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ドラマ『さとうきび畑の唄』

2003-09-30 13:12:00 | 徒然なるままに
9月28日(日)

はじめて「さとうきび畑」の歌を聴いたのは、中学時代のNHK「みんなのうた」で、当時はちあきなおみの歌だった。
沖縄戦についてはあまり知識がなかったが、1972年に返還された沖縄に、憧れと興味だけは持っていた。

ざわわ ざわわ ざわわ・・・
夏の日差しの中でさとうきび畑が風になびく音・・・
それは、その下で眠る、あの日、鉄の雨に打たれて死んでいったたくさんの人たちの無念の溜息なのか・・・。

今夜、この歌をモチーフにしたドラマが放映された。
日本で唯一地上戦が繰り広げられた沖縄の悲劇を、主演の明石家さんまが好演していた。

仲間由紀恵扮する小学校教師の紀子が、夫の訃報を受けた直後の最後の授業で、子ども達に、「戦争では何も解決しない。あなた達は生きて、戦争のない国を作って!」と訴えるシーンは印象的だった。
「あなた達がこの世に生まれてくるには、2046名のご先祖様が必要だったの。」
命のバトンタッチ・・・この尊い命の繋がりを次の世代に確実につなげることが、人が生まれ生きていく意味なのだと思う。
それが、戦争という、最も愚かしいことで人の命を奪い、自分の命までも無駄に落とすような過ちは繰り返してはならないし、この世から一掃しなければならないと思う。

明石家さんま扮する幸一は、上官から怪我をして無抵抗の敵兵を撃てと言われて、「私には出来ない」と銃を落とすシーンで、
「私はこんなことをするために、生まれてきたのでも生きてきたのでもない。私は写真屋だ。
私の望みは、自分の子ども達が、自分の家族に負けないような家族を作ることと、愛する家族に囲まれて天寿を全うすること、それだけなんです」
幸一はどんな時にも笑いを忘れず、周りを明るくし、家族を誰よりも大切にしていた。
「アメリカ兵だって同じ人間です。アメリカ兵にだって家族がいるんです」

当時、本当にそう思っている人がいたとしても、けっして言葉には出せなかった台詞を、
ドラマの中で、幸一が平和への祈りを込めていうシーンが心に染みた。

私は沖縄にはまだ行ったことはないが、あの、美しい海と島で、あんなに過酷な悲劇が繰り広げられた事実を、私たちはけっして忘れてはならない。そして、悲劇は二度と繰り返してはならない。

娘達と一緒に見ていたのだが、小2の娘に
「(召集令状が来た時)、どうしておめでとうございますっていうの?」
と質問された。
なるべく彼女が理解できる言葉を使って説明はしたが、私自身が納得できていないことを8才の子に分からせるのには無理がある。
このことは、これから機会を見ては母子で一緒に考えていこうと思う。

中1の娘は、上戸彩扮する二役の少女を追っていた。現代の役は不登校の高校生。戦時中の役は学徒看護婦。
このドラマから彼女はずい分多くのことを学んだと思う。

平和を願う作り手の思いは、このドラマを見た全ての人の心にしっかりと届いたと思える、素晴らしいドラマだった。

ここに改めて、あの不幸な戦争の犠牲になった全ての人々のご冥福をお祈りします。

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