東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

月光のシンプルさ

2019年12月14日 18時07分12秒 | レース反省

こんばんは、仰秀2年の落合です。

遅くなりましたが、先週行われて、私が月光チームの一員として参加した関東フリートレースについて書かせて頂きます。

 

9月の全日本までバウマンで、代替わり後、基本はトリマーの練習をし、最近は新メンバーの太朗さんと交互で練習するためピットなどの実はあまりやったことのないポジションを練習したりもしています。そして今回は月光に派遣してもらい、「仰秀の正バウマンは他のどこのチームのバウマンより上手くなければならない、何故なら仰秀ほど多く海に出て練習しているチームは無いのだから。昔からそうなんだよ」という元仰秀トリマーで現月光トリマーの宮本大先輩の言葉により、畏れ多くも月光のバウマンを務めることになりました。

実際に月光ハウスに行くまでは、それはもうフラフラになるほど緊張していましたが、月光の皆さんは優しく、時にからかいながら、私が落ち着いて実力を発揮できるようにしっかり精神面で導いてくれました。まずはそこが流石でした。

今回の月光は前から、私、ミッキーさん(海洋大修士)、庄崎さん(よく月光に乗りにいらっしゃるらしい女性)、畠山さん(いつもお世話になっています、私にヒッピーの名を与えて下さいました)、宮本さん、松山さん(元仰秀ヘルムスマン)、という仰秀感の濃い顔ぶれでした。もはや伝説である仰秀の大先輩のお二人と乗るのは初めてでしたが、何とも自然体で、楽しいセーリングでした。

後から聞きましたら、月光から見ると仰秀の艇内はまるで絶叫マシンのように皆が口々に叫んでいてうるさいとのことですが、確かに月光に乗ってから思い返すとそうだと認めざるを得ません。今は特に気合が空回りしている印象です。個々人が自分の仕事に一杯一杯であるので仕方ありません。自分について言えば、無駄にきょろきょろして何をすべきか整理できていません。メンバーのヨット力は、こうしてチームの雰囲気につながっているのだなと実感した次第です。

 

さて、いつもと違って油壺湾から新鮮な気持ちで出艇しますと、前日の雨と寒さとは打って変わって快晴、45m/sの北東風が安定して吹くレース海面に着きました。空気は澄んで清々しく、雪を戴く悠然とした富士の姿が見られました。

ここではレース中に感じた月光と仰秀の違いを簡単に紹介します。

何より印象的だったのは、レース展開を大きく考え、遠くの風を見てコースを決めるという意識が艇内に共有されていたことです。仰秀では、タクティシャンの中野はそのように考えているとしても、他のメンバーは目の前のブローと動作に集中して、先の展開や遠くの風について会話することは殆どありませんでした。やはり理想は、一人一人が大局観をもってレースに参加できていることです。冬のオフシーズンの課題として、各人が最低限のタクティシャン的能力を身につけることを挙げたいと思います。

他にも多くのことを勉強させてもらいましたが、ここでは割愛させて頂きます。これからチーム内で共有し、しっかり消化したいと思います。

 

それにしても、今年最後のレースを断ピンで飾れたのは気持ちよかったです。しかも勝った時に、何か特別なことや難しいことをしたような気がしなかったことには驚きました。もちろんコースを引いていた畠山さんや、後ろのお二人の頭の中では、様々な経験に基づいた、自分たちからしたら難しい思考があり、微妙な線での判断がなされていたのでしょうが、結果として為していた事はとてもシンプルで、私にとっても分かりやすいものでした。これが強いチームか、と一人で感慨に耽っていました。あんなに怯えていたけど、月光に乗ることにして良かった、本当にありがとうございました、楽しかったです…と呟きながら合宿所に向かう心中に、一週間後、納会前の大掃除に寝坊して、船底掃除という名の寒中水泳行に臨むことになろうなどという予想が、これっぽっちもあったでしょうか。

それでは皆様、くれぐれもご自愛下さいませ。

 

仰秀2落合輝


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