ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

さみだれ

2012年05月02日 | 文学

 千葉県は朝からどんよりとした雲に覆われ、時折雨がぱらつています。

 五月雨かな、と一瞬思いましたが、五月雨は陰暦の5月、今で言うと6月後半から7月前半にふる雨のことですから、私たちの季節感でいうと、梅雨をさしているものと思われます。

 こういうことはよくあって、正月を初春などと言うと、真冬じゃぼけ、と思いますが、陰暦での正月は2月も後半ということですから、そろそろ梅が開き始めるかという頃。
 初春という表現も頷けます。

 してみると、下の藤原定家の和歌も、趣深く感じられます。

 五月雨の 月はつれなき み山より ひとりもいづる 郭公かな 

 梅雨どき、月はつれないことにその姿を見せてはくれないが、山からホトトギスの鳴き声がして、趣深く感じられる、といったほどの意でしょうか。

 では、下の蕪村の句はどうでしょうか。
 
 さみだれや 大河を前に 家二軒

 さみだれや 名もなき川の おそろしき

 梅雨どきの自然の恐ろしさを静かに暗示して秀逸です。 

 幸いにして、雨は明日までで、あさってからはよく晴れるそうです。
 明日からの4連休、後半が行楽日和と見えます。

 小さな楽しみを、しっかりと楽しみましょう。



蕪村句集 現代語訳付き     (角川ソフィア文庫)
玉城 司
角川学芸出版
新古今和歌集〈上〉 (角川ソフィア文庫)
久保田 淳
角川学芸出版



新古今和歌集〈下〉 (角川ソフィア文庫)
久保田 淳
角川学芸出版

にほんブログ村 本ブログ 純文学へ
にほんブログ村


本・書籍 ブログランキングへ

↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い


この記事についてブログを書く
« ウサマ・ビン・ラディン殺害... | トップ | コーラン焼却 »
最新の画像もっと見る

文学」カテゴリの最新記事