台風がやってきた。
早朝4時。
激しく窓を打ち付ける嵐に起こされる。
寝たのは恐らく2時過ぎくらい。
そんなに嵐ではなかったような気がするのだが。
4時過ぎには恐ろしい嵐になっていた。
見晴らしのいい僕の部屋の窓から外を見ると、かなり角度をつけた雨が波を打っていて、その模様を顕にしていた。
こりゃヤバイと急いで雨戸を閉めるのだが、その僅かな作業でさえ濡れた。
翌朝、早く起きる。
ニュースの交通情報を入念にチェックして電車が走っていると思い家を出る。
風がそこそこ強かったので傘がさせないと思いわざわざバスで駅に向かう。
駅に近づくと凄まじい大群が逆流している。
既にバスが通過した私鉄の駅の方へ人が流れている。
バスは困難と思いロータリーの手前で我々乗客を降ろす。
駅の周りは恐ろしい人だかり。
嵐が勢いを増している。
電車が止まっているのだろうと誰もが思うところだが人は皆自分でそこまで行って確認したいのだ。
僕も例外ではなく一応改札へと向かうが既に何万にも及ぶような群れ。
何とか改札の方に向かい状況を把握する。
走る目処はないので私鉄の駅へ行ってくれと言う。
しかし外は嵐、皆外には出ず立往生。
なのに後から後から人の群れは現われる。
バスで何処かへ向かう人達でバス停は溢れ、タクシー乗り場も人で溢れ、嵐を切り裂いて私鉄の駅へ向かう人達。
何があったのか担架で救急車に乗せられる人。
みんな電話をしている。
せっかくこんな状況ならば素敵な出会いでもあればいいようなモノなのだが。
風は強いが空が急に晴れてきたので僕は私鉄の駅へ向かった。
大勢の人が同じように行動する。
しかし私鉄の駅の手前から既に人で溢れ駅に近付くことすら出来ない。
駅に電車は止まっているが、一向に走らない。
こっちの電車も止まっているのだ。
数十分に一回くらいの割合で発車しているが人の積もる方が早い。
家を出てから2時間弱、もう僕は諦めて帰る事にした。
ディズニーランドじゃあるまいし。
なんのエンターテイメント性も無いこんな乗り物の為に何時間も待たされるのはごめんだった。
行列から離脱した。
どうせネットの商売なので全然家でも仕事は出来るし、会社も来なくて良いと言っていた。
家に帰り仕事を始めた。
かなり風が強いので雨戸は閉めたまま真っ暗闇で作業。
凄まじく部屋が揺れ、なかなかの恐怖だった。
屋根が飛んでしまったらどうしよう?現にそんなニュースばかり流れている。
そんな不安を一回抱いてしまうともう落ち着かない。
やがて嵐が過ぎて台風一過の青空に変わった。
雨戸を開けて晴れ渡った空を見ながら作業。
何だか清々しく不思議な一日になってしまった。
ああして駅に集まってしまう都市型の人間が悲しかった。
ただ交通機関が止まるだけで人間はパニックになり潤滑に流れる事が出来ない。
みんな同じようなパターンで行動して、まるで蟻の行列のようだ。
そして僕もその一部だった。
自分の意識で行動している事など無いなと思わされる。
僕以外の力にここに来させられて、僕以外の力で立ち止まる。
行列から離脱した瞬間だけがまともな瞬間だった気がした。
台風は僕の好きな非日常を乗せてやってくる。
台風は大風と書いた方がいい気がするのにな。
早朝4時。
激しく窓を打ち付ける嵐に起こされる。
寝たのは恐らく2時過ぎくらい。
そんなに嵐ではなかったような気がするのだが。
4時過ぎには恐ろしい嵐になっていた。
見晴らしのいい僕の部屋の窓から外を見ると、かなり角度をつけた雨が波を打っていて、その模様を顕にしていた。
こりゃヤバイと急いで雨戸を閉めるのだが、その僅かな作業でさえ濡れた。
翌朝、早く起きる。
ニュースの交通情報を入念にチェックして電車が走っていると思い家を出る。
風がそこそこ強かったので傘がさせないと思いわざわざバスで駅に向かう。
駅に近づくと凄まじい大群が逆流している。
既にバスが通過した私鉄の駅の方へ人が流れている。
バスは困難と思いロータリーの手前で我々乗客を降ろす。
駅の周りは恐ろしい人だかり。
嵐が勢いを増している。
電車が止まっているのだろうと誰もが思うところだが人は皆自分でそこまで行って確認したいのだ。
僕も例外ではなく一応改札へと向かうが既に何万にも及ぶような群れ。
何とか改札の方に向かい状況を把握する。
走る目処はないので私鉄の駅へ行ってくれと言う。
しかし外は嵐、皆外には出ず立往生。
なのに後から後から人の群れは現われる。
バスで何処かへ向かう人達でバス停は溢れ、タクシー乗り場も人で溢れ、嵐を切り裂いて私鉄の駅へ向かう人達。
何があったのか担架で救急車に乗せられる人。
みんな電話をしている。
せっかくこんな状況ならば素敵な出会いでもあればいいようなモノなのだが。
風は強いが空が急に晴れてきたので僕は私鉄の駅へ向かった。
大勢の人が同じように行動する。
しかし私鉄の駅の手前から既に人で溢れ駅に近付くことすら出来ない。
駅に電車は止まっているが、一向に走らない。
こっちの電車も止まっているのだ。
数十分に一回くらいの割合で発車しているが人の積もる方が早い。
家を出てから2時間弱、もう僕は諦めて帰る事にした。
ディズニーランドじゃあるまいし。
なんのエンターテイメント性も無いこんな乗り物の為に何時間も待たされるのはごめんだった。
行列から離脱した。
どうせネットの商売なので全然家でも仕事は出来るし、会社も来なくて良いと言っていた。
家に帰り仕事を始めた。
かなり風が強いので雨戸は閉めたまま真っ暗闇で作業。
凄まじく部屋が揺れ、なかなかの恐怖だった。
屋根が飛んでしまったらどうしよう?現にそんなニュースばかり流れている。
そんな不安を一回抱いてしまうともう落ち着かない。
やがて嵐が過ぎて台風一過の青空に変わった。
雨戸を開けて晴れ渡った空を見ながら作業。
何だか清々しく不思議な一日になってしまった。
ああして駅に集まってしまう都市型の人間が悲しかった。
ただ交通機関が止まるだけで人間はパニックになり潤滑に流れる事が出来ない。
みんな同じようなパターンで行動して、まるで蟻の行列のようだ。
そして僕もその一部だった。
自分の意識で行動している事など無いなと思わされる。
僕以外の力にここに来させられて、僕以外の力で立ち止まる。
行列から離脱した瞬間だけがまともな瞬間だった気がした。
台風は僕の好きな非日常を乗せてやってくる。
台風は大風と書いた方がいい気がするのにな。