大学入試センターは6日、‘26年1月に実施する「大学入学共通テスト」から電子出願システムを導入すると発表した。出願手続きをオンライン化、受験生本人が直接出願する。受験生や教員の負担を軽減する。
9月4日のニュース。現2年生から...
や~っと...である。
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現行の(高校在籍者)出願方法
受験生が記入した願書等を高校(以下「在籍校」)がとりまとめ、センターに送付(郵送)する。受験生がシメキリを間違えたり、検定料の支払いが遅れたりする。
出願の有無、願書記載内容の確認は①担任、②進路指導部試験担当、③進路指導主事、④管理職と何段階にも点検が入る。【過去記事】
実務上の問題点
受験生の在籍校からの出願(願書送付)には校長決済が必須である。センターへの出願シメキリより、校内事務処理のシメキリが先んずるのはこのためである。これが理解できない生徒(保護者)がいる。
過去、出願時に在籍校のミスもあり、世間を騒がせている。
とにかく非常にstressfulな作業なのだ。
オンライン化により、受験生本人がパソコンやタブレット、スマホを使い、名前や受験教科などを登録、直接出願できるようになる。検定料の支払いも、金融機関への振り込み方式から、オンライン決済になる。
出願後、現行方式では受験票は現役生の在籍校に郵送される。変更後は各自で印刷、試験場に持参することになる。
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大丈夫かな
令和7年の大学センター試験出願資格(令和7年度受験案内P.9)を確認した。『「高等学校」(特別支援学校の高等部を含む。)又は「中等教育学校」を令和7年3月に卒業見込みの者』とある。卒業見込みの者は資格証明(書)を自分で準備しなくていい。在籍校の校長が自校の受験生については、願書送付時一括で卒業見込みを証明するからである。
この証明、誰がどうするのだろう。名前等の受験者個人情報、受験科目等登録内容確認・訂正も、従前ならば「紙ベース」で行われていた。これもどうするのだろう。
センターの報道発表資料(『令和8年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト(令和8年1月実施)の出願手続きの電子化について【予告】』)を見ると、概要版がでていた。『2.電子出願システムを利用した手続きの流れ』によれば、以下のようになる。
(1)受験案内・受験場の配慮案内の公表が6月中旬頃
(2)マイページの作成開始が7月上旬頃
(3)出願・検定料の支払いが9月下旬頃
(4)出願内容の確認・登録内容の変更が10月中旬頃
(5)受験票の取得が12月中旬頃
(6)成績の閲覧(希望者のみ)が4月上旬頃
『3.高等学校等関係者向けサイト』が開設される。『高等学校の関係者が、自校を卒業見込みの志願者の出願状況の把握や進路指導で使用できるよう、志願者のデータを閲覧できるサイトを開設します。なお、閲覧できる志願者のデータは出願時に同意した志願者のデータが対象となります。』と【予告】にある。
このサイトで受験生の卒業見込みの者の資格証明をするのだろうか。時期は(4)の後だろうか。資料を見る限り、明確ではない。
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高校の進路指導部としては(2)への注意喚起が新たに増える。(3)の確認がより気をつけるべきことだろう。いずれにしても、出願事務の主体(責任)が基本的に受験者になる。
・・・1、2年は「事故」が増えるのではないか。