メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

僕はイエス様が嫌い

2019年06月25日 | 映画
僕はイエス様が嫌い
を観ました。


祖母と一緒に暮らすために、東京から雪深い地方のミッション系の小学校へ転校することになった少年ユラ。
日々の礼拝に戸惑うユラの前に現れたのは、小さな小さなイエス様だった。
他の人には見えないけれど、願い事を必ず叶えてくれるイエス様を信じ始めたころ、ユラに大きな試練が降りかかる…。


監督・撮影・脚本・編集を手掛けたのは、新鋭映画監督・奥山大史です。
若干22歳で、サンセバスチャン国際映画祭で史上最年少で最優秀監督賞を受賞したそうです。
なんか世間的にもっと騒がれても良さそうだと思いますが。

結構気になっていたのですが混んでいてなかなかチャンスが無く、ちょっと客入りも落ち着いてきたので見てきました。

いかにもハイセンスな日本映画って感じの雰囲気です。
静かで説明セリフも無く。
淡々とした描写の中で観客はストーリーを把握していく感じです。

ただこの手の映画でも過去の名監督たちの手法をそのまま踏襲している感じは無く若い監督ならではのテイストはふんだんにあります。
ただそれを説明しろと言われても難しいのですが。
画面のフォーカスの仕方、メインの人が群衆の中心になってなかったり。
雑踏の騒音の中で拾われている会話がメインの人達でなかったり。
引きの画とアップの画のバランス、切り取っている風景の綺麗さ。
さり気ないワンシーン、ワンシーンがイチイチ芸術性を感じさせて見心地が良かったです。

食事のシーンやらおばあちゃんとのシーンはまた若干違った雰囲気を讃えていて、ちょっとコミカルさすら感じさせるホーム感がありました。

そして何より唐突に現れる小さなイエス様のファンタジー感。
それを過剰に描かず、極端に言ってしまえば、その件やらそれにまつわるシーンは無くても別に成立してしまうくらいささやかで。
安直にそのファンタジーを押し出して来ないのは非常に良かったですね。
ほんのりのきっかけになっている感じはありますが、明確なルールや目的はわからないです。

若干難解な部分もありますが、全然しんどくは無いくらいです。
静かな暮らしの中、事故が起きたり、悲しいことが起きたり。
それでも主人公の男の子は淡々と過ごしていて。
でも内側には明らかに複雑な感情を抱いていますが、やっぱり安直に感情的に感動をアピールするようなこともなく。
ハイセンスでちょっと泣きそうでした。
自分の感性がもっと繊細ならばもっと泣いたと思います。

主人公の佐藤由来って子は流石に主人公やるだけの事はあり上手でした。
無感情なキャラの演技って簡単そうに見えますが、その分天性の物が必要でしょうし、些細な仕草にセンスを求められるものです。

親友役の大熊理樹はハンサムで可愛い顔してました。
将来人気者になるかも知れません。

チャド・マレーンが小さなイエス様でした。
正直エンドロールまでチャド・マレーンってわからなかったです。
セリフは無いので些細なパントマイムだけです。

しっかりと若いセンスを感じられつつもしっかりとした品質の映画で、新しいハイセンス映画と出会えた喜びがありました。


そんなわけで8点。

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