富士山開山

　早いもので今日で今年も後半戦に入った。多くの山がそうであるように富士山が今日、開山した。まあ、開山と言ったって、１年中いつでも登ることは出来る。ただ冬の富士は生中な覚悟で登れる山ではないが。
　今年はまだ山頂部に雪が残っていて、今日現在山頂まで通じているのは須走と御殿場の２ルートだけだ。今日はあいにくの天気で、ご来光は望めなかったようだが、ご来光は早朝４時台だ。だから、その時間に山頂にいた登山客は、間違いなく昨日のうちに山頂付近まで登って山小屋に泊まったのだろう。
　さて、開山して本格的に山小屋が営業を開始したが、そうなると夜空に黒々とそびえる富士山の上の方に、点々と山小屋の明かりが見える。それと知らないと奇妙に並んだ星空に見えなくもない。

　富士山の御殿場口登山道の山頂付近に浅間（「せんげん」と読むのだ）神社の奥宮がある。そこに御殿場郵便局の山頂支局が今月１０日あたりから開設される。取り扱いは郵便のみで貯金業務はしていない。まあ、山頂じゃ現金のやりとりなどは問題があるので当たり前なのだが、ここで葉書を出すと専用の風景印を消印で押してくれるので、かなり苦労した暑中見舞いなどを出すことが出来る。８月の下旬迄の期間限定営業だ。この間、局員は何日か交代で山頂に泊まり込んで仕事をするのだ。夏場の山頂は水がなく、もちろん風呂など無い。夜間は気温も低く、なかなか大変だろう。同様に山小屋や奥宮の神職なども８月末まで泊まり込みで、山頂には御殿場口と須走口の２カ所に小さな天空の町が形成されるのだ。