司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

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公正証書のデジタル化について閣議決定

2023-03-17 16:34:28 | 民法改正
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA142KD0U3A310C2000000/

「政府は公証人法の改正案も閣議決定した。金銭貸借や遺言などの際に個人の依頼で公証人が作成する公正証書に関する手続きをデジタル化する。」(上掲記事)

cf. 民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00323.html

第四 公証人法の一部改正(第五十二条関係)
一 公正証書の作成等に関する規定の整備
1 嘱託の方法等
 嘱託人は、公正証書の作成を嘱託する場合には、法務省令で定めるところにより、公証人に対し、官公署の作成した印鑑に関する証明書又は署名用電子証明書等(電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項に規定する署名用電子証明書その他の電磁的記録であって法務省令で定めるものをいう。3(二)において同じ。)を提供する方法その他の法務省令で定める方法により、嘱託人が本人であることを明らかにしなければならないものとすること。(第二十八条関係)

2 映像等の送受信による通話の方法による通訳等
 公証人は、嘱託人からの申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、公証人並びに嘱託人及び通訳人又は証人が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、通訳人に通訳をさせ、又は証人を公正証書の作成に立ち会わせることができるものとすること。(第三十一条関係)

3 代理人による公正証書の作成の嘱託
(一)代理人による公正証書の作成の嘱託は、法務省令で定めるところにより、公証人に対し、代理人の権限を証する書面又は電磁的記録を提供してしなければならないものとすること。(第三十二条第二項関係)

(二)(一)の書面又は電磁的記録が認証を受けていない私署証書又は電磁的記録であるときは、公証人は、当該書面又は電磁的記録のほか、官公署の作成した印鑑若しくは署名に関する証明書又は署名用電子証明書等を提供させなければならないものとすること。ただし、当該書面又は電磁的記録が真正であることが公証人の保存する書面又は電磁的記録から明らかであるときは、この限りでないものとすること。(第三十二条第三項関係)

4 第三者の許可等があったことの証明
(一)公証人は、第三者の許可又は同意を得なければならない行為について公正証書を作成するには、法務省令で定めるところにより、その許可又は同意があったことを証する書面又は電磁的記録を提供させなければならないものとすること。(第三十四条第一項関係)

(二)3(二)の規定は、(一)の書面又は電磁的記録について準用するものとすること。(第三十四条第二項関係)

5 書面又は電磁的記録による公正証書の作成
 公証人は、公正証書の作成の嘱託があった場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものをもって公正証書を作成するものとすること。(第三十六条関係)
(一)(二)に掲げる場合以外の場合 電磁的記録
(二)電磁的記録をもって公正証書を作成することにつき困難な事情がある場合 書面

6 公正証書の記載又は記録の方法
(一)公証人は、嘱託人からの申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、公証人及び列席者(嘱託人(公証人が通訳人に通訳をさせ、又は証人を立ち会わせた場合にあっては、嘱託人及び当該通訳人又は当該証人)をいう。7において同じ。)が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、公正証書の作成に係る事実の実験を行うことができるものとすること。ただし、当該申出をした嘱託人以外に他の嘱託人がある場合にあっては、当該他の嘱託人に異議がないときに限るものとすること。(第三十七条第二項関係)

(二)(一)の規定は、民法第四百六十五条の六第一項(同法第四百六十五条の八第一項において準用する場合を含む。)の公正証書を作成する場合については、適用しないものとすること。(第三十七条第三項関係)

7 公正証書の記載又は記録の正確なことの承認等
(一)公証人は、嘱託人からの申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、公証人及び列席者が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、列席者に公正証書を読み聞かせ、若しくは閲覧させ、列席者からその記載若しくは記録の正確なことの承認を得、又は通訳人に公正証書の趣旨を通訳させて、当該承認を得ることができるものとすること。ただし、当該申出をした嘱託人以外に他の嘱託人がある場合にあっては、当該他の嘱託人に異議がないときに限るものとすること。(第四十条第三項関係)

(二)公証人は、列席者から公正証書の記載又は記録の正確なことの承認を得たときは、その旨(通訳人に通訳をさせた場合にあっては、その旨を含む。)を公正証書に記載し、又は記録し、かつ、当該公正証書について、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならないものとすること。(第四十条第四項関係)
(1)電磁的記録をもって公正証書を作成する場合 当該公正証書が指定公証人の作成に係るものであることを示すために講ずる措置であって、当該公正証書が改変されているかどうかを確認することができる等当該指定公証人の作成に係るものであることを確実に示すことができるものとして法務省令で定めるもの
(2)書面をもって公正証書を作成する場合 署名及び押印

(三)列席者は、公正証書の記載又は記録の正確なことの承認をしたときは、の公正証書について、署名又はこれに代わる措置として法務省令で定めるものを講じなければならないものとすること。(第四十条第五項関係)

8 公正証書の閲覧等
(一)嘱託人、その承継人又は利害関係を有する第三者は、公証人に対し、当該公証人の保存する公正証書又はその附属書類(これらが電磁的記録をもって作成された場合にあっては、その電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができるものとすること。(第四十二条第一項関係)

(二)公証人は、公正証書又はその附属書類に記載され、又は記録されている者(自然人である者に限る。)の住所が明らかにされることにより、人の生命若しくは身体に危害を及ぼすおそれがある場合又はこれに準ずる程度に心身に有害な影響を及ぼすおそれがあるものとして法務省令で定める場合において、その者からの申出があったときは、法務省令で定めるところにより、当該公正証書又はその附属書類に当該住所が明らかにされない措置を講じた上で、(一)の閲覧をさせなければならないものとすること。(第四十二条第五項関係)

9 公正証書の謄本等の交付等
(一)嘱託人、その承継人又は利害関係を有する第三者は、公証人に対し、当該公証人の保存する公正証書又はその附属書類について、次に掲げる請求をすることができるものとすること。(第四十三条第一項関係)
(1)公正証書(書面をもって作成されたものに限る。⑴において同じ。)又は公正証書の附属書類(書面をもって作成されたものに限る。)の謄本又は抄本の交付の請求
(2)公正証書(電磁的記録をもって作成されたものに限る。(3)並びに10(一)(2)及び(3)において同じ。)又は公正証書の附属書類(電磁的記録をもって作成されたものに限る。(3)において同じ。)に記録されている事項の全部又は一部を出力した書面の交付の請求
(3)公正証書又は公正証書の附属書類に記録されている事項の全部又は一部を記録した電磁的記録の提供の請求

(二)8(二)の規定は、(一)の請求について準用するものとすること。(第四十三条第二項関係)

10 公正証書の正本等の交付等
(一)嘱託人又はその承継人は、公証人に対し、当該公証人の保存する公正証書について、次に掲げる請求をすることができるものとすること。(第四十四条第一項関係)
(1)公正証書の正本の交付の請求
(2)公正証書に記録されている事項を記載した書面であって、公証人が法務省令で定める方法により当該書面の内容が当該公正証書に記録されている事項と同一であることを証明したものの交付の請求
(3)公正証書に記録されている事項を記録した電磁的記録であって、公証人が法務省令で定める方法により当該電磁的記録の内容が当該公正証書に記録されている事項と同一であることを証明したものの提供の請求

(二)8(二)の規定は、(一)の請求について準用するものとすること。(第四十四条第二項関係)

11 公正証書等に記録されている事項を記録した電磁的記録の提供の方式等
(一)公証人は、9(一)(3)又は10(一)(3)の電磁的記録を提供する場合においては、当該電磁的記録に、次に掲げる措置を講じなければならないものとすること。(第四十五条第一項関係)
(1)当該電磁的記録が指定公証人の作成に係るものであることを示すために講ずる措置であって、当該電磁的記録が改変されているかどうかを確認することができる等当該指定公証人の作成に係るものであることを確実に示すことができるものとして法務省令で定めるもの
(2)指定公証人が(1)に規定する措置を講じたものであることを確認するために必要な事項を証明する情報を電磁的方式により付すこと。

(二)(一)(2)の情報は、法務大臣又は法務大臣の指定する法務局若しくは地方法務局の長が作成するものとすること。(第四十五条第二項関係)

(三)(二)の規定による指定は、告示により行うものとすること。(第四十五条第三項関係)

二 表記の現代用語化等
 公証人法第四章及び第五章について、その表記を平仮名・口語体に改め、用語を平易なものに改める等の表記の現代用語化を行うとともに、技術的・細目的な規定を法務省令で定めることとする等の整備をするものとすること。(第二十六条から第六十二条まで関係)
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