詐欺拠点となっているタイとの国境に近いミャンマーにある都市に注目が集まっている。
報道内容によると地域はまさに映画に登場してくるような犯罪都市で、中国人マフィアがその主導権を握っていて人口は1万人近く。
そのほとんどが強制的にこの都市で働かせられている外国人だ。
もちろん日本人も含まれている。
この都市は犯罪者集団で構成される武装集団によって警護されている。
従って監禁されて犯罪の手足となって働く者たちは容易に脱出することができない。
できないばかりか反抗のいを示したり、脱出逃亡しようとしたら拷問されたり殺されたりするというのだ。
まさにフィクションのようなノンフィクションなのだ。
ところで、この都市はどこにあるのか。
ニュースを見ても新聞を読んでも単にミャンマーとタイの国境付近とされているだけで詳細の場所は書かれていない。
ミャンマーには過去6回渡航してミャンマー人の友人もいる私としては大いに気になっているところだった。
で、調べてみるとミャンマーのカレン州ミヤワディという街のなかに、この犯罪都市は位置するという。
こんなところ私は行ったことはない。
私が訪問した2004年から2007年にかけてもカレン州はカレン民族戦線という反政府主義者がおり容易に旅行することはできない、と言われていたところだ。
ところがカレン州と接するタイ側には、それなりに近いところまで行ったことがあり、地図を見ていて今回知ることとなった。
タイ王国発祥の地スコータイ。
このスコータイへは一度行ったことがある。
タイの第二の都市チェンマイからは観光バスによる日帰りツアーがある。
私が行ったときもJTBのバスが駐車場に停まっていて日本人観光客がちらほらしていた。
バンコクからとなると日帰りは難しい。
私は飛行機でバンコクの国際空港から飛行機でピサヌロークという街に飛んで、そこまでホテルの車に迎えに来てもらってスコータイへ向かった。
バンコクからピサヌロークは飛行時間40分ほどで、ピサヌロークからスコータイへは車で田舎道をぶっ飛ばして1時間少し。
スコータイにも空港があるが、当時はバンコクからのエアーバンコクのチケットがめちゃ高く、私は比較的安かったタイ航空のピサヌローク便を選んだのだった。
このピサヌロークからスコータイは方向にして西。
この西に向かってスコータイを通過してピサヌロークからスコータイと同じような所要時間を走ったところが、今回の問題になっている国境地帯ということになる。
恐らくバンコクから自動車で直接行くと朝出発して夕方到着というような距離感だと思われる。
従ってミャンマーでもヤンゴンから見るとカチン州の奥深くにある。
ただミャンマーとタイを結ぶ幹線道路が通っており、近年は物流ルートになっているのではないかと思われるエリアだ。
ただかつて日本が作った泰緬鉄道の路線とも大きく異なり、恐らくタイに住んでいる人にとっても最近まであまり馴染みのないところだったんじゃないかと思えるのだ。
馴染がないからこそ犯罪都市が作られたのだと思う。
メディアの中にはゴールデントライアングルにある犯罪都市と伝えているところもあるが、ゴールデントライアングルはタイ、ミャンマー、ラオスの国境地域でメコン川が流れていて今回のエリアとは全くことなる。
メディアはいい加減だ。
ということで、ミャンマーの地方の無政府状態が今回の事態を招いているのか、はたまたタイの地方行政がヤクザと共謀しているのがバレたので慌てているのか、定かではないが東南アジアの盟主であるはずのタイにしてもこのような事件の片棒を担いでいる雰囲気がある、まだまだとしか言いようのない悲しさがある。
とはいえ、日本人もこの都市で犯罪に走っているわけだから対岸の火事で済ませられるものでないことは間違いなのだ。