司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

不動産登記における外国人の氏名

2024-12-09 18:45:56 | 不動産登記法その他
 従来,不動産登記における外国人の氏名については,

「アメリカのように名→姓の順で名前を表記する(例:Michael Jordan)国の外国人にあっては、登記簿に記載する名前は、カタカナ表記にするだけではなく、日本のように姓→名の順に表示しなければなりません(例:ジョーダン・マイケル)。
 さらに、姓と名の間を「  」(空白)で区切ることはできず、続けて記載するか、「・」(中黒)で区切らなければなりません。」(後掲金山)

という取扱いであった。

cf. 金山国際司法書士事務所「外国人の姓名表記について」
https://kanayama-international.jp/officialblog/archives/364

 令和6年4月からは,外国人については,ローマ字表記を併記することとなり,

「併記するローマ字氏名は、次の表示方法によるものとする。
ア 所有権の登記名義人の氏名の表音をローマ字で表示したものに限るものとし、ローマ字以外の文字又は記号による表示は認めない。
イ ローマ字氏名は、原則として全て大文字で表示するものとする。
ウ ローマ字氏名の氏と名の間にはスペースを付すこととし、「・(中点)」等の記号による区切りは認めない。また、ローマ字氏名は、登記記録に記録された氏と名の順に従って表示するものとする。
エ  母国語による所有権の登記名義人の氏名に「Ⅲ」、「Ⅳ」又は「Ⅸ」等のローマ数字が含まれる場合には、当該ローマ数字について「I」「V」又は「X」等のローマ字を組み合わせて表示することができ
る。」

という取扱いとされた(不動産登記規則等の一部を改正する省令の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(ローマ字氏名併記関係)(令和6年3月22日付け法務省民二第552号通達))。

cf. 令和6年4月1日以降にする所有権に関する登記の申請について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00589.html

 ローマ字氏名は,「登記記録に記録された氏と名の順に従って」表示するものとされた。

 ところで,登記記録例では,「ジョン・スミス(JOHN SMITH)」という順で表示されている。

「JOHN」が氏で,「SMITH」が名,ということはなかろう。

 通達本文と登記記録例のどちらが正しいのか?

 どうやら,カタカナ氏名について,本国における氏名の順「ジョン・スミス」での登記が認められることになった(従来からそうだった?)ことに伴い,ローマ字氏名も,「登記記録に記録された氏と名の順に従って」,すなわち本国における氏名の順「JOHN SMITH」で登記されるようである。

 とすると,同一人に関して,改正前には「スミス・ジョン」で登記されていたのに,改正後には「ジョン・スミス」で登記されることがあり得る,というか,それが標準である。

 当分の間,実務は,混乱するのでは。

 やれやれ。
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法務大臣が衆議院法務委員会における就任の挨拶で選択的夫婦別姓をめぐり・・・

2024-12-09 15:26:27 | 民法改正
TBS NEWS DIG
https://news.yahoo.co.jp/articles/81a86b3f7adabbf682ccd2e67dfd429937b75c46

「鈴木馨祐法務大臣が初めて衆議院・法務委員会に出席し、就任の挨拶で選択的夫婦別姓をめぐり「多様な考え方があることを踏まえ、国民の間はもちろん、国会でも議論いただけるよう、情報提供していく」と話しました。」(上掲記事)

 積極的ではないようだ。
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