ヒビノグチデキゴト

言いたいこと言って、覚えておきたいことをツラツラと書きます

初記事で書くことではないけど、覚書として

2019-11-02 08:48:30 | 覚書
読んでくれている皆様。台風19号などで被害はありませんでしたか?

被害に合われた方は、お見舞い申し上げます。

台風の日、我が家は雨風強い時間も短く、ここまで被害が出るとはまったく思っていませんでした。警報がバンバン鳴るので一人暮らしの私の母親は、早い時間に我が家に移動してきました
むしろ15号のほうが風が強かったねーなどと話していた矢先。

妻の電話へ妻の実家から連絡が。

床上浸水してる!

今まで生きてきて、水害等に全くあったことのなかった妻と私。

ええー?ほんとー?って言うのが第一声。

なぜなら、ウチから歩いて25分ほど。車だと5分位のところに妻の実家はあります。
電話受けてから、すぐに自宅前を見に行きましたが、普通の雨。

むしろ小ぶりで風もない。

テレビだと台風はまだ上陸もしてない。

近くに川がありますが、氾濫警報の一つ下。氾濫するかもー警報の段階。

えええー?ほんとー?でした。

写真が送られて来ると...

椅子が浮いてるー!!!

そして、停電になってしまったらしいです。

妻は気が気でない感じでしたが、実家の方は二階へ避難してるから大丈夫ーとのこと。

台風はどんどん近づいてきます。

さっきより風雨が強まりますが、大したことはありません。

妻の両親からの連絡は電池がないとのことで、最小限に。とにかく風雨が止んだら夫(私)行かせるから!と、知らないところで契約されて風雨がすぎるのを待ちました。

夜中にはだいぶ静かになり、気づいたら妻も子供も、私の母、そして私は寝ていました。

朝六時頃妻の携帯が鳴ります。

泥と水がすごいから、車では来れないよ。水引いてからおいで。だそう。妻は安否確認ができたことで安心した感じでした。

妻はその日仕事だったので、私一人で行くことを決心。母親に娘を我が家で見てもらうことにし

明日なんて言ってらんないと思っていた私は、セコセコと用意を始めます。

とは言っても災害がはじめての私。何を用意していいかわかりません。とにかく汚れてもいい格好、電池がないと言っていたので、モバイルバッテリーありったけと、ケーブル。歩いて行くのにかさばらない量の飲料。あと、妻が作ったおにぎりたくさんを持ち、あと足りないものがあれば戻ってくることにして家を出ました。

台風一過の超晴天。あちこちに風で飛んできたものが散らばっていますが、冠水したようなあとはありません。

歩いて数分で、一部低くなっているところで冠水の跡が見えてきました。

いつもより茶色い地面のところが点々とありますが、通りや建物は全然普段通り。

荷物も重いので、車で来れば良かったかな?と、思い始めましたが、引き返すにも結構歩いていたのでそのまま進みました。

カーブの先が見えないところで、写真をパシパシ撮っている人がいます。

あー、あそこの先から冠水してるのか。と、悟りました。

カーブを曲がり切ると、今まで歩いてきた道が嘘のように泥の沼地のようになっていました。

朝早くからみんな外に出て泥流したり、家具出したりしていました。

途中ユーチューバー?撮影かわかりませんが泥の浅いところで動画撮りながら通り過ぎる車に泥はねされて、着く前に泥だらけに。

膝下20センチ位まで溜まった柔らかーいキメの細かいドロ。足を取られながらも実家到着。

一応ピンポン押しますが、鳴りません。

ドアを開けると、外と変わらない泥だらけの室内。

中では義父母が呆然としていました。

私が来たことを察知して下に降りてきて、初めて自宅一階の惨状を目にしたんだと思います。

歳も歳なので軽く必要なものは二階に上げてくださいと言い、庭からホースとデッキブラシを持ってきます。

義父母はショックなんでしょう。昨日の起こった事を私に一生懸命話してきます。

落ち着いてもらうために、女房がくれたおにぎりと飲み物を渡しました。とりあえずこれ食べて落ち着いて下さいと。

その間に、開けられるとこは全部開けました。

水吸って変形膨張したら開かなくなると聞いていたので、あちこち開けますが、やはり一晩浸かっていたからか開かないものもありました。

水バンバン巻いて泥を外に排出します。床下収納も蓋開けた途端中の箱が船の様に浮かび上がってきました。

と、妻から電話が。仕事だったけど、職場で帰れ帰れ言われたからそっち行くーとのこと。
何が必要か聞かれたので、死ぬほど雑巾もってこいと伝えました。

実家は、年寄りの普通の家庭なので道具?工具がほとんどありません。

私は建築業なので、ここでこのままで作業は、竹の割り箸で剣道するのと同じ。一度帰り武器を持ってくることにします。

そのことを告げると、自転車貸してあげると義母が。歩くよりはいいかと借りて一度帰路に。

来るときすごかったから、違う道で行こう、大通りなら歩道が一段上がってるだろうから走りやすいと考え、大通り方面から家にむかいましたが、これが大失敗。


写真の左側が歩道、右の植栽は中央分離帯
奥の車は立ち往生したのか誰も乗っていませんでした。

来た道よりも泥が深く、足も車輪も取られ、前に進むのも戻るのも大変。

前に一人自転車の人がいて、その人の友達らしき人が泥薄いところを教えてくれてなんとか抜け出しました。


家で一度自転車と体の泥を全部落とし、武器の準備をして再度出発。

借りた自転車も空気パンパンにいれ、武器をくくりつけて長靴にカッパ来て走っていると、被害にあってないとこでは何だあれーってな目で見られます

実家に再度到着。もう汗だく。


まずは床に溜まったドロをゴム付きのトンボでかっぱいでいきます。水流しながらバンバン外に出します。通路確保すると家具を外に出しますが、写真の通り貸してる駐車場にある車も水没して動かず、出すスペースが確保できません。

とりあえず庭に出していきますが、建て替えたときに庭を狭くしてしまったので、大した量だせません。

それ以前に、パニックになっている義父母が、これは使えるとか拭けばまだいけるとか、物に愛着行動がある性格なので、思うようにすすみません。

ことあるごとに、濡れた木製家財はカビと悪臭出るからやめましょうとなだめますが、これはこのままでいいとか、乾けばなんとかなるとか正常な判断が出来なくなっていて、出してもまた中に戻っていたりと作業が進みません。

ここで救世主到着。すぐ妻にこのことを言います。作業しながら義父母の相手は手が止まり進まないので、義父母の相手と家具へのあきらめを妻に頼みました。

最初は嫌がってた義父母も実の娘から言われて目が覚めたのか、自発的に物を出すようになってきました。

あらかた出せるものを出すと、車の持ち主から連絡が。翌日車屋に回収行かせるとのこと。

回収に手こずるとまた面倒なので、表の駐車場周りも泥をかっぱぎました。

そこへ妻側の次男の兄貴が到着。男手二人になったので、重いものバンバン外に出します。畳が古い厚みのあるタイプなので水吸って激重でした。

このへんで暗くなってきて、テスターで電気を確認。使えないのはホームエレベーターのみで、ほかは使える事を確認。暗い夜を過ごさなくていいようにして、私の母も昨晩ほとんど寝てない中、幼い娘の相手一日させているので、帰宅することにしました。

帰ると母が、見たことないぐらい疲れ切った顔して娘とご飯食べてました。一通り何があったかお互い話して解散しました。

妻も、家に帰ってきて落ち着いたのか、急にショックを受けてどーしよーとパニックになってました。

当分仕事どころではないなと、ネットであれこれ調べて、妻と明日の計画を話し、寝ました。


被災二日目。

朝八時頃に実家に向かいます。車がまだ止められないので、歩いて行きました。

妻にはご飯を作ってそれを持ってきてくれと伝え、一人で向かいます。

到着して間もなく車屋さんが車を取りに来ました。

車がどいた事で、作業効率がぐんと上がります。

庭に出していた家具を、路面沿い側にどんどん移動します。

置き場が広がったことで、まだ中にあるものが外へ出せます。

今日はゴミ袋も腐るほど持ってきたので、家具の中に閉じこもっている小物を全部出して行きます。膨らんで取れなくなった引き出しから何からバールでこじ開けて取り、義父母にいるものなのか捨てていいものなのかの判断を任せます。

案の定、ほぼすべているものになるんですが、ここでも私から、買えるものは捨ててください。とか、データとして残っているものは捨てましょうとか、いろいろ説明して捨てさせます。

嫁入り道具で持ってきたタンスとか、前日妻でも説得できなかったものはやはりなかなか牙城は崩せずそのまま作業を続けました。

あらかた家の中は泥と家具を出し切り、義父母に伝えます。罹災証明を取ろうとか、保険を確認しようとか。パニックで何も頭に浮かばないようなのであとから来た妻にそれをお願いし、今度は庭敷地内の泥をかっぱいでいきます。

夕方、通りが付近住人総出で洗ったおかげで車が通れるようになっていたので、一度帰り義父母を車で迎えにきました。うちのお風呂に入ってもらうためです。

娘はまた私の母親に見てもらっていました。


被災3日目

ゴミの回収が始まったとかどうとか噂が回ってきました。確かに来るとき回収車が走っているのが
見えたので現実味があります。

いるものいらないものの分別を続けていると、一発目の回収が。

一応金属と家電と大物と災害と別れてるみたいで、今回は分別できない災害ゴミを持っていってくれました。

スペースが出来たので、庭に流れ着いてきたものとか、不用品をまた道路側に出します。

玄関周りと塀、外壁を高圧洗浄します。

妻がまた、ご飯を持ってきたので食べひたすら掃除。

畳の部屋の床が全然乾かず、水中ポンプ借りてきて床下基礎に溜まった水を出していきます。

ここで限界を感じて、義父に業者呼ぶことを伝えます。水って抜かないとだめなの?なんて言葉も出てきましたが、抜かないとだめ。すべてが腐るそして臭いとカビがやばくなると教えます。

床下収納からしか中に入れず、見た感じ畳部屋が特にひどかったので、ひとまず畳の部屋だけは床を抜こうと提案します。お金のことを心配していましたが、有志を集めることにしました。

知り合いに電話し、多能大工を手配。後日来てもらいます。

床抜くのが決定したので、畳部屋の床一部くり抜きポンプを突っ込みました。

水抜いてる最中に回収車が回ってきました。

バンバンゴミを出していると年寄りの多い地域なので手前までだせない人も多数。

そういう人たちの物も含めバンバン回収車の中へ持っていきます。

普段会わないし話したことないような人でも、このときはお構いなし。みんなでバンバン運びます。

出せる分のゴミ出しが終わると、あらかた水が抜けていて今日は終わりにしました。

義両親を自宅に連れていき、お風呂を貸して送り届けて本日は完了。

4日目

一番上の義兄が来ると連絡が。昼くらいに来る予定でしたが、電車も車も大変みたいでなかなか到着せず。

その間に床の拭き掃除、家財の洗浄消毒。外部の泥出しや草花植木の伐採等進めます。

頼りになるはずの義兄も変わり果てた姿にただ呆然。粗大ごみの回収が来たので手伝ってもらいました。

自治体から銭湯の回数券や被災時のこととか聞きに義父はでかけていました。


妻は両親のものの洗濯、食事の用意等手伝っていました。

翌週にガスや通信業者の手配が済んで、業者が来始めればどんどん復帰に向かう感じになってきました。

ただ、家の中のなんとも言えない湿気臭さが抜けません。

明日知り合いの大工が見積もりに来ることに。

5日目。

朝大工と最寄り駅で合流。家まで連れてくると

やはり慣れている。

はいはい、床抜いて張り替えてほーほー

水抜いて消毒だね、へーへー

と、一時間くらい義両親の被災話に耳を傾けながらメモして終わり。

信頼している人なので、いつも通りの姿で安心

帰り際に、しゃーねーな。二度とこんな安さではできねー誰にも言えない特別価格でやってやるよ。と嬉しいこと言ってくれました。

後日談で言えば、義両親がその値段じゃ悪すぎて追加で払いますよ!って言っちゃうくらいの激安価格。間違いなく原価切り 笑

まぁ、その分私の仕事で稼いでもらうぞー!と、大工から念押しされているので、結果今後の私が払っているようなものですがw


5日目にもなるとだいぶ落ち着いてきて、周りからの激励や逆に周りの家と連携取れるようになってきました。

義両親も毎日立ちっぱなしの動きっぱなしで疲れてる感じなので、お昼頃に撤退。

これを機にパソコン買い換えるとのことで、田飲まれたパソコン買いにいってきました。

6日目

今日は流石に自分の仕事に行かないとと、現場へ向かっていると、義父から電話が。

義次兄が来ると言っているが何かやることあるのかと。

実際もう床さえ張り替え、乾燥させればいいとこなので、今日は久々に実子と買い物でもどーですか?と提案しといた。

冷蔵庫とか家電もやられているので、そこは流石に実の親子で行ってくださいと思い伝えました。

消費増税、そして災害、さらにもうすぐ年末で配送が遅延するだろうから、早めに買っておかないとなかなか来ないだろうと思ったら、来月中には来るとのこと。

大工に伝えると、マジかー!じゃ速攻出始めるわ。と、自分の現場を止めて来てくれました。

来週初めからやるわとのことで、義両親に連絡。

自分は、現場が昼過ぎに終わり義両親のもとにパソコンを持って行きました。なんだかすべて任したといわれ、パソコンの初期設定から何から何までやってよる帰宅。

帰宅すると粗大ゴミの回収が来て駐車場のもの全部なくなったー!と連絡が

妻は、ゴクローサン。と疲れた顔で言ってました


7日目日曜日

雨予報だったので、速攻で家に向かい雨降りの中庭と車庫の洗浄しに!

高圧洗浄機を持っている私は、外道路と車庫、庭壁玄関と洗って昼過ぎに終了。

何度洗っても道路の洗浄が終わらないと泥をいつまでも引っ張ってきます。

道路は自治体が洗浄してくれていましたが、結局車やらか引っ張ってくるので何度かこれもやらないと駄目みたいです。

午後はパソコンのデータ写しをやって妻は相変わらず洗濯と掃除。

だいぶきれいになりました。

8日目月曜

大工が朝から床抜いたり水抜いたり洗浄したりして、昼過ぎに作業終わり。だいぶドロとか溜まっていましたが、すっかり綺麗になりました。火曜から床やるかと思いきや、帰った頃に電話が。

納得いかない。もう一度洗う。とのこと。

土曜にもう一度道具揃えて行くから。不便かけるけどよろしくだそう。追加料金なし!

キレイになるなら全然構いませんw

この週からはだんだんと生活になれてきたみたいです。


土曜日。水かけながらガンガン洗っていきます。

見た目きれいなのに、流す水は泥だらけ。なるほどー



どんどん泥水が奥から出てきます。

数日このまま乾かして



消石灰をまんべんなくまき




床を貼っていきます。

手際のいいことw

そしていま現在は床も元通りになり、頼んでないのに建具も全部直してくれて不具合といえば、水没した床暖とエレベーターが使えないだけで、ほかはほぼ元通り。家電類を待っている状態です。

ほんとに、水害だけではないでしょうけど災害ってのは厄介でした。

自分以外の他の仕事も止まり、家族総出でやらないとほんとに大変です。

国や自治体の助けも、助かったー!と思うものもあれば、なんでー?って思うものもあり、結果なんでー?のほうが大きいですね。

役所の対応も、すぐ行くよりも少し落ち着いてから行くほうが吉。

写真もってこい、スマホじゃだめだと言われ、自宅含め近隣のコンビニが水没していて、どーやって写真印刷すんだー?って。
結果数人後にはスマホでオッケーと変わっている。

その頃には行列がズラーッとなってて、何なんだよってなったり。

こういう統一性のないことが起こりまくるので、少し時間おいてからのほうがいいことが身にしみました。

うちは私が建築建設系の業界にいたので、電気家具家財建物の知識や道具工具副資材が豊富にありました。自治体から出されるゴミ入れの土嚢も配布される前に何百枚もあり、掃除から洗浄の物もすべてありました。
妻は職場の関係で消毒系や洗剤、ゴム手やら雑巾やら持ってきて自治体が配布し始めるだいぶ前から消毒できました。近所に配るくらいあったのであげまくりました。
こんなこともあり、回復はかなり早いほうだと思います。

逆に言えば、親族や近所にこういう関係者がいない場合は苦労すると思います。


自分自体もはじめての経験で右往左往しながらも、すごく勉強になったことだと思います。

あんなにパニクってオロオロして見えた義母。

ちなみに、床上浸水の高さは63センチ。

マジックで知らぬ間に浸水の高さにマークしてた義母。


母は強しと改めて思いました。


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