車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

年末ですが神楽三昧「神楽四方山話」

2021年12月29日 10時00分00秒 | 日本の伝統・芸能・技の美

2021年も残すところあと三日。従来であれば迎春準備や帰省準備などで慌ただしい日々の筈ですが、今年は昨年にも増してコロナの猛威に翻弄された一年だったような気がします。

何処にも出かけられない、会いたい人たちに逢えない日々。私の毎日は、御亭主殿のリハビリに付き添い、必要な買い物に行く以外は自宅で小さな庭の花の世話をするだけ。そんな日々の中で、毎日、毎日、過去の思い出をブログに綴り続ける事は、私自身の大きな慰めとなっていました。

さて、年も押し迫った今日からは、大好きな神楽についてネタが尽きるまで書いてみようと思います。 題して「年末ですが神楽三昧」(笑)

まず、神楽とは何なのか?ですが、端的に言えば「神前に奏される歌舞」。 神座を設けて神々を勧請し、招魂・鎮魂の神事を行ったのが神楽の原点とされ、古くは神遊(かみあそび)とも称されました。神楽の起源として有名なのは、『天照大神』が天岩戸に隠れたときのエピソード。『天鈿女命(あめのうずめのみこと)』が岩戸の前で舞い踊り、『天照大神』を再び世に引き戻したのがはじめと伝えています。(神楽門前湯治村・川口健治絵画館所蔵作品より)

さて、難しい話はさておいて、唐突ですが、私たちは「神楽」が好き。わけても「どんちっち神楽」と呼ばれる「広島・石見神楽」が大好きです(*^^*)
【七五三(しめなわ)の中 まだ入りまさぬ神あれば 黄金の七五三を越えてましませ】
烏帽子・狩衣姿の四人が、東西南北・四方を清めて神を迎える「神迎」の儀式で始まる神楽。

初体験は2013年4月21日。山口県から広島への車泊の流れで安芸高田市美土里町にある「神楽門前湯治村」に行き、いわゆるどんちっち神楽の洗礼を受け、一瞬で神楽ファンになった事から始まります(⌒∇⌒) この時は「神迎」の儀式は無く、いきなりの「どんちっち神楽」からスタート。あまりの楽しさに・・ヤバイかもと思ったんですよね。

その流れで5月21日からの出雲大社の遷宮祭(奉納神楽だけ)を見る為、一週間の車泊を予定し、21日・22日・25日の三日間、日本各地に伝えられてきた「神楽」の舞台を鑑賞。もうこの辺りで胸のあたりまでどっぷりと神楽に嵌り(^^;)

ついでにあいた一日を、又しても「神楽門前湯治村」で過ごし(ここでお気に入りの神楽団に出会う)・・同じ年の7月6~7日、二日間の予定で「広島安芸高田神楽・特別公園」が開催されると聞き、片道400k前後の高速をすっ飛ばし、席取りのため車泊で三度目の神楽門前湯治村へ。ここで二日間に22団体の神楽を見る機会に恵まれ、もはや中毒にも近い状態で(笑)神楽の楽しさ、素晴らしさに首までどっぷりと嵌り・・・

同じ年の12月、神楽門前湯治村の「神楽太刀納め」を観覧し、翌日は北広島町にある「千代田開発センター」で開催された「月一の舞」へ。この神楽で特にご贔屓となる神楽団に出会い、もはや二人の神楽熱は身動き不可能な状態(^^;)

さて、神楽の魅力を語りだすと際限なくなるのですが、その一つに舞手が身につける衣装があります。華やかな鬼の衣装と姫の舞衣を身にまとっているのは、ご亭主殿と私。「広島安芸高田神楽・特別公園」での催しとして、本物の神楽の舞衣に袖を通す機会に恵まれた時の物です。

重いものなら30kg前後にもなると言われる、総刺繍縫い取りの豪華絢爛な衣装。すべてが手作業で作られ、一枚のお値段は数百万円という貴重な衣装を身にまとった二人。こうして腕を上げていると肩に食い込むような重さにまず驚くのですが、これを鎧や袴を身に着けた上にまとい、あれだけの動きをされる神楽団の方々。唯々、感嘆のため息。

この画像は車泊仲間のJさんと私、お子様サイズの私が鬼面を着けると、ほぼ足元まで隠れてしまい、まるでアニメの二頭身キャラ(^^;) それでも精一杯両手を広げてポーズをとってみました(笑)

下は「神楽門前湯治村」に展示されている、一昔前の神楽の衣装ですが、こうして見ると随分地味に見えてしまうから不思議。ともあれ昔も今も全て手作りの貴重な衣装、長い伝統の中で大切に受け継がれきた衣装を見ると、また一段と神楽が好きになります。

神楽に使われる衣裳や蛇胴・蛇頭、その他神楽道具一式を製造・販売されている「神楽ショップくわの木」さん。ちらりと見せて頂いた製造現場は、息をするのもはばかられる雰囲気・・・

神楽に欠かせないのが、神や鬼、姫など、その役になりきる為の、数々の神楽面。これらは先の衣装と同じく「神楽門前湯治村」に展示されていたものですが、鬼面一つとっても凄い種類。たとえば、大悪鬼や大江山の鬼など、演目ごとに異なった表情があり、じっと見ていると見知らぬ世界に引き込まれそうな錯覚を覚えますが、これを見るのは人目の多い明るい場所限定で(笑)。

同じ場所に展示されていた「錦城神楽団」寄贈の『児屋根命』。明治20年頃のものと説明にありました。

こちらは出雲大社のお膝元にある「道の駅:大社ご縁広場」併設の「吉兆館」に展示されていた面ですが・・はてどなたでしょう(^^;)

前述の「神楽ショップくわの木」さん。いずれも見知った懐かしい神楽面が展示されており、奇妙な親近感に胸がワクワク(⌒∇⌒)。

こちらは言わずと知れた『八岐大蛇』。たとえ首だけになって展示室に保存されようとも、凄みのある目を光らせ、興味深げに見入る客を見返しています。

もう一体は舞台の役目をすっかり終えて長い時間をここで過ごしてきた「大蛇」。すべてのしがらみから解き放たれたような表情がひどく印象的です。

北広島地域で配布されるちょっとした広報誌、よく見るとその中にもさり気なく神楽のキャラ。『北広島きたひろネット・きたゾ~』。もちろん速攻でデジカメ!

高速道路のPA、観光バスの車体に「広島神楽」のプリントを見つけので、駆け寄ってデジカメ!

飲酒運転撲滅運動のハンドルキーパー(お酒を飲まない人)。こんなに素敵なハンドルキーパーさんが送迎してくれるのなら、下戸だけどお酒なるもの、飲んでみようかな(笑)

飲んだら乗るな、乗るなら飲むなですが、もう一つ、スピードの出し過ぎにも注意!! ほら、怖い鬼が「スピード落せ!!」と叫んでいますよ。

千代田町を流れる江の川。阿戸橋の親柱に、鬼面を見っけ!!! 後戻りしてデジカメ! でもこれを夜に見たら絶対に泣く自信がある(^^;)

北広島町を流れる志路原川。蔵迫橋の親柱で睨みをきかせて居るのは、鍾馗に登場する「厄病」と「鍾道」。とりあえずデジカメ!!デジカメ(笑)

神楽門前湯治村、無い筈がない(笑)「鬼と神楽人」の顔出しがあったので、速攻でデジカメ!

ことほど左様に「神楽」と言うと、思わず耳がネコ(?)になってしまう二人。明日からは私たちのハートを鷲掴みして離さない「神楽」の演目を・・と思ったのですが、無形民俗文化財登録「雄勝法印 (おがつほういん)神楽」を紹介しようとおもいます。

2021年 年末


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