「“黒スーツ”の正体」
石像に刻まれた篆文を、あんただったら読めるんだろ、と彦軍に言われた彭澤は、石像の背を見ながら「“闇の王…”」と読み始める。そんな彭澤と同時に「“神より授かる”」と言う彦軍。驚いた彭澤が「なぜ、それを?」と聞く。「2人は知ってるようだな。それが誰をかたどった像なのかを」と彦軍が言う。嘯天は首をひねりながら「そう、見れば見るほど…都統殿にそっくりだ」と話す。彦軍は「偶然だな。実は俺もこの像によく似た男を知ってる」と言う。“黒スーツ”だよ、と。
「これを見つけた時は“明”の武将かと思ったが、今日“黒スーツ”に会って実に驚いた。あまりに似ている」と言う彦軍。莫涵が「数百年前の像と似てたりするもの?」と言い、彦軍は「単なる他人の空似だろうな。時空を越えられれば別だが」と返す。
「俺を“黒スーツ”に会わせてくれ。都統殿か確かめてやる」と嘯天が言うと、彦軍が「話を聞くうちに混乱してきた。教えてくれ、あんたの言う“都統殿”やそちら(彭澤)の言う“我が明”とは何のことだ」と言い出す。
彦軍が信用できる人だと思い、莫涵は「この2人は錦衣衛でね、“明”から海浜市に来たの」と話す。信じない彦軍に、彭澤たちは“明”から着てきた服を見せる。
明代に詳しい彦軍は「この目で錦衣衛の服を見られるとは」と驚き、ようやく信じてくれる。
「2人が“明”の人間なら、恐らく他にも“明”から来た人間が存在する」と彦軍は言う。
莫涵は「暁東さんが言ってた。“黒スーツ”はボディガードを訓練して、世界各地の著名人を護衛させてるって。大衛もその一味よね。“黒スーツ”は大衛に宝石展へ押し入るように命じた。しかも暁東さんは警察で聞いたそうよ、大衛はここ数年、いろんな文物展に出没し、丸い物に対して執着心が強いとか」と話す。
「大衛も狙ってるのかしら、九転夜明珠を」と莫涵が彭澤に言うと「2人も夜明珠のことを知ってるのか?」と彦軍が聞く。彭澤は「もちろん。だが洪西東に奪われた」と答える。
洪西東が誰なのか分からない彦軍に、彭澤は「暁東がある音楽を聞くと変身する男で、武功の達人だ」と説明する。幼い頃から暁東を知っている彦軍は、暁東が“明”から来た洪西東のわけがないと言う。昔の写真や思い出の品もあるため「我らも全く解せぬのだ」と彭澤も言う。
夜。暁東と彦軍は外で話をする。「面白い。600年前の武将と500年前の石像が“黒スーツ”と関係してる」と言う暁東。彦軍は「しかも奴は大衛を何度も分物展へ送り込み、転生儀がないか探らせていた」と話す。「つまり転生儀の用途を知っているのか?」と暁東が聞くと、うなずきながら彦軍が「たぶんな」と答える。
大きく溜め息をついた暁東は「顕婷に付き添ってくる。あとは頼んだぞ」と言うと行きそうに。そんな暁東を呼び止め、彦軍は「この暑いのに手袋か?」と言う。「言っても信じないだろうが、触った相手の心が読めるんだ」と返す暁東。信じた彦軍は、せっかくの技をなぜ封印するのか聞く。暁東は「悪用されたくない。この能力も錦衣衛が現れてから授かった。今度ゆっくり説明する」と答える。
「ところでお前とは古い仲だが、1人の女に随分、真剣だな。今回ばかりは本気か?」と言う彦軍。暁東は笑顔でうなずく。
彦軍はビール瓶を2本持って屋上にいる莫涵の元へ行く。暁東のことを考えていると彦軍が当てると「バレバレね。隠せてるつもりだったのに」と落ち込む莫涵。彦軍は「例えばの話だが、暁東がまた別の女を好きになったらどうする?」と言う。莫涵は要らないと言ってたビールを取ると、それを飲み「どうするって…暁東さんの幸せのため私にできることをやるわ」と答える。彦軍は「よし、君のその気持ちに乾杯」と言うと、自分の持っていたビール瓶を莫涵のビール瓶にあててから飲む。莫涵も飲み「もう一度」とビール瓶を再びぶつけて飲む彦軍。またビール瓶に口をつけた莫涵は、今度は自分から彦軍のビール瓶にあてて笑う。
彦軍が“黒スーツ”と手を組むフリをしていると知った彭澤は、探りを入れてほしいと頼む。嘯天徐の大切にしている友達・徐菲の父親・万鍵師が長らく失踪している、だから調べてもらいたいと。「よし分かった。今度“黒スーツ”に会う時に探ってみよう」と彦軍は言う。そんな話しをしていると、嘯天がふらつきはじめ倒れそうに。
彭澤と莫涵が嘯天をソファーに座らせている時、彦軍に“黒スーツ”から連絡が来る。そっと探偵事務所を出て行く彦軍。
黒スーツに会いに行った彦軍は、錦衣衛と洪西東の関係を話す。
「つまり洪暁東も変身した自覚がないのか?」と言う“黒スーツ”。彦軍は「章顕婷が鍵だろう。変身の過程を録画したが、解明はできていない」と答える。
“黒スーツ”は九転夜明珠と転生儀を手に入れるため、暁東、錦衣衛、顕婷、を利用しようと考える。莫涵や徐菲、そして転生儀を修理できる佑守も、と。彦軍は笑いながら「他にもいる。市内の病院に務める看護師・龍龍だ。ずっと洪暁東に協力してる」と言う。
彦軍に情報を教えてもらい「事が成功した暁には何でも望む物をやろう」と上機嫌で言う“黒スーツ”。彦軍は「でも、望まない物まで与えないでくれよ」と言う。黒スーツは「霊脂蘭のことか。手下に配っている薬だ。私に従えばずっと服用できるし、強い体が手に入る」と話す。「だったら手下が従わない時はどうする?」と彦軍が聞く。黒スーツは「簡単だ。霊脂蘭の服用をやめれば気血が逆流し頭痛に襲われる。そして全身が熱っぽくなるだろう。最期は筋脈が滞り、全身から流血して死に至るのだ」と答える。
彦軍は「俺もできる限り協力するつもりだが、1つ便宜を図ってもらえないか」と言う。
監禁されている万鍵師は、廊下にいるKからドア越しに転生儀の行方を話すよう脅されていた。しかし、行方など知らず、徐菲を殺しても見つからない、あの鍵がなければ時空を超えて歴史を変えることなど到底無理だ、と万鍵師は言い返す。そんなやり取りを彦軍が見かける。
「“黒スーツ”の本部で、K が君の名前を出して、部屋の中の誰かを脅していた」と彦軍は徐菲に話す。相手は君の父・万鍵師だろう、と。さらに「彼らの話によれば“黒スーツ”はある鍵を捜していて、鍵があれば時空を越え歴史を変えられる。だが万鍵師は決して脅しには屈しなかった。よほど重要な鍵なんだろう」と言う彦軍。
万鍵師が連れ去られる前に何か渡されていないか彦軍が聞くと、徐菲は顕婷から渡された玉佩を思い出す。徐菲が取り出した玉佩を手にした彦軍は「鍵と聞いていたが、託したのは玉佩?」と言う。
徐菲はすぐに万鍵師を助けに行こうとする。「俺も一緒に行く」と嘯天が言うと、彭澤が「冷静になれ」と2人を止める。黒スーツを相手に2人で乗り込んでも、殺されて玉佩を奪われるだけだと。彦軍も本部は毎日交代で警備員がガードし、出向くのは危険すぎると話す。その時、嘯天がまた倒れそうに。心配する彭澤に「大丈夫、少し頭痛がしただけだ」と嘯天が答え、彦軍は“黒スーツ”が話していた、霊脂蘭の服用を辞めた時の症状を思い出す。
彦軍は万鍵師が監禁されている部屋のカードを入手していた。それを皆に見せるが「だが、さっきも言ったとおり、正面から本部に押し入り救出するのは無理だろう。除アニキの体調を考えればじっくり策を練ったほうがいい」と話す。
彭澤が昼寝をしている間に嘯天はカードキーを持って黒スーツの本部へ向かう。
弱った体で黒服の男たちを倒し、万鍵師を助け出した嘯天。しかし黒スーツはその様子を監視カメラで見ていた。映像を見ながら「嘯天よ、私の元へ戻る頃だな」と黒スーツはつぶやく。
逃げる途中、嘯天は吐血してしまう。それでも自分の命を懸けて万鍵師を守ろうとする嘯天。
とうとう限界が来た嘯天は、万鍵師に探偵事務所はこの先だと話すと意識を失ってしまう。そこに黒服集団が。
黒服集団は万鍵師を残し、嘯天だけを連れて行ってしまう。
退院した顕婷を乗せ、暁東が車で帰ってくる。
2人が探偵事務所に入ろうした時、万鍵師が倒れていることに顕婷が気づく。暁東たちが座らせると、万鍵師は嘯天に助けられたと言う。だが黒服集団に捕まってしまったと。
徐菲は万鍵師を抱き締め、再会できたことを喜ぶ。
彭澤はなぜ嘯天ほどの使い手が捕らえられたのか万鍵師に聞く。万鍵師は「嘯天が本部に現れた時には足元もおぼつかないほどに弱っていた」と話す。“ついに霊脂蘭の効果が切れたか”と思う彭澤。
暁東は「奴らがあなたを誘拐した目的は?」と万鍵師に尋ねる。
万鍵師は以前“黒スーツ”に宝箱を開けろと命じられたことを話す。開けた宝箱の中には、図面と玉佩が入っていた。「図面には特殊な装置が描かれており、一緒に入っていた玉佩が装置を動かす鍵の1つだった。“古今を超えて 歴史を変え 世界を横断し 天下を得る”図面に書かれた文言にわしは震えた。黒スーツは残忍な男だ。だからわしは鍵を持って逃げ出し…」と言う万鍵師。その逃げる途中で顕婷と会い、万鍵師は玉佩を託していた。さらに、捕まった万鍵師は黒スーツに毎日、鍵の在りかを吐けと迫られ、毒まで飲まされたと言う。徐菲がどんな毒を飲まされたか聞くが、万鍵師は分からないと答える。
徐菲が玉佩を見せると、万鍵師は「決して“黒スーツ”の手に渡ってはならん」と言う。
万鍵師から嘯天の様子を聞き「徐兄貴の身に何が起こったんだ?」と彭澤に暁東が聞く。「嘯天は珍しい毒に侵されているゆえ、発作が起きたのだ」と彭澤は答える。毒の名前は霊脂蘭だと。さらに彭澤は「我らのような武人が飲むと大いに力が増し、普通の民が飲んでも精神が高揚し力が沸く。だが霊脂蘭は継続して服用しなければならない。服用をやめれば筋脈が断たれ、気が滞り命を落とす」と話を続ける。
黒スーツと接触していない嘯天がいつ服用したのか気になる暁東。彭澤と嘯天は、まだ明にいた頃、都統殿から霊脂蘭を渡されていた。嘯天は何の疑いもなく飲んだが、帰還の遅れた同胞が霊脂蘭を飲めずに命を落としたことがあった彭澤は飲んだフリをしただけだった。そして、その時の光景を都統殿が記念として絵師に描かせていた。
暁東は黒スーツがなぜ万鍵師を見逃し、嘯天だけ捕まえたのか考える。話を聞いていた彦軍が「奴は会社を持ってる」と言い、顕婷が「海浜市を含め、世界の政財界の大物が“黒スーツ”の顧客よ」と話す。その大物を黒スーツが掌握できれば、世界で最も力を持つ存在になってしまうと皆は分かる。
ベットの上で目覚めた嘯天。朦朧とする嘯天に、黒スーツは「嘯天、久しぶりだな」と言う。
ーつづくー
九転夜明珠の力でタイムスリップできたと思っていたんだけど、違ったみたい…。
黒スーツもタイムスリップしてきたのなら、やっぱりあの崖から?
莫涵を慰める彦軍も何となく悲しそうというか何と言うか…(;д;)
でも“乾杯”が良かった!
最期に莫涵からしたのも(*´ー`*)
嘯天が捕まっちゃったΣ(=゚ω゚=;)
黒スーツの男はそれで鍵や転生儀を手に入れようとするだろうけど…。
体の弱っている嘯天がすごく心配(;△;)
とりあえず徐菲が父・万鍵師と再会できたのはよかった。
あと顕婷も退院したから、これで暁東も登場回数が元に戻る!?
これも個人的にすごく心配ヾ(・ω・`;)ノ
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