令和2年6月12日、ニュースを聞いていたら、山口県の町役場で固定資産の課税ミスを“内部告発”した職員が、パワハラを受けて町史編纂室の一人部屋に押し込まれたことを報じていた。
このことで県内外から「報復人事だ!」などとの抗議電話が殺到し、役場が混乱に陥っている。抗議の中には、役場を爆弾予告するハガキもあり、一時、避難する事態にもなったらしい。
町長の言葉では、内部告発した職人を一人部屋に押し込んだことに対して、「隔離ではなく他の職員を守るために必要だった」と言っている。
パワハラの真相は、後日、明らかにされると思うが、この内部告発(リーク)では、まわりにいた職員が何らかの対処をしていれば、このような大きな事態にはならなかったのではないかと思われる。
内部告発した人が、もしこのような事態を招けば組織は改善されないし、組織内に悪行がはびこることになりかねない。
日本人の悪いところだが、見て見ない振りする図々しい人間が多すぎる。一概に、見てみない振りすることが悪いとは言わないが、外国人から見て不思議なことは、このような日本人特有の行動かも知れない。
一方、アメリカのように損害賠償請求の訴訟が多い国も、どうかとも思う。自由だから、何でも行なっても良いというわけにはならない。
アメリカ人の訴訟行動に対して、損しなければよいと思って行動することに対して、恐ろしさを感じる。さすがに、自由国家のアメリカであるが、どちらかというとアメリカ人は権利を最優先に主張し、日本人は義務も果たす人が多いと思う。
アメリカ人にせよ、日本人にせよ、極端な偏りをせず中庸が大切である。中庸とは、中途半端や足して二で割るというものではない
「十勝の活性化を考える会」会長
注) 中庸
中庸とは、儒教において、「四書」の一つであり、またその中心的概念の一つである。
「中庸」という言葉は、『論語』のなかで、「中庸の徳たるや、それ至れるかな」と孔子に賛嘆されたのが文献初出と言われている。それから儒学の伝統的な中心概念として尊重されてきた。
だがその論語の後段には、「民に少なくなって久しい」と言われ、この「過不足なく偏りのない」徳は修得者が少ない高度な概念でもある。
古代ギリシャでは、アリストテレスの「メソテース」という言葉でそれを倫理学上の一つの徳目として尊重している。また、仏教の中道と通じる面があるとも言われるが、仏教学者によれば違う概念であるという。
現在「四書」の一つとして広く知られている『中庸』は、もともと『礼記』中の一篇、すなわち礼記中庸篇として伝えられてきたものである。
司馬遷の『史記』では、中庸は子思の作であるとされており、これが通説となっている。しかし、戦国時代の無名の儒家の著作であるという説や、『大学』同様『子思子』の一篇だったのではないかという説もあり、成立及び作者は諸説が存在している。古くから有名な作品として人々に読まれてきた。
『大学』が四書の入門であるのに対し、『中庸』は四書の中で最後に読むべきものとされ、初めて『中庸』を表彰したのは南朝宋の戴顒(378~441)であるとされている。彼が『礼記中庸伝』を書いた。
宋代になると、有名な学者、政治家などが次々と『中庸』の注釈を著した。司馬光、范祖禹、蘇軾、程顥、著名な人びとの専著は十指にのぼる。この中で、もっとも知られているのは朱子の『中庸章句』である。
『中庸』の内容
『中庸』では、「中庸」の徳をくわしく解説している。
しかし、『中庸』は、「中庸」以外に、「誠」、「性」、「道」、「慎独」など多くの概念についても述べている。この中で、「誠」は「中庸」よりも一層重要な概念であることも言われている。
『中庸』の「中庸」
「中庸」の『中』とは、偏らない、しかし、決して大小や上下の中間を取りさえすればよいという意味ではない。
よく、「中途半端」や「50対50の真ん中」と混同されている。中間、平均値、足して2で割るというものではない。常に、その時々の物事を判断する上でどちらにも偏らず、かつ通常の感覚でも理解できるものである。
『庸』については、朱子は「庸、平常也」として、『庸』を「平常」と解釈しており、鄭玄は「・・・庸猶常也言徳常行也言常謹也」として『庸』を「常」と解釈している。『庸』が「常」という意味を含んでいることは二人とも指摘している。
現在、多くの学者たちは、『庸』が「優れた点や変わった点を持たない」と「平常」との両方の意味を含んでいると見ているほか、『庸』は「用」であるという説もある。つまり、中の道を「用いる」という意味だというのである。
中庸の徳を常に発揮することは聖人でも難しい半面、学問をした人間にしか発揮できないものではなく、誰にでも発揮することの出来るものでもある。
恒常的にいつも発揮することが、難しいことから、中庸は儒教の倫理学的な側面における行為の基準をなす最高概念であるとされる。
(出典:『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)
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