タイトルは12月24日公開「キングスマン:ファースト・エージェント」の最終予告で登場したキャッチコピーである。
時代を感じた。
キングスマンのシリーズ、本作が3作目だが、今回初めて見に行くことにした。スパイアクションは007かミッション:インポッシブルというド定番がある。ちょっとスタイリッシュで、かつ国家に属さない諜報機関という、荒唐無稽(で、いいのかな)なものがたりを見たくなったからだ。公開初日に出かけた。
スパイエージェントの活躍を描いた『キングスマン』シリーズの前日譚。世界最強のスパイ組織“キングスマン”誕生秘話を描く。表の顔は、高貴なる英国紳士。裏の顔は、世界最強のスパイ組織“キングスマン”。国家に属さない秘密結社の最初の任務は、世界大戦を終わらせることだった…! 仲間たちと共に闇の狂団を倒し、戦争を止めることができるのか?歴史の裏に隠されたキングスマン誕生秘話を描く。 |
前2作の予告編の印象で、派手なドンパチとおしゃれなアクションを期待して見に出かけた。かなり予想がはずれた。
第一次世界大戦にむかうヨーロッパの社会情勢は、徐々にきなくさくなる。戦争を起こそうとする組織と、それを阻止せんとするものたちの戦い。本作はフォックスフォード伯爵、息子の教育係ポリー、公爵付き運転手ショーラの活躍を描く。公爵の息子・コンラッドも加わり活動。ものがたり展開としてはアクション映画と言うより、裏歴史映画。スタイリッシュなアクションではなく、血みどろの殺し合いが目についた。
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英国貴族・オックスフォード公爵
国際赤十字の活動をしている。妻、息子がいる。訪問先で襲撃され妻を失う。妻との約束で息子を危険な目に遭わせないことを誓う。かなり過保護に息子に接する。
オックスフォード公爵の息子・コンラッド
絵に描いたような好青年。公爵家跡取り。
ノブレス・オブリージュの意識が高い。
ポリー
表向きはコンラッドの教育係。実際のところは違う。
ショーラ
表向きは公爵付きの運転手。ボディーガード役。
前2作を見ていないので、僕は「この4人が ”キングスマン” になりました。」というものがたりのつもりで、途中まで見ていた。
コンラッドは第一次世界大戦に参戦する。途中まで成長譚と思えた。でも、あろうことか、彼は本国帰還命令を無視し、身分を偽り、前線に残る。そして戦死する。
オックスフォード公は絶望する。そこからの展開がおもしろい。
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近現代史は勉強しないとダメかも
怪僧ラスプーチンをはじめに、英国王、ドイツ皇帝、ロシア皇帝が登場する。第一次世界大戦の端緒となった「サラエボ(暗殺)事件」の描き方は史実に即している。フィクションと事実を行き来する(?)展開は、とてもおもしろいものだった。
悪の親玉に操られているものの中にはレーニンまで出てきた。お腹いっぱいである。
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字幕で見てよかった
その1 "Manners maketh man."
「マナーが紳士を作る」
その2 ”Your Grace.”
「殿下」かな
オックスフォード公爵に、使用人が挨拶、呼びかけで用いる。字幕なし。
皇室は存在するが、英国のような貴族制度のない日本。個人的なことだが、日本語・英語とも軍関係階級呼称、貴族の呼び名などの知識が、自分には少ない自覚がある。このフレーズは、一瞬日本語がうかばなかった。
このエントリを書きながら、来年1月公開の「サンダーバード55」を思いだした。同作にロンドンのエージェントのレディー・ペネロープがでてくる。彼女の執事・運転手のパーカーは、彼女に対してこう言うことが多い。
”Yus, M'Lady.”(=”Yes me Lady.”)
日本語では「はい、お嬢様。」だったと思う。”Your Grace.” は「はい、ご主人様」かな。
英語勉強のための映画鑑賞ではないけど、「Manners...」と「Your Grace.」の気づきは原音ならではだろう。
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前2作の予備知識はなくても、それなりに楽しめる作品だと思う。