メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

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ゴールデンスランバー

2012年11月19日 | 
ゴールデンスランバー を読んだ。


首相暗殺犯に仕立て上げられた普通の元配達員青柳雅春の二日間の逃亡劇のお話。
青柳の目線と、今は音信不通、新しい家族を築いてる大学時代のサークル仲間で元カノの樋口晴子からの目線と両方で描かれる手法。
同じサークル仲間の森田や小野などの助けを借りてがむしゃらに逃げる青柳雅春。


ってお話。


ビートルズの名曲からきてるタイトルですね。
先に堺雅人主演の映画の方を観ていたのでだいたい内容は知ってました。
映画は原作にかなり忠実ですね。

ただし相変わらず独特で描写が上手なので非常に楽しめる本でした。

突然落とし込まれた余りに絶望的な状況、その中で目的もなくギリギリで逃走し続ける。
その中でどん詰まりを感じて考えて考えて決断をしていく主人公の描写が見事です。

あと書きで伊坂幸太郎本人の言葉が載ってましたが、
僕が常々言ってるのと同じような事を言っていたので嬉しかったです。

だいたいサスペンスって話を広げてる段階が一番面白くて、解決に向かう段階で萎える事が多い。
ってな感じの内容。

伊坂幸太郎もその葛藤があるらしく、広げた風呂敷をいかに畳むか?畳む段階は退屈だ、と。
なのでこの作品で畳まない事を表現したかった、的な。

まさに広げるだけ広げて全然畳みません。
謎も解明しなければ、解決もありません。

しかしながらそれでも納得出来るような見事に清々しい物語の綴じ方をしてます。
コレより先にモダンタイムスを読んでましたが同じ手法ですね。
ゴールデンスランバーでそういう手法を確立したのですね。

解決してないのに何だか不思議と感動できる非常に秀逸なお話でした。

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