上等とはいえない怪しい雲行きの下、「こんぴらさんの駅」と親しまれている「琴平駅」にやってきました。ここは公共交通機関で参拝された方が最初に目にする神域。車寄せの上には正式な注連縄が張られています。
電車を降り立ち改札口から一歩足を踏み出せば、彼方には像頭山の姿。一般道に至るまでの道は奉納灯篭が立ち並び、まさしくそこは参道なのだと認識させられます。
道路の境界線上より神域を守護されるのは、優しい顔立ちの浪速タイプの狛犬さん一対。4段重ねの高い台座の上から遠く一帯を守っておられるのです。
駅前参道の途中に、金毘羅歌舞伎の発展を願って建立された『新歌舞伎十八番 鏡獅子像』が見事な見得を切っています。金刀比羅宮参道近くには、現存する日本最古の芝居小屋「金丸座」があり、今も「四国こんぴら歌舞伎大芝居」として毎年春に公演されているそうです。
1922年に竣工された洋風建築の「琴平駅:駅舎」は、2012年に国の登録有形文化財に登録されました。
これは4月20日に文化庁が発表した内容文で、何と私達が訪問した10ヵ月後の事。「南西方の金刀比羅宮を向いて建つ、木造平屋建ての駅舎である。正面中央に大きな切妻屋根を配して半円窓を開け、軒先には丸金印の軒飾りを飾るなど大らかな意匠になり、駅前の歴史的景観に寄与している。ホームの上屋など3件を併せて登録する。」
出来ればもう少し余裕を持って細部の画像を残したかったのですが、生憎と近場に駐車スペースが無く、ご亭主殿は車で待機。ついつい時間に急かされて駆け足状態での見学となりました。
ここから金比羅宮参拝のために近くまで車で移動。途中で見かけた屋根付きの橋は、御神事場西端にある「鞘橋」。明治2年(1869)に建てられ、明治38年に現在の場所に移築。例大祭などの神事のみに用いられているそうです。
金刀比羅宮参拝の前に「琴平海洋博物館(海の科学館)」に立ち寄りました。人と海との歴史や深海、船舶の機能等、海洋に関する情報が幅広く紹介されており、規模はそれほど大きくは有りませんが、戦艦大和や、幕末期の世界地図など、興味深い展示内容です。
特に日本髪の美人絵を使用した「大阪商船株式會社」のポスターは、私の一番のお勧め。また「石炭を焚かぬディーゼルエンジン装置:紅丸就航」のポスターを見て、頭で知っていた知識の可視化に改めて驚かされたりします。館内は撮影禁止の為紹介できる画像は殆どありませんが、ポスターの類は必見の価値あり!古いポスターが好きな人なら、何時間でも居座りたくなりますよ!
「琴平海洋博物館」のテラスから見える大屋根、その奥に見える建物が、ブログの半ばに登場した日本最古の芝居小屋「金丸座」。時間が有れば立ち寄りたい場所のひとつ。
退館後は、施設内駐車場に車を置かせて頂き、金刀比羅宮への参拝をしました。(無断駐車はくれぐれもしないように、受付で必ず許可を頂いてください!)
金刀比羅宮参拝、続きは明日のブログで
訪問日:2011年6月18日
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます