【登場人物】
岳飛(がくひ) …文武両道に秀で、忠義に厚い勇士。主人公。
王貴(おうき) …岳家軍。義兄弟。
牛皐(ぎょうこう) …岳家軍。義兄弟。
張憲(ちょうけん) …岳飛家軍。義兄弟。
岳雲(がくうん) …岳飛の息子。
兀朮(ウジュ) …太宗の4男。
斡離不(オリブ) …太宗の次男。
粘没喝(メネガ) …金の元帥。
梁興(りょうこう) …忠義社の指導者。
秦檜(しんかい) …中丞。王仲岏の娘・王氏が妻。
「襄陽六郡の奪還」
襄陽は川上に位置する天険の地です、回復すれば宋の国土を守る要衛となります、目下、賊の手中にある襄陽六郡を必ず取り戻すべきです、と高宗を説得する張俊。秦檜も「詔書を出しましょう」と言い、高宗はこの一戦に賭けることを決める。
高宗は大将を韓世忠にしようと考えるが「妻を失ったばかりで軍の指揮は難しいでしょう。戦によく備えていることを考えると、岳飛が適当では?」と張俊が話す。
高宗は大将を岳飛にし、秦檜に「朕の口論を代筆せよ」と命じる。
“1つ、岳飛を荊南、鄂州、岳州の制置使とし、荊南鎮撫使が擁する兵馬を岳飛に預ける…”という高宗の口論を秦檜は書き上げる。「不適当な部分はなかったか?」と聞く高宗に、秦檜は「この戦における岳家軍の権威を高めましょう。“岳飛に預ける”と書いた部分の後ろに“一任する”と加えては?そうすれば岳家軍は自信を持って戦に臨めます」と話す。「そのように書き直せ」と高宗が言うと、さらに“上述の州郡を回復するため岳飛を派遣する。命令を違える者は厳罰に処す”という部分も「賊の討伐を申し出たからには勝利を治めるのは当然のことです。しかし戦が始まる前から“厳罰に処す”と明言して兵を戒めるなら、士気を高めるどころか戦意を損なってしまいます。この文言を見た岳飛は朝廷に対し不信感を抱き、不満を持つかもしれません。“井の中の蛙 大海を知らず”、岳飛の誤解を招かぬよう、この文言を削除すべきでしょう」と言う秦檜。高宗は「先の修正に続き、最後の文言も削るがよい」と言う。
襄陽に赴き、失地を回復することになった岳飛は「滋陽六郡は天険の地だ。斉は国名こそ違えど、その実質は金である。六郡を奪還し、金の南下を止めるぞ」と兵たちに言う。
岳飛に「無事に帰ってきて」と見送る孝娥が言う。孝娥の両手をにぎり「心配するな」と岳飛は返す。うなずく孝娥。
「朝廷はわざわざ詔書を送り、六郡より先を攻撃しないよう言ってきた」と岳飛は義兄弟たちに話す。兵糧もかなり少ないが、それでも、後戻りはできない、朝廷の思惑に関わらず戦う、と岳飛は皆に言う。
敵情を視察してきた梁興たちから話を聞いた岳飛は、王貴に随州を、楊再興には鄧州を攻撃するよう命じる。そして牛皐には「俺が郢州を落とし合流するまで、襄陽の城外に野営しろ」と言う岳飛。張憲には「岳雲と郢州を攻めろ。荊超の面を拝みに行く」と言う。
2か月に及ぶ戦いで、鄧州、随州、郢州など襄陽を囲む5郡を落とした岳飛たち。改心し朝廷に忠義を尽くすなら助けてやる、と岳飛が言うと「好漢なら戦場で功を立て死ぬべきだ。ただ生を貪ることなどできぬ」と荊超は自害、襄陽城の劉豫は慌てふためき、ろくに戦うことなく逃げてしまう。
16歳の岳雲はこの戦いで勇敢に戦った。
快勝した岳家軍は、茶で乾杯をする。「最大の戦功を上げたのは岳雲だ」と言う張憲。褒められた岳雲は「身の程知らずの荊超は俺の剣の下に倒れた。父上、俺の腕を見たか。もっと早く従軍していれば、今頃、俺は大将軍だった」と大口をたたく。その態度が岳飛は気に入らない。
羊の肉を軍功にして分けることになるが、楊再興、牛皐、王貴、張憲にしか岳飛は与えなかった。納得できない岳雲。
7月23日、岳家軍が襄陽を奪還したという急報が朝儀中の高宗に届く。六郡での戦は全勝したと。大勝利に喜ぶ高宗。高宗は「軍紀にうるさいだけの男だと思っていたが、朕もようやく岳飛の真価を悟った。岳家軍の働きは人並みはずれている」と言う。
張俊は岳家軍が随城を攻めた際、兵糧が尽き、褒美がないまま陛下のために六郡を奪還したと話す。「誠なら兵糧に関して責められるべきは趙鼎だ」と高宗が言う。確かに朕は兵糧を惜しんできたが、この戦では十分に支給したはずだと。
「すべての責任は私にあります。岳家軍の行軍の速さに兵糧の運搬が間に合わず、その上、賊に兵糧の大半を奪われたのです。すでに運搬を担当した者を処罰し、餓死者が出ぬよう、すべての兵糧を支給しました」と言う趙鼎。秦檜が「岳飛が朝廷に戻り次第、盛大な宴席を設け、功を賞しましょう」と話し、高宗は「必ずそうしよう」と笑う。
金。劉豫の頼みに応じ援軍を出すべきか合剌が兀朮たちに聞く。劉豫がいなければ中原を攻略できないと言う兀朮。斡離不は兵を率いるのは粘没喝と兀朮、ここは粘没喝の意見を聞くべきだと言う。合剌が出兵するべきか聞くと、粘没喝は「私は劉豫の擁立に反対だった。劉豫は我々の犬にすぎん。使い物にならない犬を助けに行くなど馬鹿げてる」と答える。兀朮は「飼い犬が誰かに乱暴されたら助けるのが道理だろう」と返すが、粘没喝は「お前が行け。私はご免だ」と兀朮に言うと行ってしまう。その態度に、陛下の敬意はないのか、と斡離不が怒る。
岳飛の戦勝を秦檜から聞いた王氏は、驚き「金に何と釈明するの?」と聞く。金が負けて、私たちの企みが露見すれば殺されると。秦檜は「今の陛下には何を言っても無駄だ。“兵法”にいわく“時期 未だ到らざれば山の如く動かず”」と返す。しかし「時期はいつ?」と言う王氏の問いに、秦檜は答えない。
王氏は今日、秦熺が会いに来たことを話し「武芸の腕があるわ。役職を与えて」と言う。
呉夫人と寝台にいた高宗が、突然、吐いてしまう。心配する呉夫人に「海上から戻って以来、酒を飲み、馬に乗るたびに気分が悪くなる」と高宗は話す。呉夫人は「太平の世になったのです。海上に追われることもありません」と言う。そんな呉夫人に「ずっと我が身の不運を嘆いてきた。即位以来、不幸続きだったからな。だが、朕ほど幸運な皇帝はいない。岳飛や韓世忠、秦檜など大勢の忠臣が補佐してくれる。南に移り住んで8年になるが、これほど広大な失地の回復は初めての快挙だ。喜びで酒が進むのも当然だろう」と言ったあと「だがすべてが順調に思える時こそ、もっとも危険な時だ。問題は岳飛だ。このたびの戦勝に浮かれて北伐を主張しだすかもしれん。燕雲や汴京の奪還に発展するのは困る。六郡を攻めた際は斉の賊どもが相手だった。だが燕雲と汴京の場合、戦う相手は鉄浮屠を擁する金だ」と高宗は顔を曇らせる。朕は斉と金の結託を恐れている、そうなれば終りだと。
ーつづくー
岳飛たち、本当に凄い!!
こんなに早く奪還してしまうなんて。
岳雲も本当に戦っている姿が勇敢だったo(≧∇≦o)
岳雲は父親譲りの勇ましさがあるから、今はわからなくても、いつか父の気持ちが分かるといいなと思う…。
誤解される岳飛もこういうところが不器用かな?
王氏がわざわざ秦熺の名を出したということは、秦熺も何か企みに加わるのかも…( ̄▼ ̄|||)
高宗も、やっぱり高宗だし、もうもうもうもうっヾ(・ω・`;)ノ
「このたびの戦勝に浮かれて」って何なの!!
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雲梯のシーンは特に。
岳雲もいまは分をわきまえる時であることを
理解してくれるのではないでしょうか
と期待しています。
今日の展開で気になったのは、
やっぱり朝廷と現場は本当にかけ離れていること。
時代の違いがあろうとも
どこの組織も似たようなものだとは思いますが(汗)
今日の金チームの衣装は
ほわほわ系からちょっと違う感じだったような気がしました。
兀朮の衣装にあしらってあった金糸の模様で
翎兒の渦巻きを思い出しました。
粘没喝の衣装は地味な色なのですけれど、
いろいろな模様が入っていて、温かそうでした!
いろいろな人の思惑が交錯してきました。
明日はどうなるのでしょうか?
金が相手だと途端にトラウマ発動でびびるんだから。
勝利の裏でいろいろ画策している秦檜・・・。
岳雲は身内だからこそ余計に厳しくするのね。岳飛らしいです。
まだ血気盛んな16歳で先輩方の中での大活躍だから、大口たたきたくなるお年頃です。
timeさんの仰るように、そのうち分かるかな。
上に立つ岳飛と部下達の絆も強いからこその強さでしょうか。
16歳の岳雲…若いんだから敢えて言葉にして諭してあげればいいのに岳飛…厳しすぎない?
せっかく大勝利したのに喜びきれないのは、出て来るたびいらっとさせられる高宗とあれこれ画策してる秦檜のせい( ̄ー ̄)
詔書の文言を変えたことも気になるし、武芸の腕があるという秦キも気になりますよね…
ねこさんに少し~久しぶりのコメントでねこさんとプチハッピーだったようです。同じ時間にコメントφ(..)うれしいですね♪