お早う御座います。
9月12日土曜日が雨降りで日曜日にお祭りが延期になりました。秋晴れの日差しが強い中、山車、子供神輿、大人神輿が繰り出し、町内会は賑やかでした。ただ、日曜日なので、野球やサッカーの少年の試合が組まれていてその分人数は減りましたが。午後、休憩中に小学生男子がふざけて山車の綱に足を取られ、転んで棒に額をぶち当て、鮮血を流しました。山車の先導役の私は目の前に居て、慌てて軍手でその額を強く圧迫し、止血したのです。救急担当が駆け付け、軍手をどかすと、血は止まり、傷口は1センチ程度でホッとしました。消毒し、三角布で強く縛り、傍に来た母親が父親に電話して車で病院に行くとの事でした。久方振りに肝を冷やした一件でした。
さて、政界は15日午後に民主党の幹事長に小沢氏が就任予定で、組閣人事の内定の発表もあるかもしれませんね。優先順位をしっかりと議論し、実行して頂きたいです。雇用不安は社会不安に直結しますので、雇用促進の早期解決が望まれます。
スポーツ界では、イチロー選手が大リーグ新の『9年連続200安打達成』で持ち切りですね。ホームラン王に比し、地味な感じは仕方ないですが、努力の継続の凄さを物語っています。私も草野球に勤しんでいて、3割を打つことは大変だったので、9年間持続して3割以上と知り、驚きました。毎日同じようなトレーニングでも、常に工夫や思考を凝らし、日々進歩していたと思われます。健康、探究心、技術、周囲の人との関係など、悩み、苦しみながらも前向き姿勢で、野球が大好きの一点を頼りに歩んだからですね。また、一つ一つ積み重ねて下さい。私もそうしたいと思います。先ずは、心よりおめでとうの言葉を捧げます。
なお、巨人の方は76勝39敗9分で2位中日と7差でマジックが11で、残り20試合と少なくなりました。怪我人続出とか、インフルエンザ感染とか突発的な事件が起きない限り、優勝は90%以上間違いないでしょう。
大相撲も13日から始まりましたが、横綱白鳳関を破る関取が出ないことには盛り上がりませんから、日々の鍛錬をお願いします。
小説は、『黒服の訪問客』が脱稿し、1週間寝かせてから校閲し、私設編集長にチェックして頂き、何処かの新人賞に応募します。次回作の構想は頭で描いていますので、これからプロットを立てる予定です。
昨夜、向田邦子作のコメディードラマ『母の贈り物』をテレビで鑑賞しました。結婚前日、突然新婦の母親が現れ、駆け落ちした母に戸惑い苛立つ新婦。それを慰める新郎。新婦がなじるのに堪りかね新郎の寡婦が秘密を告白。自分も苦境の時に近所の水道屋さんに世話になったと。女手一つで自分を育ててくれたと信じていた新郎が慌てふためき八つ当たり。愛するとは、人情とはをユーモアを交え、人の心に響かせている。世間に見られる事象を鋭く観察しており、自分も真似をしたいと思いました。
前回、『小説歌謡』について書きましたね。そうしたら、9月5日の朝日新聞朝刊の頁e3に『うたの旅人』が掲載されていて、松田聖子さんのヒット曲『風立ちぬ』は松本隆さんが作詞したと書かれていました。しかし、彼が堀辰雄氏の小説『風立ちぬ』からヒントを得て作詞したのか、単に題名だけを借りたのか、または何ら小説とは関係がなかったのかは記事には言及されていませんでした。当人に聞く以外真相は分かりません。
それでは、『旅愁散文詩』の最終頁をお贈り致します。
四十五. イタリア、ローマ市 (古代人との邂逅)(続き)
(十) ナヴォナ広場
ナヴォナ広場に在るパンテオン神殿の青銅の大扉から足を踏み入れた。直径9米の天窓から光を呼び込み、或る一面に反射し、周りに微光を放ち、神秘的なムード。ドームの直径、高さ共に43.3米、古代人の建築技術に呆れる。紀元前27年、アウグスト帝の一人娘の婿である執政官マルコ・アグリッペによって皇帝の守護神を祀るため建てられた。紀元80年の落雷後、修復され、7世紀にはキリスト教会になった。今でも、エマヌエレ二世、ウンベルト一世、画家・建築家のラファエロ・サンティの墓がある。
(十一) ヴァティカン市国
テヴェレ河を渡り、サンピエトロ広場に医師を乗せたリムジンが着いた。ここに、世界中からの信者約40万人の大勢を収容出来るのか・・。柱廊の上から、広場を見下ろす白亜の聖人像104体、風雨に負けず、立ち並ぶ。
赤、黄、黒の縞模様の服を着た衛兵2人。
サンピエトロ寺院の内部に入り、天井を見上げた瞬間、目の玉がくらくらした。高さ50米はあろうか、奥行きは186米。このドームが信者の喜怒哀楽を吸い込み、浄化して、再び喜怒哀楽を穏やかなものにして、信者に戻しているような気がした。一人の力で成し得ぬ事でも、多くの人々が集まれば、その心、技術、金の力で崇高なる精神、建造物を地球のある限り、伝承してゆけるものだとの感銘を強く受けた。
磔になった我が子を抱く聖母マリアの表情に、人間と共通する止め処なき悲しみをみる。ここは、ネロ皇帝時代に殉教した聖ピエトロの墓の上に、4世紀のシルヴェウス一世が教会を建てた事に始まる。法王ニコラウス五世がカトリック総本山に相応しい寺院再建計画を立て、代々の法王と芸術家が組んで造ったルネッサンスの記念碑的な大教会である。
(十二) トラステヴェレ地区
テヴェレ河の石橋を通り、下町の石畳の路地裏に在るレストランシアター『ファンタジェ・ディ・トラステヴェレ』の前でタクシーを降りた。車の脇に、腰に拳銃を提げたボディーガードが近寄り、門の中へと誘導される。ギョッとして、この地区の治安の悪さを垣間見た気がした。ガラス張りの入場口から廊下を経て扉から内へぞろぞろと入る。おや、何処かで見た顔・・、そう、日本人の団体さんが真ん中に陣取っている。外人客は・・、おっと、ここでは日本人も外人だ。200人位の内、日本人以外は二、三割は居るには居るが。
テーブルを囲み、ワインを飲み、前菜、肉、魚を頼み、会社仲間と語る。朗々たる独唱、陽気で笑顔のカンツォーネを合唱で聴き、旅と医師世話役の仕事の疲れも一気に吹っ飛んだ。日本の歌のリクエストタイムでは、『さくら、さくら・・・』『春のうららの隅田川・・・』など、流暢な日語が会場狭しと響き渡り、こちらも思わず口ずさみ、終わるややんやの喝采が送られた。日本の国歌『君が代』を要望した客が居たが、他の歌にして欲しいとやんわり断られ、愛国心の強いイタリア魂を見た思いがした。
四十六. 終章
友人との旅、時には出張時の小さな旅に出て、自然との語らいを願った。しかし、自然の中で息づく人々との触れ合いなくしては、自然との対話もあったものではないと気付いた。自然と共に生き続ける人間の歴史、文化、経済などが、そこかしこに厳然と存在する。万象皆師・・。観る側のアンテナを鍛えて鋭敏にしておかなければ、網膜に、心に焼き付ける事は出来ない。一段とアンテナを磨き、次ぎの旅に出たい。あなたにも是非、旅の醍醐味を存分に味わって欲しい。
これで、『旅愁散文詩』の終了です。ご愛読有難う御座いました。折角ですので、生きてきた足跡としてこの『旅愁散文詩』と10年前に同人誌に掲載されたエッセイ数編をまとめて出版予定です。
次回からは予告通り、『小説歌謡詩』を連載致します。どうぞ、ご期待下さい。
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