野老の里

奥武蔵をメインに日帰りの山歩きを中心としたブログです

今日の一曲 Joy of a Toy Continued & Town Feeling by Kevin Ayers

2014年06月25日 | 今日の一曲
最近政治家の不規則発言が話題になっています。
民主党政権時代は恒例行事となっていたので、またあの時代の再来かと思わずにはいられません。
話題になっているのは環境大臣と都議の発言ですが、どちらも現状を正しく認識していないが故と思っています。
大臣については福島の人が何を求めているのか、都議については結婚しない人が多いのは何故なのか、
そういったことについて本当に知ろうとはしてこなかったのでしょう。
そして不味いことに彼らは形だけ反省して、何が問題であったのかを依然として知ろうとしていないことです。

ただ大臣に関しては実状がわかっていて、あえてお金の話題を出した可能性もあるかと思います。
でもそれって自治体の首長は納得しても問題解決にはならないんですよね。
何故ならお金を出したところで若い人は福島には戻ってこないからです。
地元の人は除染した土砂が飛散する虞があることをわかっているので、中間貯蔵施設を作ること自体は反対しないでしょう。
それよりも若い人は戻ってくるのか、故郷はどうなるのか、そういった心配のほうが大きい。
官僚はそういった悩みについて応える必要はないと考えているので、大臣はお金で、と言ったのかもしれません。
まあ思い付きで言った可能性のほうが大きいとは思いますが。

他方都議のほうは自らが無知であることをさらけ出した格好です。
女性に対して「早く結婚したほうがいい」という発言は人権問題であると報道されています。
その通りなんですけれど、日本ではまだその辺りの意識がかなり低い。皆さんの周りでもこういう奴、結構見かけるでしょ。
なので個人的にはこういう発言が出ることは不思議ではないし、国民全体が差別だと意識していくことが必要なんだろうと思います。
加えてボクが疑問に思うのはセクハラ発言をした都議は本当に少子化問題を考えているのかということです。
子供が少なくなっているのは結婚しない人が増えているからだ、というのは事実です。
というのも日本では婚外子の割合が極端に少ないからです。だから子供が増えるにはまず結婚する人を増やさなければならない。
保守的な人たちの間では女性の社会進出が少子化を加速させたという意見が根強いようです。
でもそもそもキャリアと出産・子育ての両立を悩むほど女性の社会進出は進んでいませんし、専業主婦志向も依然として強いものがあります。
女性の社会進出が少子化を加速させたというのは妄想というほかないでしょう。
むしろ非正規雇用が増えて、先行きに不安を感じる人が結婚を躊躇うというのが少子化の一番の原因と云えます。
女性が結婚する条件に生活力を一番に挙げるように、現在非正規雇用では結婚することがますます困難になっています。
そういった原因を放置して「早く結婚したほうがいい」と発言するのは単なる精神論に過ぎません。
どうもセクハラ発言をした都議は「早く結婚したほうがいい」発言には問題が無いと思っているように感じます。
そこには結婚しない人間は単に甘えているだけだ、という傲慢さが垣間見えるのですが、どうでしょうか。

それにしても不規則発言をした議員を処分できない都議会は情けないもんだよね。
政治家には言論の自由が重んじられるべきである代わりに、政治家の集まりである議会が自律権を発揮することも重要です。
自律権を発揮できない議会は結局何もやっていないのと一緒。日本ではなあなあで許されても対外的なイメージは地に堕ちました。
そしてそれは同時に住民である都民もダメな人達であるというレッテルを張られたということでもあります。
都民がどうチェック機能を果たすのか、見物ですね。まあ期待はしませんけれども。



http://www.youtube.com/watch?v=jU3l-nMDGcQ


http://www.youtube.com/watch?v=Xk5e6GtKvjI

さて雑談が長くなりまして、申し訳ありません。
Kevin Ayersの1stアルバム"Joy of a Toy"(1969)からアルバム冒頭に置かれた2曲を取り上げてみました。
Jimi Hendrix Experienceとのアメリカツアーを終えた後、Kevin AyersはSoft Machineを脱退します。
当時は音楽ビジネスから引退してのんびりするつもりだったようですが、Jimi Hendrixにギターを贈られて、LPを作ることを決意します。
アルバムにはSoft MachineのメンバーであるRobert Wyatt、Mike Ratledge、Hugh Hopperが参加したほか、
初期のKevin Ayersのアルバムには欠かせないDavid Bedfordも参加しています。
気心知れた仲間と作り上げたアルバムということもあって、ポップでまとまった良いアルバムです。
2作目以降のアルバムはKevin Ayersのやりたいことがやや空回りした感がありますが、このアルバムに関しては聞き辛い所は皆無。
それでいて後のアルバムにも引き継がれる底抜けに明るいポップ性と内に秘めた仄暗い狂気が垣間見える作品となっています。

ポップ性を前面に押し出しているのが1曲目に置かれた"Joy of a Toy Continued"で、TVCMに使われてもいい位なんじゃないでしょうか。
Soft Machineの1stアルバムに"Joy of a Toy"という曲があって、Kevin AyersとMike Ratledgeとの共作となっています。
曲の雰囲気などは全く異なっているのですが、"Joy of a Toy"のシンプルなギターのメロディラインを聞いていると
"Joy of a Toy Continued"は続編的な位置づけになっているのかもしれません。

賑やかな"Joy of a Toy Continued"に続いて"Town Feeling"。
狂気とまでは言わないものの、"Today, the town seems like a tomb"という歌詞から始まるこの曲はあまりハッピーな印象を抱きません。
そしてどこか物悲しいメロディ。シンプルでしかも暗くなり過ぎないアレンジが絶妙です。
Kevin Ayersの場合、明るく人懐っこいメロディの中に寂しさを漂わせるとき、印象深い曲を残しています。
度々音楽業界から離れようとした彼はセールスを気にする音楽を作ることには興味が無かったようです。
その代わりボクらは単なるポップソングとは異なった風変わりな彼の音楽を今も楽しむことができる。
売り上げだけで判断するのであれば全く注目されないようなKevin Ayersの音楽がボクを含めた一部の人々に熱狂的に愛されている不思議は
これらの曲を聞いてもらえればある程度わかっていただけるのではないかと思います。

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