【登場人物】
岳飛(がくひ) …文武両道に秀で、忠義に厚い勇士。主人公。
王貴(おうき) …岳飛の仲間。義兄弟。
王燮(おうしょう) …杜充の部下。
牛皐(ぎょうこう) …岳飛の仲間。義兄弟。
張用(ちょうよう) …岳飛の仲間。義兄弟。
傅慶(ふけい) …蜈蚣山の山賊討伐のために選ばれた100人の兵の1人。
張大年(ちょうたいでん) …素素の父。
兀朮(ウジュ) …太宗の4男。
「黄天蕩の戦い」
船酔いの激しい高宗の世話をする呉夫人。機嫌の悪い高宗は、ようやく戻ってきた張鼎から「岳家軍が金軍と交戦中だと聞きました。戦況は分かりません。ただ、金軍はいまだ岸壁に陣取っています」という報告を受ける。「なぜ撤退しない。もう海上はこりごりだ」と言う高宗。ほんの少し避難するつもりが、こんなに長く海上で過ごす羽目になるとはと。「秦檜は?まだ和議の席から戻らぬのか?」と聞く高宗に「秦殿は金に行ったきり消息を絶ちました。何度か使いを送りましたが返答はなく、落命したのかもしれません」と答える張鼎。張鼎の言を入れて秦檜を金に送った高宗は「そちの責任だ」と激怒し、張鼎を海に投げ落とせ、と命じる。「お待ちを」と止めた呉夫人は、高宗にひざまずき「陛下、なりません。張鼎を殺せば忠臣が1人もいなくなります」と訴える。呉夫人を立たせ、高宗は仕方なく張鼎を放すように言う。
ふらつきながら部屋に戻った高宗は、母の自画像に触れながら「朕は海上に漂い、母上は金にいます。なぜ我らばかり苦しみに遭うのか。母上を金から連れ戻すことのできない不肖の子をお許しください。朕は不孝者です」と涙を流す。
張府。新城でわずか300の騎兵と2千の歩兵で兀朮を撃破した岳飛に「心より敬服する」と言う韓世忠。陛下を追い続けていた兀朮も、兵を連れ北へ引き揚げるだろうと。岳飛は「光栄です。我らの国土を侵し、同胞を殺した金をこのまま帰しはしません」と言う。
韓世忠が次の作戦を聞くと「海上の陛下を救うため、各軍が連携して金軍を駆逐しましょう」と言う岳飛。その場にいた梁興や張大年もうなずく。
岳飛は「岳家軍は陸で戦います。金軍は長江を渡って北に戻るはず。韓殿は水軍を率いて彼らの帰路を塞いでください」と話す。「良い作戦だが、私の擁する船は大小合わせてわずか175隻で、半数は壊れている。対する兀朮軍は我らの3倍の500隻だ。しかも船は頑丈で協力な大砲を備えている。だが私は岳飛の作戦を受け入れよう。私の目の黒いうちは兵1人、船1隻たりとも逃しはしない」と韓世忠は言う。「頼みます。水軍と陸軍が協力すれば、敵がどれほど強大でもせん滅できましょう」と岳飛は手を差し出す。その手を強く韓世忠がにぎり、その上に梁興が「協力して戦いましょう」と手を添える。さらに手を添えた張大年が「兵糧の輸送は私にお任せを」と言う。
韓常と戦った岳家軍は、韓常を生け捕りにする。しかし縛っていた縄を切り「解放してやる」と言う岳飛。命がけで捕まえた韓常を釈放しないよう王貴は訴えるが、岳飛は聞かず「言伝を頼む」と韓常に言う。金の皇帝に“二帝を返せばすぐに休戦してやる。さもなくば近い将来、俺は軍を率いて金の都・黄龍府に攻め込み、宋の民が味わった苦しみを与えてやる”と伝えるようにと。韓常は笑い「そんな言葉を伝えれば私は殺されてしまう。この場で殺してくれ。そうすれば私の面目も保たれる」と言う。それでも「殺さぬ」と岳飛が言うと「では自害する」と言う韓常。岳飛が剣を投げ、韓常はそれを受け取るが、自分で命を絶つことができない。そんな韓常に岳飛は「死が怖いのだろう。金軍に居場所がなくなれば、いつでも岳家軍に来い」と言い、行ってしまう。
刀鍛冶をしている王貴に声をかける張憲。王貴は命懸けで岳飛の家族を守った自分は軍紀違反で処罰され、大勢の兄弟を殺した韓常が解放されたことに納得できないでいた。張憲は「将兵にとって敵の情けを受けることは不名誉なことだ。兀朮は二度と韓常を重用しない。冷遇されるほうが殺されるよりつらいんだ」と話す。しかし王貴には岳飛を擁護する方便にしか聞こえない。張憲は自分の外套を王貴にかけ「何よりも韓常が戻れば兄貴の徳が禁軍に伝わる」と言い、その場を後にする。
船上の兀朮の元へ帰った韓常は、敗戦したことを詫びる。「なぜ戻れた?」と聞く兀朮。韓常は岳飛の情けを受けたと答える。そして、言いにくそうに“もし二帝と宋の国土を返さないなら、黄龍府に攻め込む”という言伝を話す韓常。我々は趙構(高宗)を海上に追いやった、口先だけの岳飛など恐れぬ、と強気な兀朮だったが、岳飛がすでに建康を奪還したと韓常から聞き驚く。
兀朮は一緒に船に乗っていた翎児が懐妊したと知り喜ぶ。息子だと思っている翎児に兀朮が理由を聞くと「夢であなたと一緒に戦ってたわ」と話す翎児。兀朮はため息をつき「私たちの子供には、戦におびえることなく安らかに暮らしてほしい」と言う。
黄天蕩。兀朮たち金の船を韓世忠の船が包囲する。山の上からは紅玉が数名と太鼓を叩いていた。兀朮たちもその音に気づき、大砲を山に向かって放つ。それでも叩き続ける紅玉たち。韓世忠は「各船に伝えよ。太鼓の音に従い隊列を組め。音が消えたら本船ののろしに従え」と命じる。
敵船まで5里となり「砲撃命令を」と韓世忠に言う在平。しかし太鼓の音を聞いていた韓世忠は、配下の船が攻撃を受け続けても、隊形を保ちつつ前進することだけを告げる。
さらに接近した時、ようやく「放て!」と韓世忠が叫ぶ。
その頃、川岸を守り、金の退路を断とうと考えていた岳飛は、韓世忠たちの海上の戦いを皆と見ながら「黄天蕩の一戦で今後の流れは大きく変わる。金軍は囲みを突破し、鎮江へ逃げるかも知れぬ。だが韓将軍が金軍を黄天蕩に封鎖した場合はにらみ合いが続くだろう。援軍が来なければ数万の兀朮軍は上陸し、戦わざるを得なくなる。その場合、決着をつけるのは岳家軍だ。四太子を水上に押し戻し、上陸を許すな」と話す。そして「1軍は蓮子墩を守れ。第2軍は碧玉峰を守れ。第3軍は降龍湾を守れ。第4軍は和尚屯を守れ」と命じる岳飛。
ーつづくー
呉夫人がいたーーーーーー!!(おい)
ずっと気になっていたから、これでスッキリ。
生きていて、ちゃんと高宗のそばにいたのね。
そして高宗は相変わらずで…(;´д`)ノ
ずーーーーっと逃げて逃げて、とうとう海上へ…なのに、ほんの少しの避難のつもりとどうやったら考えられるの!?
王貴のわだかまりは解けたかな?
1番近くにいたからこそ、処罰に深く傷ついたはず。
でも、王貴には岳飛の理解者であってほしい。
兀朮、子供ができて嬉しそう(*´ー`*)
でも、子供には「戦におびえることなく安らかに暮らしてほしい」という気持ちがあるのなら、宋との戦を終わらせてもいいのに…。
だって、穏やかに平和に暮らしたいのは宋も同じ(;д;)
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この2軍の結束で、金のこれ以上の侵攻を
食い止めて欲しいですね。
兀朮の子どものためでも、
金の民のためでも、宋の民のためでもあるから。
高宗にはもっとしっかりしてほしいです。
あまりにも近視眼的で、もっと俯瞰で何事も見て欲しいですね。
高宗はもう、どうしようもない状態になってる・・・(^_^;)
そばについている呉夫人が不憫です。
紅玉たちの働きもあって韓世忠が活躍していたシーンは頼もしい姿でした。
お互いこれ以上犠牲者が増えないように、休戦とか・・そんな選択肢があればいいのですが。
ウジュとれいじは、子どもができて幸せそうですが、これからの展開がどうなるのか気になりますね。
太鼓をたたき続ける紅玉たちも必死で…
この姿を高宗に見せたい!見たらもう少しましにならないでしょうか?
ウジュとレイジに子どもができて(*^^*)
そう、「安らかに暮らして欲しい…」って気持ちがあるのならそろそろ休戦にはできないのかとつくづく思います
韓常をあっけなく解放したのは、張憲のいう通り岳飛の作戦だったようだけど、王貴は納得できたかな?
太鼓の合図による攻撃方法の違い、私だったら覚えられないです。
丘の上から、戦の状況を見極めた太鼓の合図だったのでしょうか。
翎児の懐妊、お姫様だっこして兀朮は嬉しそう。
皆さんと同じで、誰だって平和に暮らせる世の中が一番ですよね。
しょーもないことですが
建康を奪還したとき岳飛軍が手にしてたのはチューリップの花?兵士と何となく違和感がありました。