8月22日投稿の≪樹木の切り株更新≫で記したように、北海道の森林の林床はササに覆われていることが多く、種子の発芽が阻害され、自然の状態で樹木が世代交代するのは通常困難である。
上の写真は、止別川上流の国有林の斜面で撮影した典型的な倒木更新である。トドマツの古い風倒木上に直線をなしてトドマツの幼木が生育している。林床は丈が五尺もあるクマイザサに覆われ、トドマツ・エゾマツ・カツラ・アカダモ・シナノキなどの成木は、次世代の樹木が育っていないため、伐採されると人工植林地にならざるをえない。
釧路管内のササは、クマイザサ(写真下段右)とスズタケ(写真下段左)の二種類。生育地はクマイザサが圧倒的に多いようだが、別保の森林公園内や上庶路の山林では、沢を隔てて、一方の斜面にクマイザサ、他方の斜面にスズタケと棲み分けているのを見かけることがある。
スズタケは、タケとなっているが、分類上はササの一種で、細い稈(ササの幹)が一本ずつ立ち上がり上部で枝分かれし、節は膨らまない。一本の稈から細長い葉が一枚か二枚しか出ないので識別は容易である。
ササは、日当たりがよければ人の背丈以上に伸び、密集するので、樹木の自然更新の大敵であり、人工植林の場合でも、地ごしらえできれいに刈り取って植樹し、翌年からの下刈り作業を丹念に行わなければならない。
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