腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



不覚でした。

昨夜、テレビのチャンネルをザッピングしていて、結局セ・リーグもパ・リーグも日本シリーズ進出決定の瞬間を見逃してしまった...

ま、別にええけどね。


朝夕グッと寒くなってきました。

そろそろ暖房をつけないと足元が冷えます。


「お洒落と寒さは足元から」


よろしくどうぞ。


今朝ご来店のお客様(おじいちゃん)との会話。

おじいちゃん「ベルト(金属製)が千切れたから交換してえな」

店主「はい、かしこまりました」

おじいちゃんの持って来られた時計のベルトは金属製ですが、ゴムのように伸び縮みするエバータイプのベルト。

思いっ切りガムテープでグルグル巻き状態でした。

店主「同じような伸び縮みするのでしたら、こちらです」

と3種類をトレーに出しました。

おじいちゃん「これやと、またすぐ切れるかな?」

店主「すぐってことはないと思いますけど、無理矢理引っ張ると千切れちゃいますよ」

おじいちゃん「ほなら、こっちの方がええかな」

一般的な駒タイプの金属ブレスを指さしました。

店主「そうですね、強さだとこっちの方が強いかもしれません」

おじいちゃん「じゃあ、こっちにして」

店主「かしこまりました。お掛けになってお待ちくださいませ」

ガムテが巻かれたエバータイプを外して、新しいブレスタイプの金属ベルトを取り付けました。

これが外したエバータイプのベルト↓



問題はここからです。


店主「こんな感じに仕上がりました。サイズ調整しますので、一度腕に着けてみてください」

おじいちゃんが時計を腕に着けました。

おじいちゃん「こんなもんかな?どやろ?」

店主「どうですか?緩いですか?きついですか?」

おじいちゃん「そやなぁ...もうちょっとかな」

店主「緩いです?」

おじいちゃん「そやね、どんな感じやろ?」

店主「駒外してみましょか?」

おじいちゃん「これでええかな?どう思う?」

...

店主「いや、今着けてる感じがそれで良いかどうかは僕は分からないので、ちょっと緩いとかちょっときつ過ぎるとか言ってもらえれば調整させていただきますよ」

おじいちゃん「もうちょっとかなー」

店主「もうちょっと緩い? もうちょっときつい?」

おじいちゃん「もうちょっと」

店主「もうちょっと...どっちです?」


おじいちゃん「これでええわ」

!!

店主「え!? サイズ調整しなくても大丈夫ですか?」

おじいちゃん「うん、こんなもんやろ」

店主「あ、あぁ、そ、そうですか...また着けててサイズがちょっと違うなと思ったら、いつでも来てください。調整しますので」

おじいちゃん「あぁ、頼むわな」


「もうちょっと」って何だったんだろう...


では、修理品のご紹介。
こちら↓

ブルガリ ディアゴノ Ref.LCV29S クォーツ

大阪市鶴見区在住のM様所有。
分解掃除、回路コイル交換、電池交換、パッキン交換、防水検査を行いました。

ブルガリのスポーツライン、ディアゴノのボーイズサイズのクォーツモデルです。
2013年1月に一度お預かりしていて、今回が2度目のご依頼となりました。
いつもご贔屓にありがとうございます。
電池交換しても動かないということで回路交換を要しました。
M様大事にお使いくださいませ。


金属ベルトの腕回りのサイズ、決めるのはお客様で調整するのは私、腕時計修理専門店トゥールビヨン店主
私が「もっときつくした方が」「もっと緩めがいいですよ」とは言えない。

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