あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

玄人と素人

2021-11-10 | 本(文庫本)
歌田年さんの『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』を読みました。
本作は第18回『このミステリーがすごい! 』の大賞受賞昨品です

渡部が営む紙鑑定事務所に、ある暑い夏の日、一人の若い女性が訪れた。紙鑑定を「神探偵」と間違えて彼氏の浮気調査依頼をしに来たのだが、少しでも収入の足しになるのであればと、その依頼を引き受けることに。浮気調査の手掛かりになるのはプラモデルの写真。何とか早く解決したい渡部は、伝説の造形作家・土生井(はぶい)からアドバイスをもらって調査をやり遂げる。そのすぐ後で、失踪した妹を捜す女性が妹の部屋にあったジオラマを持って調査依頼に。お金目当てに再び調査を始めるが……。

探偵が本業ではないけれど、紙のプロと模型のプロが互いの知識を持ち寄って調査を行うという設定がまず面白いです。私は模型に関してまったく知識はありませんが、まったく知らない分、紙のプロ・渡部(私も紙のことなら多少わかる)と同じように新たな知識を得た気分になれました。
肝心の物語の展開の方は、かなり現実離れ。映画みたいな展開で、後半のスピード感とかまるで『インディ・ジョーンズ』みたいな感じ。スカッと爽快にどんどん読み進められました。
失踪した妹を捜す過程で、どんどん事件色が強くなって、調査は捜査になり、大量殺人計画につながっていきます。こうなったら「もう素人の出る幕じゃないって~」なんだけど、インディ・ジョーンズだからやっちゃうんです。

何でもこの作品は、文庫版で大幅な加筆修正が行われたということです。受賞したときのものとは「全然違うよ」という人までいるほどです。それをアージャコージャ言う人もいるようですが、まあいいじゃないですか。より面白い作品になっているのなら。
だから私は単行本の方は読みません。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« のんびり浅草散歩 | トップ | 決意表明 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

本(文庫本)」カテゴリの最新記事