につけさせた。知らせを待とう」と言う。なぜ、あとをつけさせているのか聞く元凌。
元澈は「今は阿紫族にいる。公主を娶ったとはいえ、私たちはやはりよそ者だ。慎重に越したことはない。それに卿塵さんに兄上を守ると約束した」と話す。元凌は「つまり出征直後から、卿塵に頼まれ朶霞を監視させていたのか?」と言う。万が一に備えただけだと言う元澈。動きがあれば、すぐ知らせが届くと。
殷貴妃は夜更けに元安に会い行く。「戦のことでお悩みなのに、心配ばかりが募ります」と殷貴妃が話すと「後宮は政に関わらぬ掟だ」と元安は言い返す。それでも殷貴妃は「国境の変事は国の一大事。罰を受けても申し上げたいのです」と言う。そして、凌王は長年兵を率いて手柄も多いゆえ戦場へ行かせたのは賢明な判断でしょう、ですが…戦況は厳しく阿紫族のための出征という名目はあれど、ご心配ではないのですか?今の凌王の身分なら謀反を起こそうと思えば阿紫族と手を組み、玄甲軍に組み込むこともできます、と話す殷貴妃。
元安は「厳しい戦況を知りながら何を言い出す。今の話が辺境まで届いたら面倒なことになる」と声を荒げる。殷貴妃は「制御できる今のうちなら、まだ手は打てます。嫁いできた朶霞公主のための戦なら凌王でなくてもよいのでは?凌王を都に残し、別の者を行かせれば勢力の均衡を保てます」と言う。「ならば、そなたは誰を行かせればよいと?」と聞く元安。殷貴妃は「どうか湛に機会をお与えください」と言う。
怒った元安は「まだ足りぬと申すか」と怒鳴る。己のための願いではなく、魏国のためを思えばこそだと殷貴妃は話すが、元安は「湛のため、皇太子の道を用意したいだけだ」と言う。「汐を亡くし、私には湛しかおりません。あの子ならば私に代わり、罪滅ぼしをするでしょう」と言う殷貴妃。元安は「黙れ。そなたに汐のことを語る資格はない」と言う。誰を出征されるかは決めていた、湛にはふさわしい役割がある、心配は無用だ、立派な言葉を並べるが、そなたの本心を朕が知らぬとでも?と。殷貴妃はどう思われても、同意していただけなくとも、かなうまで跪きつづけますと言う。元安は「分かった、跪いておれ」と言って出て行く。
李麟が急いで「陛下からのお召しです」と元湛に知らせに来る。貴妃様が関わっている様子だと。
向かった元湛は孫太監に案内されながら「貴妃様が致遠殿で跪いております」と話を聞く。
阿紫族の兵権をほぼ押さえ、喜ぶ簫続。簫続と酒を飲みながら「次は元凌から洮陽を奪い返し、再び祝い酒を飲む」と木頦沙が言う。そこに朶霞が来る。
「木頦沙、誠に簫続と組むとは」と言う朶霞。朶霞の前まで歩いてきた木頦沙が「驚かせてしまい…」と言いかけると、朶霞は木頦沙の頰を叩く。
元湛は母のそばへ行き「戻りましょう」と言う。しかし殷貴妃は「私がここに跪き続け父上が情けをかければ、あなたは皇太子の座に近づくのよ」と言って動こうとしない。「母上が苦労するほど、私は人から親不孝者と見なされます」と悲しそうに言う元湛。
元湛は「朝政は簡単ではありません。意地を張りすぎれば、父上のお怒りを買うだけです」と話す。殷貴妃は「あなたの四兄上は阿紫族の公主を娶った。もしも、こたび凱旋したら自分の立場がどうなるか分かっている?」と聞く。
元湛は「四兄上が凱旋しても、状況は変わりません。公平を保ち、牽制し合うだけ。長年、連れ添った父上を理解できませんか?」と言う。父上は立太子に慎重で均衡をはかろうとしています、軽はずみな行動をすれば裏目に出るだけだと。「一気に制するしかなさそうね」と言う殷貴妃。そこに孫太監が来て「陛下は内殿で殿下とお話されるそうです」と伝える。
元湛が跪くと「母上はそちを出征させたいそうだ。そちの考えは?」と言う元安。元湛は「男子たるもの、四兄上のように戦いたいと願います。ですが、こたびは四兄上がふさわしいと考えます」と答える。元安が理由を聞くと「四兄上には梁と戦う理由があります。阿紫族公主の夫という名目があれば、梁国に文句は言わせません」と言う元湛。
元安は元湛を隣に座らせると「今、皇太子は空位で誰もがその座を狙っている。そちとしては誰が最もふさわしいと考える?」と言う。元湛は「天下の安定に関わる地位ゆえ、才も人望も必要となります。争って得ようとすれば、得たとしてもすぐ失うかと。ですが他の者が口を挟むより、父上がお決めになった者に私は従います」と話す。「そちの出征を望む母の魂胆が分かるか?」と言う元安。
元湛は「手柄を立て、父上を支えろと言うのでしょう。しかし四兄上が存分に戦うため、国で待つこともまた皇子の勤めです」と言うと、再び父の前に跪き「子を思うゆえの悪意なき罪です。母上をお許しに」と頭を下げる。元安は「ならば、そちの母の罪とは何だ?」と問う。「“後宮は政に干渉せぬ”という掟を破りました」と答える元湛。元安は殷貴妃の処分を元湛に任せる。そして“湛王を九城兵馬司に任命し、都の警備を任せる”という勅旨を起草する。
木頦沙は「私を追いつめたのは、他ならぬ公主です」と朶霞に言う。公主から見れば私は裏切り者、ですが公主が“愛する者は全力で我が物にしろ”と教えたのです、違いますか?と。朶霞は「でも、国を売る必要がある?簫続の口車に乗っただけなら、まだ戻れるわ」と言う。笑うと「あなたが戻るべきだ。元凌から離れ、戻るなら私はすぐに簫続を殺す」と言う木頦沙。さらに木頦沙は「私が背いたのは己の心に従ったまでのこと。旧情を否定されても、私はあなたを手に入れる。この木頦沙の女にするのだ」と言う。
「敵と通じて祖国を売り、民を裏切る男に私が嫁ぐとでも?」と朶霞は言い返す。木頦沙は「いいえ、あり得ない。だが私にとってはどうでもいい。残したいだけだ、木頦沙という男があなたを愛した事実を。あなたの記憶に、それだけ残ればいい。拒まれようと永遠に忘れさせない」と話す。朶霞が「手を引いて」と頼む。しかし木頦沙は聞き入れず「ならば戦場で会いましょう」と言う朶霞。木頦沙は「待っています」と返す。
母の元に戻ってきた元湛は「梁との戦は四兄上こそふさわしい、父上にそう言いました」と話す。「父上は私をどう罰するおつもり?」と尋ねる殷貴妃。元湛は「その件は私に任されました」と答える。
元湛は人を呼び「父上の命だ。“殷貴妃は政に干渉し掟を破った。延煕宮に帰し、勅命なく致遠殿に入ることを禁ずる”」と告げる。
「母上を守るために、私ができる最善の策です」と言う元湛。殷貴妃は「この程度の罰とは。あなたは永遠に残酷になれない」と言う。
ーつづくー
今度は元灝が狙われてしまうの?(;△;)
元安が行かせたことを後悔しそうな展開になりそうで怖い。
今は卿塵も守ることができないし…。
また殷貴妃が余計なことを(o´д`o)=3
殷貴妃が何かするたび、元湛がつらい思いをしなくちゃいけなくて…。
木頦沙は哀れというか何というか。
もっと別の生き方ができたはずなのに、好きな人と戦う道を選んでしまうなんて(;´д`)ノ
八大部族も味方になてくれたのは2部族だけ。
それでも2部族は味方になってくれてよかったと思う。
↓ポチッと押していただけると嬉しいな。
よろしくお願いします
にほんブログ村
いつもポチッを押してくださる皆様、ありがとうございます(*´ー`*)
前にも聞いたことがありませんか?
愛する者へそんな悲しい思いをさせて本当にいいのでしょうか。
元湛の想いも悲しさがありますが、愛する者への思いやりがあります。
人生難しいですね。
その一方で、ここまでくるとマイペース過ぎる殷貴妃。
まったく何も見えてませんね。
ある意味幸せなのかもしれませんが、今も、元安の考えも、元湛の考えも。。。
元湛が何とか収めたのに「この程度の罰とは。あなたは永遠に残酷になれない」って言います?( ̄▽ ̄;)
自分が息子の足を引っ張ってるとは思わないんでしょうね(o´д`o)=3
timeさん、そのセリフは鸞飛でしたっけ・・?
木頦沙は思いは一途でも鸞飛とは違って支配欲が強い・・朶霞が本当に気の毒になります。