1年前、バスケ部の教え子から『スラムダンク』の面白さを教えられ、夏休みにDVDでアニメを見、その続きが見たくてコミックを買い、すっかりハマって、完全版を読破した。
制作に6年もかかったという作品を一気に読み終えた後、作者に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
と同時に、連載当時、リアルタイムで読まなかった残念さ・・・。
遅ればせながらのファンではあるが、以来、すっかりハマってその熱は冷めるどころか、周りを巻き込むほど。
同時に今までさほど興味も無かったバスケが好きになり、自分ではできないけれど、生徒の試合を応援にいったり、バスケ部の生徒とは自分の学校の生徒だけでなく、他校の生徒でも、卒業生とでも、誰とでも仲良くなることができる。
いわゆる『スラムダンク世代』といわれる大人の人とでもすぐ打ち解けられるのだ。
スラムダンク効果はすごい!
当初、そんな私のハマリぶりを笑って見ていた娘(小6)もいつの間にかハマり、『スラムダンク』は今や彼女のバイブルとなり、中学に進学したら、女バスに入部するのを夢見て、毎日基礎練習に励んでいる。
昨年、3年生の副担任だったこともあり、テストや試合のたびに『諦めたらそこで試合終了ですよ』の名言を紹介し、入試直前にはバスケットボールの水墨画にその言葉を書いて貼り出し、皆にエールを送った。
そんな小さなきっかけでも、たくさんの『スラムダンク』ファンが生まれた。
最初は「何それ?先生、本貸してよ」
といっていた生徒たちも、卒業する頃にはいっぱしの論客ぞろいだった。
受験で引退したバスケット部の連中も、『先生、バスケがしたいです(涙)』とコメントを送ってよこしながら、高校受験を突破して行った。
今度の赴任先でも、『スラムダンク』ファンとバスケット人口を増やすべく、私の『スラムダンク』『布教』は続けている。
作品についてのキャラクター、ストーリー構成の良し悪しは、様々な人が書いている。
同感!と思うコメントもあるし、そういう視点で見るとなるほどと思うもの、いろんな先入観や表面的なことにこだわって、本質を見ていない人など、読んでいてなかなか面白い。
6年がかりで書かれた物語は、主人公たちだけでなく、作者自身の成長振りも目覚しい。
1億人突破記念に発表された新聞各紙の一面に描かれた湘北メンバーのイラストとコメント。桜木花道の『1番楽しんだのは自分かもしれない』というのはそのまま、作者の本音だと思う。
この夏、再度読み直して、更に新たな感動を覚えた。
この物語のすべてはの、あのハイタッチシーンのためであり、山王戦のの勝敗を分けたシュートが、ダンクではなく、あの『合宿シュート』だったことは最高だった。
ラストシーンの終わり方は、多くの『自称小説家』を生み出したことだろう。
それだけ創作意欲を掻き立てる登場人物たちだった。
名作は名作を生む。
あの物語を読んでバスケットを始めた人たちと同じように、今も、あの物語は自分自身の中で現在進行形なのだ。
それほどの影響力を持つほどすごい作品だと思う。
まだ読んだことのない人はぜひ、読んでみてほしい。
時代設定は古いかもしれないが、たとえ、更に10年、20年たっても色あせることの無い名作だと思う。
もし、私が作者であれば、連載終了10年を経た今、第2部を書くとすれば、登場人物も、時代もまったく新しい設定で書くだろう。ただ、物語の中で、回想シーンやエピソード、近況報告として第1部の登場人物に触れることはあるだろう。
設定としては、高校教師として赴任し、人気の停滞したバスケを復活させ、部顧問として再び全国を目指す小暮君の視点で見た物語として。
でも、桜木花道や流川楓を越すぐらい魅力的なキャラクターを活躍させるのは、至難のわざだなぁ・・・。
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