有機JASに関する玉ねぎ育苗培土について 引用です

2006-11-29 21:41:54 | Weblog


 有機玉ねぎを栽培して25年目になります。
 1994年より、みのる培土を使用した機械移植にして12年目になります。手植えのときは、1日2~2.5a/人程度の能率で(苗取りも含む)1ha延べ40~50人位必要でした。人の確保は大変で、作業日数もかかりました。
 栽培の過程において、移植期のタマネギバエの発生が重大な問題になっています。使用する肥料も、ハエを誘発させるものばかりです。
 第1回目の発生は、気温に関係していて桜開花後、約2週間後ほどと推測されます。ここ富良野では、5月末頃に発生していましたが、近年の温暖化の影響で5月中旬頃に変化しています。
 第2回目以降の発生時は、活着しているので部分的にしか寄生しないようで、被害は広がりません。手植えのときは時間がかかり、天候が悪くて作業日数がかかり遅れてしまったときは、大発生し幼虫になって食害されていることに気付く6月中旬頃には壊滅状態になり、廃耕した経験が何度かありました。
 その経験から、出来る限りタマネギバエの発生前に移植活着が必要です。移植能力によって、栽培面積が限られてしまいます。機械移植であれば、1日50a~1ha位の面積が可能となり、タマネギバエによるリスクは少なくなります。機械移植にしてからは、部分的な被害はありますが、廃耕することはなくなりました。
 北海道の玉ねぎの90%位は、マット式のポット苗移植です。稲と同様のマットを使用しますが、稲の場合は根の性質性、根が絡み合って普通の土でもマットの中のポットが形成され、1株のポットが崩れずポット苗移植が可能ですが、
玉ねぎの場合、根数のことや根が直毛ということで、玉ねぎ自身でのポット化は無理となります。「みのるKK」が開発した、バインダー方式(のり剤)によってポット化が可能になり、機械化が進みました。2002年に「片倉KK」にお願いして、無肥料の試験栽培が始まり、2004年から「みのるKK」にお願いして、ロットや生産コストを考えながら製造が始まり、2006年には約6000袋(20㎏)、面積にして約120ha分、この他に一般の培土使用の方に育苗を依託している生産者のことをカウントすると、北海道での有機玉ねぎの90%位の方は、みのるの玉ねぎ培土を必要としています。
 こちらの事情ではありますが、お伝えすることによって、北海道の有機玉ねぎの現状をご理解いただきたくペンを取りました。
 今後、関係機関の協力をあおぎ、メーカーにもJAS基準にあった資材の開発をお願いしていきたいと思います。
 制約の多い、選択肢の少ない有機栽培ですが、生産者が生産意欲を持ち、畑に向き合える環境作りにお力をおかし下さい。
 よろしくお願いします。

2006年11月29日
北海道富良野市南麓郷3
阪井永典

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