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時の関守

芹沢光治良先生のこと (2)

芹沢(せりざわ)光治良は当時、90歳は優に越え100歳にならんとしていました。
先生は死を目前にし、身の回りを整理し、我が生の終わりを準備していたといいます。
その先生に、突然、神が降り、神の望む三冊の本を書くよう命じられます。

神のシリーズ三部作は、一部マスコミでもとりあげられ、ある一部の人々のなかでは有名な話しです。
ただ、もともと先生の文壇的評価の低さと、日本での神、霊的なものへの軽視がわざわいして、大きな話題となることはありませんでした。

そして、神の三部作を書き上げたあとも、毎年のように書き下ろし小説を書き上げ出版していたのです。
その先生が神の命令により、誰にでも分け隔てなく会われていたのです。
本当は、私自身、切実な悩みがあったわけではありませんので、先生の貴重な時間を奪うことに躊躇(ちゅうちょ)もありました。
しかし、先生に一度でいいから、会ってみたいという誘惑に負けました。

友人がどんなつてで、お会いる予約をとったかは知りませんが、友人、友人の婚約者、私と私の今の妻と、4人でお会いすることとなりました。
私もまだ30歳をちょっと越えたぐらいのときで、
何を話したいのか、
何を今必要としているのか、何もわかっていませんでした。

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