お世話になっております。新3年スナイプスキッパーの吉武です。先日、京都大学の合宿にお邪魔させていただきましたので、そのことについてつらつらと述べさせていただきます。
京都大学ヨット部は昨年スナイプが全日本インカレ団体戦で準優勝し、バルクヘッドマガジンなど各方面から絶賛されている「今キテる」チームです。セレクションのない国立大学が、セレクションしかいない私立大学と互角に渡り合うことの難しさは日々感じているだけに、我々と何が違うのかということは日々考えるところとなっています。このような状況で「双青戦(東大と京大の定期戦。多くの運動部が行なっている)っぽいことやりたくね?」というフワッとした理由でお邪魔させていただくことができるというのは大変幸運でした。
ところで、私は常日頃から「クルーが船を動かす」ということを意識しております。スキッパーですが。これは何も私がスピードだけに集中するマンになるということではありません。詳細についてはいずれまた書こうと思っておりますが、スキッパーだけが船を動かすのではなく、クルーが見て聞いて感じた情報をもとに船を走らせられたら速いはずだ、ということです。私は経験者ですのでともすれば下級生のクルーはスキッパーに萎縮してしまいますが、そのような状況に陥ってしまったら速く船を走らせることは私にはできません。
全日本インカレ団体戦の後、京大ヨット部現スナイプリーダーの長塚さんが「未経験者スキッパーが大半を占める国立大では、クルーが船を支配するべきだ」と仰っていたのは、私がそのように考えるようになったきっかけとなりました。
ですので私は、「京大のクルー」を学ぶ為に、琵琶湖へ向かいました。
大変有り難いことに、私が琵琶湖にいた期間、京大のクルーの方と同乗して練習に参加させていただくことができました。動作は大学ごとに文化がございますので、序盤にタックやジャイブの息が合わないのは織り込み済みです。動作練習の中で2人の中でどちらも腑に落ちるような動作を目指すことを日々の目標にして練習をしました。
京大生が議論付きだと予備校時代の恩師がよく言っておりましたが、本当なのでしょう。京大のクルーはよく喋っていました。自分の動作の中でのこだわりと、妥協できる点。理想のベアと今のベアがどれくらい乖離しているか。ブローとフレの予想。
もちろんどれほど喋るかは人によります。しかし最も喋らないであろう一年生でも、「まだまだ自分はそんな段階にない」と謙遜しながらも自分の思ったことはバンバン意見していました。
おそらく、ここが東大と京大の1番の違いです。
クルーはできるだけ喋ることと、スキッパーはクルーに喋らせること。これが重要だとは「知って」いました。しかし競技中にはつい忘れがちになります。
関東でのレースでは、圧倒的なヨット力を持つスキッパーがその圧倒的な力をもってレースを制す光景をよく見ます。マーク付近ではミスをしたクルーに怒号を浴びせる光景さえ見ます。そんな場所にいればクルーに喋らせることなど、「そんな瑣末なことを」と思ってしまいます。熱いレースが展開されているとクルーからもたらされる折角の情報なのに「うるさいなあ」と思ってしまうこともあります。
あの恩師が「ビジネスライクな学友」と評した東大生の特徴なのか、はたまたレースのほかの艇の光景が原因なのかはわかりません。もっとほかの理由があるのかもしれません。いずれにしても、東大生のクルーは、レースになれば静かになります。
どげんかせんといかんとです。
喋らせることと良く聞くこと。結局シンプルだけど一番大事なことを再認識した、3日間でした。
最後になりましたが、京都大学ヨット部の皆様、ありがとうございました。
新3年 スナイプスキッパー
吉武宗浩
京都大学ヨット部は昨年スナイプが全日本インカレ団体戦で準優勝し、バルクヘッドマガジンなど各方面から絶賛されている「今キテる」チームです。セレクションのない国立大学が、セレクションしかいない私立大学と互角に渡り合うことの難しさは日々感じているだけに、我々と何が違うのかということは日々考えるところとなっています。このような状況で「双青戦(東大と京大の定期戦。多くの運動部が行なっている)っぽいことやりたくね?」というフワッとした理由でお邪魔させていただくことができるというのは大変幸運でした。
ところで、私は常日頃から「クルーが船を動かす」ということを意識しております。スキッパーですが。これは何も私がスピードだけに集中するマンになるということではありません。詳細についてはいずれまた書こうと思っておりますが、スキッパーだけが船を動かすのではなく、クルーが見て聞いて感じた情報をもとに船を走らせられたら速いはずだ、ということです。私は経験者ですのでともすれば下級生のクルーはスキッパーに萎縮してしまいますが、そのような状況に陥ってしまったら速く船を走らせることは私にはできません。
全日本インカレ団体戦の後、京大ヨット部現スナイプリーダーの長塚さんが「未経験者スキッパーが大半を占める国立大では、クルーが船を支配するべきだ」と仰っていたのは、私がそのように考えるようになったきっかけとなりました。
ですので私は、「京大のクルー」を学ぶ為に、琵琶湖へ向かいました。
大変有り難いことに、私が琵琶湖にいた期間、京大のクルーの方と同乗して練習に参加させていただくことができました。動作は大学ごとに文化がございますので、序盤にタックやジャイブの息が合わないのは織り込み済みです。動作練習の中で2人の中でどちらも腑に落ちるような動作を目指すことを日々の目標にして練習をしました。
京大生が議論付きだと予備校時代の恩師がよく言っておりましたが、本当なのでしょう。京大のクルーはよく喋っていました。自分の動作の中でのこだわりと、妥協できる点。理想のベアと今のベアがどれくらい乖離しているか。ブローとフレの予想。
もちろんどれほど喋るかは人によります。しかし最も喋らないであろう一年生でも、「まだまだ自分はそんな段階にない」と謙遜しながらも自分の思ったことはバンバン意見していました。
おそらく、ここが東大と京大の1番の違いです。
クルーはできるだけ喋ることと、スキッパーはクルーに喋らせること。これが重要だとは「知って」いました。しかし競技中にはつい忘れがちになります。
関東でのレースでは、圧倒的なヨット力を持つスキッパーがその圧倒的な力をもってレースを制す光景をよく見ます。マーク付近ではミスをしたクルーに怒号を浴びせる光景さえ見ます。そんな場所にいればクルーに喋らせることなど、「そんな瑣末なことを」と思ってしまいます。熱いレースが展開されているとクルーからもたらされる折角の情報なのに「うるさいなあ」と思ってしまうこともあります。
あの恩師が「ビジネスライクな学友」と評した東大生の特徴なのか、はたまたレースのほかの艇の光景が原因なのかはわかりません。もっとほかの理由があるのかもしれません。いずれにしても、東大生のクルーは、レースになれば静かになります。
どげんかせんといかんとです。
喋らせることと良く聞くこと。結局シンプルだけど一番大事なことを再認識した、3日間でした。
最後になりましたが、京都大学ヨット部の皆様、ありがとうございました。
新3年 スナイプスキッパー
吉武宗浩
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