卿塵(けいじん)/巫女…リウ・シーシー(劉詩詩)
元凌(げんりょう)/皇帝…ウィリアム・チャン(陳偉霆)
元湛(げんたん)…シュー・ハイチャオ(徐海喬)
元澈(げんてつ)/第十一皇子
元安(げんあん)/皇帝
元漓(げんり)/第十に皇子
朶霞(たか)/阿紫族公主
昔邪は桃殀の墓前で「遺志を継ぎ、巫族を立て直す。聖巫女が帰京したら必ず守り抜こう。安らかに眠れ。私たちは巫族を守るという誓いを、生涯、守り通してきた。だが自分の想いをないがしろに。来世では必ず添い遂げよう」と話し、涙を流す。
ぼんやりとしながら戻ってきた元溟に「何かあったのですか?」と聞く武娉婷。ふっと笑った元溟は「長年、私は暗巫の長老に従ってきたが、会ったことはなかった。そして今や驚くべき真相が分かったのだ。私たちは駒にすぎぬ」と言う。武娉婷は「長老の正体が分かったので?」と尋ねる。「蓮妃だ」と答える元溟。武娉婷は「蓮妃だったとは。だから皇宮で会った時、強い霊力を感じたのですね」と言う。
「まさか蓮妃は私たちを利用し、凌王を皇帝に?」と言う武娉婷。元溟は「何が目的かは知らぬが、まともに戦って勝てる相手ではない。先だって父上は密命を下した。四兄上が叛心を抱けば、辺境で殺してかまわぬと。ならば謀反を起こすよう追いつめるまでだ」と話す。
武娉婷に毒人形と阿紫族の元へ行き、私の到着を待つのだ、と命じる元溟。元溟は「四兄上を殺してしまえば、いかに蓮妃が強力だろうと恐れるに足らぬ」とつぶやく。
元溟が謁見を求めるが元安は会おうとしない。孫太監は「元溟は宮中の流言に関連して奏上があるとか」と元安に伝える。元安が「宮中の流言?」と聞く。孫太監は実は近頃、宮中で流言が起こっています。凌王殿下は陛下の実の息子ではないとか」と話す。「不届き者。溟は陰険で謀略を巡らせるのが得意だ。兄弟に対しても容赦ない。父子の情を顧みて命は助けたが、辺境で戦をしている今、離間を企てようとするなど断じて許せぬ」と怒る元安。
孫太監は外で待っていた元溟に「お引き取りを」と話す。元溟は「私を庶民に落としたうえ、謁見も拒むので?」と元安に聞こえるよう、大きな声で言う。いいでしょう、今後は私も手段を選びません、家族を皆、失っても、無情でいられるか見ものです、と。
その様子を殷貴妃と殷監正が陰から見ていた。「例の流言は宮中に混乱を引き起こしています。さらにたきつけて広めれば、陛下は何儒義の言葉を信じるでしょう」と言う殷監正。殷貴妃は「湛は愚か者だわ。巫女のせいで禁足処分に。早急に凌王を失脚させましょう。ひとたび陛下が真実を知ったら、魏国の“戦神”は討ち死にする機会さえ失う」と笑う。
元溟の前に蓮妃が現れる。「皆の目を欺いていたとは、大したお方だ。父上に知られたらどうなると?」と言う元溟。蓮妃は「あなたの配下の暗巫が天舞酔坊から逃げた際、朝廷は大混乱に陥ったわ。暗巫にはあなたも深く関わっている」と返す。元溟は「四兄上は先帝の息子だろう。この大逆の罪については、どう申し開く?」と聞く。「梁国と戦っている最中に、陛下が凌を処分することはないわ」と言う蓮妃。
元溟は「図に乗らぬほうがいい。四兄上が無事に帰還できる確証はないぞ」と言う。蓮妃は「だから会いに来たの。庶民に落とされたあなたが、重大な秘密を知り黙っているはずはない。凌だけでなく、灝王も湛王も澈王もすべて始末するつもりでは?」と聞く。こたびの戦に乗じ邪魔者を消すつもりなら、まず私の同意を得なさいと。「お前は知りすぎた」と元溟は術を使おうとする。しかし、その前に塀へ飛ばされてしまう元溟。
蓮妃は「私に太刀打ちできるとでも?なぜ、あなたを駒に選んだと?皇子たちの中で、誰よりも冷血だからよ。あなたは周囲の者を次々と破滅させたわ。済王と鸞飛を自害せ、皇太子を廃させた。そのまま続けるのよ。灝王を殺し、湛王を除き、澈王を害しなさい。でも忘れないで。凌に手出しすれば生き地獄を味わわせるわ」と告げる。元溟は「母上と繊舞はお前に殺された」と言う。蓮妃は「まさか敵を討ちたいの?せいぜい頑張りなさい。いいこと?私なら遠い場所からでもあなたを殺せる。皇宮を離れても捨て駒にはならないで。有用だから、できることなら捨てたくないの」と言って立ち去る。
「覚えていろ。お前に子を失う苦痛を味わわせてやる。私は誓いを必ず果たす」とつぶやく元溟。
勅命で兵が湛王府を囲んでいた。それでも“私の行く手は阻ませないわ”と思った殷采倩は、屋敷の中へ何とか入る。
元湛と会った殷采倩は「別れを告げに来た」と言う。近頃、澈が心配で胸騒ぎが収まらない、だから会いに行ってくると。「心に決めた相手なら、迷わず追いかけるべきだ」と元湛は言う。そして元湛は辺境へ行くなら四兄上への文を預かってほしいと頼む。
元灝の元に元凌から「主力軍の入城後、呼応する」という知らせが。「計画どおり、ここを守り抜け」と秦展や張束に命じる元灝。
元凌は「木頦沙の撤兵後、梁軍を蹴散らせるだろう」と元澈に話す。朶霞には「君は洮陽を守れ。私と十一弟は梁軍を攻撃しに行く」と。「木頦沙は疑わしいわ。撤兵する約束だけど、2人が攻撃した後、洮陽を攻めてくるかもしれない」と言う朶霞。元凌は「君が守っている限り洮陽は安泰だ。心配いらない」と言う。その時「危険すぎるわ、ご再考を」と言いながら卿塵が入ってくる。
皆が驚いている中、卿塵は「凌王殿下は洮陽に留まるべきよ。敵軍が強襲してこないのは、殿下が城内にいるからだわ。殿下方が出撃すれば洮陽は敵軍の猛攻を受ける。公主一人で守りきれると?」と話す。ここに来る前、敵軍に潜入したの、木頦沙の軍は戦闘態勢だった、公主の懸念は妥当よ、と。元凌は「1人で敵陣に?危険すぎる。来い」と言い、卿塵を外へ連れて行く。
「なぜ1人で戦場に?文くらい送れ。敵陣に潜入した理由は?」と聞く元凌。卿塵は「あなたのためよ」と答える。しばらく卿塵を見つめた元凌は「“妖術”を使ったな。君にはお手上げだ」と言う。卿塵は「朶霞のように、あなたと肩を並べ戦術を話し合い、敵を蹴散らしたかったの。遠く離れた都で心配しているだけは嫌よ」と話す。卿塵の頬に触れながら、元凌は「嘘をつくな。都で何があった?御前女官は皇宮を出られぬはず」と言う。仕方なく「あなたの出征後、莫殿の正体が公に」と言う卿塵。
すべての事情を知らない卿塵は「師匠に会えば、真相が分かるはずよ。ともかく廃墟に籠城する灝王を急いで助けましょう」と話す。元凌は卿塵に朶霞と残るように言う。しかし「朶霞の懸念は妥当だわ。朶霞と出撃してはどう?木頦沙の奇襲を避けられる。私と十一弟でここを守るわ」と言う卿塵。さらに何かを言おうとする元凌を止め「朶霞は阿紫族と地形に精通していて、あなたを守ってくれるはずよ」と卿塵が言う。
元凌は卿塵の額に口づけする。
何儒義を連れた殷貴妃が元安と会う。「何儒義の奏上は昨今の流言に関わります。かつて何儒義は蓮妃に脅されて早産を偽り、陛下を欺いたのです。すでに自白も得ました。つまり凌王は陛下の子ではありません。なんと先帝の子です」と訴える殷貴妃。
荷造りを手伝う卿塵を見ながら笑う元凌。卿塵が「なぜ笑うの?」と聞くと、元凌は「別に。衣を整える姿に見惚れた」と答える。「毎日、こうできたら」と言う卿塵。元凌は「できるさ。兵の配置を確認しておいた。明朝出発する」と言う。
卿塵は「話したいことが。玉の輪が割れたの」と言いながら、割れた玉の輪を見せる。元凌は「気にするな、また作ってやる」と言う。
卿塵が「これは特別な玉よね」と言うと「どこが特別か知りたければ、まず私に嫁いでくれ。他にも条件が。君の心にある秘密を教えろ」と話す元凌。卿塵は「私の心にある秘密?話す気なんてないのでしょう」と言う。元凌は「ともかく君の心はお見通しだ」と返す。「今の私の心は?」と聞く卿塵。元凌は「“出撃は明日。無傷で帰ってきてほしい”。安心しろ。君のために必ず無事に戻ってくる」と答える。うなずいた卿塵は元凌の胸の中で「ここで待ってるわ」と言う。
木頦沙は「全軍撤退しろ。梁国には協力しない」と命令する。朶霞との約束は必ず果たす、元灝など単なる魏国の廃太子にすぎないと。そして「こたび元凌の軍を全滅させる。そうすれば朶霞は心から私に敬服するはずだ」と言う木頦沙。
蓮妃は殷貴妃の訴えを蝙蝠に探らせていた。
何儒義と殷貴妃が下がると、元安は「延煕宮を封鎖せよ。蓮妃を誰にも会わせず、何の話もさせるな。その他のことは、そちに任せる」と孫太監に命じる。そして「何という恥辱だ。朕の生涯において、これほど不面目はない。蓮妃よ、そなたと凌は朕に難問を突きつけた」と言う元安。孫太監が「勅命で凌王を呼び戻しては?」と言うと、元安は「今この時にか?辺境の領土を梁国に差し出せとでも?戻ってきた凌は朕の命を奪うに違いない。先帝の子を育てた愚か者として、朕の名が知れ渡ろう」と激怒する。
座った元安は金杯を持つと「凌よ、朕は20年余りの歳月を費やし、そちを大切に育てた。魏国の“戦神”よ」と言って床に投げつける。さらに磁杯を投げて割ってしまう元安。元安は「見たであろう。朕の意向ひとつで、そちは粉々になる」と言う。
蓮妃は蝙蝠から報告を受け取る。仁宗の位牌に向かい「あなたと私の距離は、また一歩近づいたわ。あなたを殺した者は、今、苦しみを味わっている」と語りかける。でも、これは始まりにすぎぬわ、不当な手段で得たものを、すべて奪い去ってやると。
木頦沙が撤退したことが簫続に伝えられる。「役立たずめ。やはり木頦沙は大事を成せぬ。遅かれ早かれ、阿紫族と共に葬り去ろう」と言う簫続。簫続は木頦沙の監視を続け、目に余る場合は殺せ。と命じる。
卿塵はようやく昔邪と会うことができる。跪いて拝謁する卿塵に「驚いたな。お前は聖巫女で、九転玲瓏陣を開いて来たのか」と言う昔邪。卿塵が「なぜ、それを?」と戸惑うと、莫不平が「もう隠す必要はない。私たちはともかく、師匠は欺けぬ」と言う。昔邪は卿塵を立たせる。卿塵は泣きながら「時空を超えても、もう二度と会えないかと。お許しください。私は巫族を守れず、桃殀長老も…」と詫びる。昔邪は「お前はよくやった。巫族を追い詰めたのは暗君だ。お前は悪くない」と言う。
「一刻も早く霊石を見つけねば、お前の命が危ない」と卿塵に言う莫不平。卿塵は「7個の霊石を見つけました。あとは血玲瓏と黒曜石だけです」と話す。昔邪は「血玲瓏は勇敢な者の鮮血から作られる。見つけ出すのは極めて困難だ。黒曜石は暗巫の手に渡った後、行方知れずだ」と言う。「霊石を集めたところで、巫族は陛下に滅ぼされます。凌王の即位を助けましょう」と言う卿塵。そして卿塵は「元溟と暗巫は凌王を付け狙ってきました。出陣する凌王を密かに守ってほしいのです」と頼む。
昔邪は「凌王は善良で有能だ。支えるのに値する。だが1つ気がかりな点が。凌王の生母が何者か知っているか?」と言う。卿塵は「ずっと疑問でした。蓮妃こそ暗巫の長老なのでは?」と尋ねる。「まさしく。聡いお前なら気づいていよう。すべては蓮妃が画策したことだ。霊石を得るため巫族を殲滅しようとしている。師兄としていつか必ず成敗せねば。よく考えよ。今後、凌王にどう接する?」と言う昔邪。
卿塵は「凌王は道理をわきまえた方です。信頼できます」と答える。莫不平も「そのとおりです。魏国のためにも暗巫から凌王殿下を守らねば。この件は私にお任せください」と言う。
卿塵に「お前と凌王は、今後、厳しい選択を迫られよう」と昔邪が話す。卿塵は「承知のうえです」と言って目を伏せる。昔邪は「蓮妃が何を企んでいるか分からぬ。私は都に戻り、万一に備えよう」と言う。
ーつづくー
冥魘はどこへ行った!?
一人だけ都に戻ったのかな…。
それとも、どこかに隠れているの?
とうとう殷貴妃が真実を元安に!!
殷貴妃の勝負衣(?)もすごかった(✽ ゚д゚ ✽)
いつも落ち着いた色の衣を着ているから。
真実を知った元安も怖い(@_@;)
来週で酔麗花も終わり。
まだまだ問題が山積みだよね(@_@;)
これからどういう展開になっていくのかな…。
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殷貴妃と蓮妃だったら殷貴妃が好きです。人間味があるというか分かりやすいというか。
今回は卿塵が元凌の元に行けて良かったですね。二人のシーンを久しぶりに見た気がします。
そして昔邪ともようやくの再会。残りの石は見つけられるのでしょうか・・
殷采倩も元澈に会いに行くと言ってましたが大丈夫かな。