会社法では、株式譲渡制限規定の設定、組織再編等における反対株主の買取請求(第116条、785条等)について、見直しがされているので、注意が必要である。
会社法では、株主総会の決議、株式買取請求の手続、債権者保護手続等の手続について、時間的な先後関係が定められておらず、並行的に行うことが可能となっている。効力発生日までにすべての手続が終了していればよいのであって、株主総会の決議は、効力発生日の前日であってもよい。
反対株主の買取請求に関して、旧商法では、株主総会に先立つ反対意思の通知と株主総会における反対の議決権行使が要件とされていたが、会社法においても、この点は維持されている。但し、議決権制限株式の株主について、あるいは、株主総会決議が省略される場合については、事前に反対の意思を通知することは要しないものとされている。
ポイントとしては、
①反対株主は、原則として株主総会に先立ち反対意思を通知し、かつ、株主総会において反対の議決権行使をする必要がある。
②株式会社は、効力発生日の20日前には原則としてすべての株主に対して通知(到達主義)又は公告する必要がある(第116条第3項、第785条第3項等)。
③株主総会決議は、買取請求権の行使期間満了までに行う必要がある。
なお、②の通知又は公告は、反対株主の買取請求権行使を保障するためのものであり、効力発生日の20日前までに行えばよいのであって、株主総会に先立って行わなければならないものではない点は誤解のないように。
cf. 旬刊商事法務2005年12月25日号37頁以下
「立案担当者による新・会社法の解説」(商事法務)192頁以下