最近、涼しくなってきたと思ったら今日は、ふたたび蒸し蒸しする一日だ。
こんな日は不調だ。体調が。
頭がぼんやりするし眠気もくる。
正確には頭がぼんやりしたい。
さらには、心も体もぼんやりしたい。
ずっと前に、病で寝ていた。ずっと。
雨の音を聞いていた。
人はぼんやりしていないと
正常でありながらどこかが狂ってしまうのではない。
くれないの二尺のびたる薔薇の芽の針やわらかに春雨ぞ降る 子規
雨の日、昔昔のこと、ずっと歩いていた。
ここは誰の家。
つつましい家があって、そこの女の子は同級生で、別の高校に行ってしまった。
小さな庭があって薔薇が植えてある。
自分は馬鹿のような受験勉強に、半分わざと馬鹿のように取り組んでいる。
この時点で勉強していても幸福になる必然性はない。
というか、教科書をめくるのが一番安い生活である。
だからビートルズも知らないし、今も知る必要も無い。
リヴァプールのビートルズを知るより、16世紀のイギリスの音楽の方がよほどすごい。
しかし、どうもそんなことを知らないとまともに学校生活を送ることができない。
そんな大学生の生活を半分しているのが偉いような時代。
よくよく思うに、大学生は当時ほんとに勉強してなかった気がする。
だから僕たちは、大学にはいってずっと、働いている若者たちに済まないと思っていた。
そういう思いが研究に熱中させた。
どこにいても馬鹿だし、いつも馬鹿だし、今も馬鹿だ。
昔、若者が働いていた倉庫群は、今は半分解体して残りは葬儀屋さんとか、コンビニとか、釣り具用品店などになった。
コンピュータリゼーションのなかで、昔ながらの昔気質の若者もなくなってしまった。
そういう自分も今やコンピューターの奴隷である。
僕は夏に弱い。
ついでに夏に弱すぎて仕事をためこんでしまった。
最近すずしくて仕事はかどると思っていたら、今日はまた雨で蒸し蒸しする。
体調も悪い。
a rose in the rain 雨に濡れ 咲く薔薇 おまえの涙 布袋寅泰
薔薇と雨か。
昔、誰かと いつか薔薇を見るときもあったのではないか。
という無い過去への幻想。
あった過去ではなく、無い過去への幻想をいつもつむいでいる。
美しい人に、なぜ美しいのと尋ねたらどう答えるのだろうか。
無い過去ならば、せめて無い現在にしてほしい。
何もない、ただぼんやりしていたい。
薔薇は自分には似合わない。
子規のこのうたは雅なのだろうか。
せめて竹林のなかで、無い過去をつむぎ、無い現在をつむいでいたい。
こんな日は不調だ。体調が。
頭がぼんやりするし眠気もくる。
正確には頭がぼんやりしたい。
さらには、心も体もぼんやりしたい。
ずっと前に、病で寝ていた。ずっと。
雨の音を聞いていた。
人はぼんやりしていないと
正常でありながらどこかが狂ってしまうのではない。
くれないの二尺のびたる薔薇の芽の針やわらかに春雨ぞ降る 子規
雨の日、昔昔のこと、ずっと歩いていた。
ここは誰の家。
つつましい家があって、そこの女の子は同級生で、別の高校に行ってしまった。
小さな庭があって薔薇が植えてある。
自分は馬鹿のような受験勉強に、半分わざと馬鹿のように取り組んでいる。
この時点で勉強していても幸福になる必然性はない。
というか、教科書をめくるのが一番安い生活である。
だからビートルズも知らないし、今も知る必要も無い。
リヴァプールのビートルズを知るより、16世紀のイギリスの音楽の方がよほどすごい。
しかし、どうもそんなことを知らないとまともに学校生活を送ることができない。
そんな大学生の生活を半分しているのが偉いような時代。
よくよく思うに、大学生は当時ほんとに勉強してなかった気がする。
だから僕たちは、大学にはいってずっと、働いている若者たちに済まないと思っていた。
そういう思いが研究に熱中させた。
どこにいても馬鹿だし、いつも馬鹿だし、今も馬鹿だ。
昔、若者が働いていた倉庫群は、今は半分解体して残りは葬儀屋さんとか、コンビニとか、釣り具用品店などになった。
コンピュータリゼーションのなかで、昔ながらの昔気質の若者もなくなってしまった。
そういう自分も今やコンピューターの奴隷である。
僕は夏に弱い。
ついでに夏に弱すぎて仕事をためこんでしまった。
最近すずしくて仕事はかどると思っていたら、今日はまた雨で蒸し蒸しする。
体調も悪い。
a rose in the rain 雨に濡れ 咲く薔薇 おまえの涙 布袋寅泰
薔薇と雨か。
昔、誰かと いつか薔薇を見るときもあったのではないか。
という無い過去への幻想。
あった過去ではなく、無い過去への幻想をいつもつむいでいる。
美しい人に、なぜ美しいのと尋ねたらどう答えるのだろうか。
無い過去ならば、せめて無い現在にしてほしい。
何もない、ただぼんやりしていたい。
薔薇は自分には似合わない。
子規のこのうたは雅なのだろうか。
せめて竹林のなかで、無い過去をつむぎ、無い現在をつむいでいたい。