□パートナーシップ・ライブラリー□
□新着書籍□
◇『自然産業の世紀』
アミタ持続可能経済研究所 著
発行:創森社 発行年:2006年6月 価格:1,800円(税別)
拡大再生産の経済メカニズムが分断してしまった"人と自然"、"人と人"、"農
林水産業と衣食住"のつながり。著者達は、林産物や水産物の持続可能性認証の
仕組みや、環境保全型農業、オーガニックコットン認証などを通して、自然資源
を持続的に利用し発展させる「自然産業」を通した「つながりの再構築」に挑戦
する。現場から考え、行動する「Do-Tank」を目指す研究所の問題提起と実践事
例。 (関根彩子@EPO)
□NPOライブラリー□
◇『環境共同体としての日中韓』
寺西俊一監修 東アジア環境情報発伝所編 集英社新書
価格:700円(税別) 発行年:2006年1月
公害、化学物質、ごみ問題・・・。日本と中国、韓国は環境問題を共有してい
る。それぞれの国の環境汚染が、他国に越境被害をもたらしているのだ。著者は
本書冒頭において、「開かれた地域共同主義」にもとづく「環境コモンズ」の相
互協力的な共同管理を、最優先すべき「地域共通利益」と考え、日中韓による共
同した取り組みの必要性を唱えている。
例えば、本書において提唱されている事の一つに、食の安全や風土を保つ意味
でも「日中韓で農薬中毒と農薬による環境汚染防止のプロジェクト」を行う、と
いうものがある。農薬による被害は、汚染された作物を消費する者のみならず、
作物を育てる土壌や河川といった風土にも影響を与えるため、それを輸出入する
双方に被害が出るという構図があるのだ。こうした悪影響を相互に生じさせない
ためにも、また、私たちが安心して暮らせる環境を築いていくためにも、国を越
えて協力して対応するという「環境共同体としての日中韓」という関係が、今後
益々重要になっていくことを実感できる一冊だ。 (須藤美智子@GEIC)