Book of John
In the beginning was the Word, and the Word was with God, and the Word was God.
New International Version
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二つの日本語訳
初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。 日本聖書協会『新共同訳新約聖書』(1987年) |
ハジマリニ カシコイモノゴザル。コノカシコイモノ ゴクラクトモニゴザル。コノカシコウモノワゴクラク。 日本聖書協会『ギュツラフ訳 ヨハネによる福音書』(2006年) |
前者は1987年に発行。後者は1837年にシンガポールで発行の「約翰福音之伝」を原本に、日本聖書協会が’06年に復刻させたもの。後者の青字部分は原本にはない。
二つとも自分の蔵書から引用した。
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現代の英語の聖書でthe Wordは「カシコイモノ」、Godは「ゴクラク」とされている。ギュツラフ訳の続きをしばらく読んでみるが、かなりの困難を感じる。あくまでも自分基準だが、新共同訳新約聖書(1987年版)でさえも、四福音書で一番難解なのはヨハネによる福音書である。それを1800年代に日本語にした。とてつもない作業である。
ギュツラフは千石船の船員3人(現在の愛知県出身)の助力で翻訳を完成させた。彼は3人から日本語を学んだとのこと。宣教師の彼の教養知識と千石船の船員のもつ教養知識、善し悪しではなく、異質のもの。それこそ異世界のもである。二つの文明文化が接触し、協力・努力してなしえた翻訳である。
現代に生きる英語の先生として考える。大変...と思う。
なお、ギュツラフは日本史の授業にでてくる「モリソン号事件」にもかかわる人である。
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12月1日の記事は聖書でした。
クリスマスの月ですからね。